マジックワード的に使われる「多様性」。

全国地方議会サミット2018…2日目でした。議会改革の先進地、あるいは全国にモデルとして発信されている議会の議長さんたちから事例発表があり、こちらはかなり参考になりました。特に、議員個人の一般質問あるいは代表質問から抽出した課題を議会全体で共有し、必要があれば、常任委員会の所管調査事項にしてしまう…というのはとても面白い取組み。そしてまた、委員会活動の活性化にもつながると思いますが、「委員会代表質問」ということにも取り組んでいるという話しも伺いました。各自治体議会に視察に行き、取組み内容の話は伺えたとしても、実際にその「現場」を直接見れる機会は少ない。インターネット録画でも見れると言えば見れますが、一度、「生」でその臨場感を味わってみたいものです。

そして、午後から…「多様性のある議会への実践と課題」と随分と難しいテーマをいただき、武蔵野市の本間まさ代議長さん、茅ケ崎市の白川静子議長さんと共に登壇して発言の機会をいただきました。女性議長だけでこのテーマを語ることそのものが難しいって最初から思っていましたけれど、やっぱり難しい。「現在の議会は年齢や性別が偏っていてなかなか多様な意見を反映しにくい」という問題意識があり、候補者男女均等法の制定なども意識したテーマ設定だったようです。個人的には言わんとすることは分かるけれど、基本的には日本国籍があり、被選挙年齢という条件がクリアされていれば選挙にトライすることはできるわけで、何か今の「市議会」という場そのものが「多様性のある議会」への道のりを阻んでいるとは言いがたいなあと思います。仮に、武蔵野市議会のように車椅子を使う方が議員になられたとすれば、その方が議会活動できるような対応をしていくでしょうし、茅ヶ崎市議会のうに介助者がついていなければいけない議員さんがいらっしゃり、視察への介助者の動向も含めて、健常者と遜色なく議会活動できるようにルールを作ったりするでしょう。そしてもちろん女性議員が妊娠や出産を迎えるとなれば、それへの対応もする…と思います。状況に応じて柔軟に対応できる議会であることが大切とくらいしか言いようがなく。

とりあえず、女性議員が増えたことのメリットとして感じたことを問われたので
①男性どうしの「あ・うん」の呼吸(があるとおもっているが)が通用しない。きちんと表で説明することが必要となってくるので、クリアになる。
②「長」(議長とか委員長とか「長」のつく役職)をめぐる争いが減る(女性は「長」の獲得にあまり興味関心がない人が多いため)

あとは、男性は縦社会の中で物事を動かしがち、でも女性はどちらかと言えば横つながりやネットワークを大事する傾向が強いので、委員会などでもメンバーのいいところを引き出しながら委員会運営していくのが上手い気がする…ということ。そして、市民サイドから見れば、「女性議員にだから相談できること、しやすい課題」(特にDVのこととか性被害などの問題)を議会に届けやすくなったとも言えるかなとは思います…。

と普段感じていることは話しておきました。

多摩市議会のように女性議員多い議会…武蔵野市や茅ヶ崎市も同様なんですが、基本的に「女性だから」とか「男性だから」を意識しなくて活動でき、男性議員から「女性」扱いされることの方が少ないというのか…ある意味、「その人らしさ」が互いに尊重されて活動できている感じがしますね。女性議員が少なければ「女性議員どうしがライバルになって大変だ…」という男性議員の話を聞いたこともあるけれど、そんなことも多摩市議会の場合にはないなあ…と勝手に肌感覚で感じております。

それにしても「多様性」というのは私も嫌いな言葉ではなく、これからの時代は「多様性」がキーワードだと思っているのですが、意外と突き詰めていくと難しいですね。しかし「多様性を認める」って言えば、「なるほど」と思いやすいわけですが、実際にその言葉どおりに自分自身の行動を当てはめていくこともなかなか難しい。言葉の意味とイメージと、あと実践。「多様性」へのイメージもさまざまありそうですし、だから「多様性」なんだと思いますし。

話しを戻し「多様性のある議会への実践と課題」をどう語るか?…結果的に「多様性ある議員が揃う」ということはあるのかもしれませんが、何か議会から「多様性のある議会への実践」ということで取組めることというのはなさそう。しいて言えば、議会に関心を持ってもらうために主権者教育をやるとか、多様な意見を反映するためにもっともっと出前で市民との意見交換会をやるとかそういうことになるのかしら・・・?

2日間、早稲田まで通うという大変さを思い知りました。帰り道、大学時代の恩師に会いに行き、それから大学時代の友人と再会し、結構充実した時間を過ごせました。

すごくおしゃれなお土産をいただく。「尾道レモンカード」。