多摩市国際交流センター創立25周年!

多摩市国際交流センター(TIC)が25周年を迎え、記念式典が行われました。地道地道に活動を重ねてきた歩みを感じるのは、とにかくも「記念式典」といっても、ものすごく大げさで仰々しくないからかもしれません。

この25年、組織運営の在り方などでも決してスムーズに円滑で順調だったというわけではなく、紆余曲折があったと耳にしています。もともと遠い昔、市職員が国際交流センターの事務を担っていた時代もあったそうですから…。ただ、変わらないのはいずれにしても市民が会の運営をずっと支えてきたということ。もちろん、少しは市の担当課がフォローしているところもあるとは思っていますけれど。

でも、やっぱり市民が中心に「手づくり」で活動をつくってきたことがわかるのは、記念式典がとてもアットホームな和やかな雰囲気だったからですね。

「会員が工夫を凝らして、活動を積み重ねてきた」と理事長さんがあいさつで述べられていたように、まさに「草の根」での交流が少しずつ広がり、そしてまた重なっていると思います。子どもたちが大使館訪問をする事業などの企画もなかなか大変ですよね。参加する方は「楽しむ学ぶ」ということで完結するわけですが。

会場全員で声を合わせ、中国語の漢詩を朗読したり、インドネシアの舞踊の披露があったり…。この会場にある雰囲気が、国際交流センターの活動を物語っていると思ったのでした。一人ひとりが主役というか、みんなが知恵を出し合ったり、少しずつ力を出し合いながらやっているんだなあと。

これからオリンピック・パラリンピックなどへ向けてもさらに「おもてなし講座」など含めて、国際交流センターに期待される役割は大きくなっていくことと思いますが、それに伴うバックアップ体制が課題かもしれません。財源だけでなく、人的な支援を含めて、本気で国際交流、もっと言えば、「多文化共生」を目標に掲げ、誰にとっても住みやすい地域社会をつくるとなれば、もっともっと力を注いでいかなければならないですね。災害時の外国人への対応についても、ずっと必要性が言われているものの・・・・・・・・・・・・・という状況です。ちょっと行政側は腰が重たい感じ印象です。

さて、ギャラリーはハワイの紹介。そしてまた、フラダンスの披露があり…そして、何よりも「ハワイアンパンケーキセット」をいただくことができました。これも、市民らしいアイデア。

こうしてフルーツと生クリームでデコレーションされるとなかなかよいですね。今度、真似してみよう。

そんなわけで、昨日、記念式典が行われた後は子どもたちのかわいらしいフラダンスを見ながら、パンケーキ。そしてまた、今日は「日本語スピーチ発表会」が行われたので、再び…足を運んできまして、TICが多摩センター、永山、桜ヶ丘と3つの拠点で行っている’日本語教室’の受講生によるスピーチ大会の見学がてら…またパンケーキでランチ。

スピーチ大会では半年ほど前に来日した方から、30年を超えて日本で生活をしている方まで…12名の皆さんが日本語でスピーチを披露してくださいました。英語でスピーチしなさい!と言われると、どれだけ緊張して、どれだけ嫌だったかという記憶が蘇りまして、人前で日本語でスピーチしてみよう!という勇気に対し、まずは拍手ですね。

永山地域で子育てしている方は「とても多摩市はいいところ」と語って下さり、別の方は「多摩市はみどりが多く、公園がたくさんあって、信号を気にしなくて自転車で公園めぐりができるところが多摩市の魅力」とを語っておられました。スピーチの内容を聴きながら、一度だけ見学に行った日本語教室の光景を思い出していましたが、トップバッターでスピーチをされた方が「日本語教室に入って、心強かった」とおっしゃっていたように、単に日本語を教えるだけではなく、多摩市で暮らす、多摩市で生活するうえで抱えている不安などにも寄り添い話を聴いてくれる人がいるところ=場所=「TIC(市民)が担う日本語教室」になっていて、その意義は大きいと感じます。これが「草の根」。

ことば…自分自身を表現するために欠かせないものですよね。母国語ではないことばで自分自身を表現しろと言われると…すごく難しい。そして、ことばが出来ないことへの不安は大きい。私はTICの活動の柱として「日本語教室」の役割が今後益々重視されていくのではないかと思っていて、「外国人のための生活相談」も含めて「日本語教室」が果たしている役割を大事にしていきたいと感じています。母国語で困りごとを相談できる場所として、少なくとも「日本語教室」に通うご縁を持てたみなさんはその存在が心の支えになっていると感じています。

多摩市国際交流センター25周年を一つの節目として、また新たな気持ちで活動を発展させてほしいと思っています。25周年を迎えた多摩市国際交流センターの活動を支えて下さってみなさまに「ありがとう」の週末でした。

そして最後に一言。「多文化共生」とはどういうことなのか?その実践はやっぱり草の根から始まり、広がっていくはずなんですが、多様性の重視がさまざまな場面で強調される今日この頃、多摩市としてどう取り組むかについてももう少しメッセージを強く打ち出すべきでしょうね。