多摩市議会ウオッチング20周年。

多摩市議会ウオッチングの会が20周年を迎えたということで記念シンポジウムの開催と。市長と議長にご案内を出したので「ぜひ!」とお誘いをいただきまして、第2部後半を見学させていただきました。

「ウオッチングの会をウオッチしに来た!」とおっしゃる方が「ウオッチするだけではなくて、次はアクションを!」というから力強いエールを送る場面があったり、あるいは、市議会の議場で市民が「模擬議会をやってみる」なんていうアイデアが出されたり…市民が市長、議長、議員役などをつとめるんだそうで…もっと市民が市政に関心を寄せるようなことをしないと!という問題意識には私も頷けるものです。

私、シンポジウムを見ながら思っていたことなんですが、そもそも地方分権だとか、地方主権だとか…言われ始めてからの歴史もたかだか20年余りなんですよね。そのころから、ようやっと地方自治に果たす地方議会の役割についても再認識されるようになったと考えていて、その意味では、まあ、ホントに歴史は浅すぎる。地方自治の歴史70年以上から考えると、「地方議会」に注目が集まってきたというのも最近のことと言えますね。その時代の流れと重なるように「多摩市議会ウオッチングの会」が誕生して…今に至る…となりそうです。

それこそ思い出すのは…私の大学に入った頃…「機関委任事務の廃止」が話題になっていたわけです。もうあのころから考えても20年以上たっているとも言えますが、20年そこそこで過去50年間も染みつき染みつき染みついてきた中央集権的な発想から解き放たれるかと言えば、まだまだそんなことはないでしょう。実際にも、国や都から発せられる文書をどんなにか頼りにして自治体が仕事をしているのか、あるいは、ピラミッドの頂点には国があり、私たち多摩市との間には東京都が中間管理職のように君臨するような…そんな構図というのは…議員どうしの上下関係にも色濃く残っていますね。

無意識のうちに私たちの発想というのか、価値観の中に入り込み染みついてしまう慣習というのか、シキタリ。物事は一気に変わるわけではないので、「理想は高く、しかし現実的には着実に」ということで、あるべき姿、向かうべき方向にきちんと歩いていることが大切で、歩けていることを自分なりに実感する方がきっと大切なのではないか等など、会場でのやり取りをいろいろと聞きながら、考えていたことです。

 

市議会ウオッチングの皆さんからは「多摩市議会も機能を発揮していない!」とかなり手厳しく評価をされているのですが、私個人的には、ちゃんと議会に注目して下さり、批判や非難も含めて評価をぶつけて下さり、むしろ叱咤激励していただいていると…理解しています。聴きたくない意見には耳をふさぐ…これはとてももったいないことですから、こうした場所で、居心地悪さを感じることもものすごく大切な勉強である…と個人的には思った次第です。

議長としては…どうかと言えば、せっかくなので、多摩市議会だけではなく、他の市議会もウオッチをしていただき、比較をしたうえで、多摩市議会のこれからや未来について提言をいただけたら…と思うものです。もちろん、今が万全とは言いませんし、多摩市議会ももっと機能させていくために議員それぞれが研鑽を積んだり、議員どうしでも協力をしたりすることは必要だと考えますし、そのために支える議会事務局スタッフのモチベーションとスキルアップも課題であるとは思っていますが…それでも、客観的に捉えたところでも、「多摩市議会がいい議会になっていくこと」に対する議員一人ひとりの意識は高いと思っています。議員は個々に意見が違うわけであって、お互いに妥協し合って、譲り合って、その上で理解しあって、納得し合って…一つひとつ議会としての意思決定を進めていくことが求められている…と意識を持つ議員も…おそらく他市に比較して割合としても多い。それは、きっと女性の力であると私は考えているのですが、「いいものはいい」「いいことはみんなでちゃんと協力してやっていく」…この意識の高さは他の市議会ではなかなか感じることができないものではないか?と思うのでした。一人がいくら頑張っても、多摩市議会に対する評価が上がるわけはないですから。でも、多摩市議会全体の評価があがれば、そこに所属し、活動している議員の評価は上がる。なので、やっぱり、一足飛びに行かなくても「多摩市議会」が発展していくようにこれからも地道地道に取組んでいくしかないですね。そんなマインドで活動する議員が多いのも私は女性議員が多いからだと思っているのです。何せ、多摩市議会では26人中11名が女性ですから!

 

今日は午前中は議会運営委員会があり、その後、昨日に引き続いて京王タクシーさんの旗開きにも参加してきました。律儀にお招きをいただいて本当に恐縮します。私はいわゆる連合というのか労働組合からの推薦などは一切なく、今は政党にも所属をしていませんし、本当はこうした場面にお招きをいただくことはイレギュラー。他市の市議さんも出席をされているのですが、みなさん選挙の時に「推薦」をしていただく云々といろんなつながりがあるようです。今日は遠藤めい子議員も出席をされていました。私の場合には、民主党時代の選挙でご縁をいただき、その後、継続してお声をかけていただいています。別に、選挙を応援するとか応援しないとか、そういうことって関係ないですよね。一人でも多くの仲間や共感する人たちとつながって、一緒に地域をよくしていこう!…そんな発想を持っている京王タクシーの皆さんの考え方にこそ、私は共感するものです。逆に言えば、「選挙の時に応援してくれた、してくれない」で市民を色分けして捉えているとすれば、それこそ、議員としていかがなものか?と思いますしね。

そしてまた、「議長」という肩書きにご配慮いただいて、今日も「鏡割り」もさせていただいて…ちょっぴり申し訳ない気持ちにもなりましたが。本当は組合の皆さんが応援されている市議さんたちが壇上に上がった方が良いのでは?とか…勝手に思ったりするのでした。でも、ありがたかったです。そんなわけで、いろんな場面で感じる「ありがとう」をしっかりと自分の心に溜めていき、一歩ずつ行動していくというのか、自分自身の日々の振舞いに変えていかなければいけないなって思ってます。

インフルエンザが流行っているよう。お気を付けください!