全員協議会のこと。

「忖度社会ニッポン」という一冊を紹介されて・・・「同調圧力」という言葉を見ると、これに屈してはいけないのだろうなあと思った次第。

さて、今日は多摩市総合計画第3次基本計画の策定にあたって、全員協議会が開催されました。全員協議会というのは、横浜市会の用語解説によれば、「市政上の重要な問題について検討するために議員全員が集まって開かれる会議です。議員全員で行うもので、その限りでは本会議と同じですが、法令に基づくものではないため、議案などの審議・審査は行わず、市長などの執行機関から説明を受けたり、意見を述べたりします。」ということです。用語解説…多摩市の議会のページにも掲載できるといいのに。

今日の場合、1日で開催するというわけで、議員一人あたり発言時間は5分。「5分だけでは質疑ができない」と最初から質疑するモチベーションがわかないという場合もありそうですね。ただし、会派プール制なので、会派ごとに時間を上手くやりくりして、発言する人を特定にするというのも一つ工夫ですね。共産党会派は6名の議員のうち3名が質疑をして、一人10分で質疑をされていました。いずれにせよ、全員協議会を開催して、ここで「市議会の意見を聴きました」ということになってしまうのだろう…とは思うわけであって、これでよかったのか?というのがちょっぴり心にひっかっていること。正直、十分な質疑が出来たのか?と言えば、午前中と午後でいえば、午後があっという間に終わってしまい、後半ではほとんど質疑なく終了してしまいました。

そもそも・・・というのか、このような全員協議会を開催する事例として、前回の総合計画基本計画策定にあたっての全員協議会も参考にするわけですが、少なくとも、前回で言えば、もっともっと早い段階から必要な情報が提供されており、資料も提示されていた気がします。今回、議会に示された「案」についてもまだまだ未完成という段階ですが、前回の場合、未完成段階のものであっても半年くらい前には内容がどんな感じであるのかなど議会にも情報共有されていた記憶があります。
今回は、策定スケジュールとか取り組み方などについての「手法」のことについて議会委員会に報告されていたのですが、少し詳しい内容についてはぎりぎりになるまで示されず、議員側も十分に内容が吟味できなかった可能性が高いなと思います。

もちろん、今日の協議会に先立つ1週間ほど前には議題になる「第3期基本計画案」が示されていたわけですが、時間的に言えば、各会派で十分に議論を尽くして全員協議会に臨むというところまでにはいかなかっただろうと感じています。「それは会派ごと、あるいは議員の努力不足」と言われれば、そのことは甘んじて受けねばならないとも思います。ただ、市民のためにどんな議論をするのか、よりよく協議を深めていくためにはどうあるべきなのか?という視点から、行政側にも議会側にも努力が必要になるのかなと思った次第です。

そんなわけで、今日の全員協議会でしたが、私も気になっていた「子どもの人権」に対する記述が希薄になっているのではないか?という伊地智議員の指摘、そしてまた私が最も気になっていた「公共施設のダイエット」という表現への違和感をしっかりと述べてくださった遠藤めい子議員の発言はご尤もですし、荒谷議員の「横断的に事業を推進していく体制」についての言及(それをどう表現し、具現化していくのか)など、頷きながら聞いておりました。

また個別事項の件ですが、「放課後子ども教室」について、市民ボランティアの担い手を確保するにしても、かなり限界をきたしているのではないのか?という指摘が大隈議員、池田議員と相次いでなされたことも印象的。私も同様な意見をちらほらというのか、最近、耳にすることですので、おそらく全議員でも共有できる課題だろうなと思っていました。

いずれにせよ、もう少し、ていねいに質疑を重ね、協議を深めるとしたら、1日だけの全員協議会では不十分だと思いますし、「市民のためによりよい協議をしていく」という視点から、議会としても今後も同じようなかたちで取組んでいくとすれば、開催の仕方は再考すべきだと感じます。そしてまた、議会でよりよい全員協議会にしていくためには、その前提で情報提供、情報共有する側の行政の体制も問われるべきであって、やはり先に書いた通り、「市民のために」行政も議会も工夫改善をしていくことが大切だと思ったのでした。

今日は夕方から、手話講習会でした。少しは上達したかなあ…と思いながらですが、1週間に1度だけ手話を思い出すような感じになっているので、もっともっと使う頻度を上げていかなければならないですね。

明日から定例会開会です!