予算審議2日目。

春らしい陽ざしを感じ、コート着用せずに出かけて「しまった!」と思った定例の朝活からスタートでした。久しぶりにお目にかかることができた方々もいらっしゃり、うれしく思いました。

市議会は予算審議の2日目。今日は歳出からスタートしました。議会費に対する質疑はなく、総務費からのスタートです。私は議長室で音声を聴いております。音声だけで聴く方がむしろ集中できるかもしれません。

「シティーセールス推進事業」について、「多摩市にはネガティブなイメージがついているようなので、若々しい‘いい’まち」であることをPRできるようにしていきたい、そのためにポスターやパンフレットなど冊子を作成していきたいとの話がありましたが、「ネガティブではないイメージ」を発信するための具体的な内容をメニューとして揃えていかねばならないと伊地智議員が指摘をされていてその通りと思いました。「なぜ、ネガティブなイメージになっているのか」・・・それは、ただ単にニュータウンが年月重ねて「オールドタウン」になっているというだけの話ではないと思っています。まちは年月を重ねて「いい’まち’」になっていくはずで、「なぜ、ネガティブイメージが先行してしまうか?」を考えてみることも大事かなと。

さて、土曜日、毎年、せいせきさくら祭りのプレ企画として開催されている東日本大震災の復興を願うフォーラムに出席してまいりました。
今回は「再生可能エネルギーがもたらす希望」をテーマにし、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の提案されておられる城南信用金庫顧問の吉原毅さんをお招きした基調講演も行われました。

多摩市は非核平和都市宣言をしている多摩市ですし、市長も事あるごとに、そのことをPRしているにもかかわらず、実際の取組みとして、「公共施設の屋根貸し」についてもトーンダウンしているのが現状です。その理由に、固定買取価格の見直しで想定よりも利益が見込めなくなった云々…と市長が説明するのですが、だからと言って、取組みを諦めるというものでもなさそうですね。「あるべき方向」「めざすべき目標」に向かって着実に歩みを進めていくことが求められると思います。そこがシティセールスというか、まちの魅力にもつながりそうですが。残念ながら、先般、開館した和田・東寺方コミュニティセンター「かるがも館」の屋根についても、「太陽光パネル」を設置しようと思えば設置できる準備がされているとのことですが、肝心なパネルの設置は「今後の検討」になっています。自然エネルギーの活用に積極的に取り組む姿勢が感じられないことに残念との声は議会にもあります。

吉原さんのお話を伺い、改めて、「原発ゼロ」は正しい道であることを確認しましたし、その方向で私たち多摩市ができることを考えていくべきだと思いました。吉原さんは「すぐにでも原発を止める」と主張されていましたし、それが可能であることもおっしゃっていましたし、印象的であったのは「当たり前のこと(正しいこと)をやってちゃんと次の世代につなげたい」という言葉でした。「当たり前のこと=安全な社会」ということです。「原発は暮らしを脅かす」ことは自明なのに、未だに再稼働と進んでいくのはなぜなのか?…吉原さんは「お金が絡むと正しく判断できなくなることもある」との趣旨で、最後には「保身」という言葉を述べておられました。私たち一人ひとりも考えていかなければ、このエネルギー問題は解決できない。「他人事にしない」…この一言に尽きるのではないかって思います。

 

さて、フォーラムの中でもう一つ…被災地(浪江・二本松)に足を運び、交流をしてきた多摩中と多摩第一小学校のみなさんからの発表もありました。内容もさることながら…ですが、子どもたちを現地に送るために企業や団体、市民の方からの賛同を募り、協賛金を集められた商店会のみなさんの活動に私は注目したいと思います。今までは現地の子どもたちを招待していたそうですが、こちらから現地に足を運ぶのは初めてだったのこと。研ぎ澄まされた子どもたちの感性、「五感で感じる被災地の現状」…替えがたい経験になったことでしょうね。発表では語りつくせず、言葉ではできない多くのことを子どもたちは学んだのではないかと思いますし、そのことが全員合唱の歌声になっていたような気がします。

3年目を迎えた被災地の子どもたちと多摩市の子どもたちとの交流。2011年を体感している子どもたちだからこそ余計に現地に赴くことにより、「自分たちの今」を見つめ直すこともできるのではないか…と思います。かねてから「時間を作り、娘と一緒に被災地の訪問をしたい」と考えていますが、なかなか実行できずにいて…。

子どもの心で捉える…大人にはない感受性を社会を変える力にできるといいなあと思います。フォーラムでは連光寺小学校の子どもたちから「総合学習の時間」の発表もありましたが、子どもたちの方が進んでいて「SDGs」のことにも真剣に向き合っていることが伝わり、授業をつくっていく指導者の先生たちの力量が子どもたちの成長にも大きく関わることを再認識し、痛感したひとときでもありました(SDGsが達成された街のイメージがとても素敵な絵で描かれています)。いずれの小中学校でも「ESD」は定着しつつありますが、そうは言っても、各小中学校の特色というのか、どんな「学びの場」にできるかについて、学校経営のありかたと大きく関わり、管理職の先生たちの手腕も問われるなと思った次第です。

今日の予算審査は総務費が終了し、民生費に入りました。民生費は社会福祉分野ですね。いろいろ気が付くところもあり、指摘したいことがあっても、限られた発言時間の中で「どの項目をチョイスするのか?」というところで質疑する側の議員もなかなか悩ましいんですよね。そんな気持ちになりながら、議長室で過ごした一日でした。