3月定例会 一般質問

今日の一般質問は公明党から、池田議員、本間議員と共産党から、板橋議員、小林議員…という順番でした。池田議員は都議会公明党で提案して実現したという女性向きに作成された「防災ブック」・・・早速、市役所ロビーの一角で配布されていましたので、1冊いただいてきました。お昼休みの時にはまだ山積みだったのに、帰るころには箱が空っぽ。見た目もなかなかかわいらしく、読みたくなる一冊かなと思いました。

ところで、「女性と防災」の視点では、池田議員あるいは本間議員は市議会の一般質問でもかねてから取り上げている内容。もちろん他の議員さんも意識はあると思っていますが、しかし、池田議員から今日から一般に配布されることなどが紹介されまして、市政と都政の密に連携している「政党力」を感じた次第です。市政と都政の連携とは、言葉でいうほどに簡単ではないんですよね。これはあくまでも私の経験による感想ですが。また、こうしたハンドブックについても「女性視点」を色濃く作成されたのは知事が女性であることもまた大きく影響しているのではないかなとも思います。

さて、一般質問で取り上げられる話題からも「高齢者対策」といっても、今まで以上に「ひとり暮らし」の方々への対応に力点が置かれていることを感じます。結局、最後に「おひとりさま」となり、その暮らしを支え、場合によっては看取りまで…ということも社会全体で考えていくことの必要性です。家族の在り方も昔とは異なっていて、家族との関係性も含めて、それぞれの方が置かれている環境も違う。「家族にも、他人にも迷惑をかけたくない」という意識も強い高齢者の方も多く、その方々のお気持ちに寄り添いながら、しっかりと制度として支えていくのは財政的にももちろんですが、それよりも人的に、マンパワー的にも実は限界に来ているのではないか?と捉えています。

子育てと介護のダブルケアの問題、介護離職…。介護人材が決定的に不足していますので、最後の砦にはやっぱり「家族」しかいなくなる場合多い。支援できる家族がいる場合はいいですが、そうでない場合も今後はますます増えていくと思っています。職場には介護休暇の制度があるかもしれませんが、それにしてみても、取得することに対し後ろめたさを感じるというのは子育てのために休暇を取得することを躊躇する市民とも共通します。ここに生じる葛藤と言うのか、気持ちというのか、職場内でのプレッシャーについて言えば、実は公務員と民間企業の社員とではきっと「差」があるだろうなと思っていて、「制度があっても万全ではない」という点をどうクリアしていくかも問われます。

「いつまで命が続くかもわからないから、無駄遣いはできないし、心配」…年金収入からも税やら保険料やらとひかれるところが増えていくことをとても心配され、不安に思っておられる市民の方にお会いすることも多いです。周りを見回して「将来への不安」を持っていない人はいないというのか、「困ったときには助けてもらえる制度がある」ということに信頼感が持てずにいることは、ここ最近、市民の方とお話しをしていてもつくづく感じることです。

ひとり親への支援、経済格差が子どもの育ちの格差にならないように・・・という池田議員の指摘、エンディングノートをお一人おひとりに作成してもらうことの必要性を指摘した本間議員、介護保険料をこれ以上あげては生活が成り立たなくなると指摘した板橋議員、認知症への理解を広め、認知症だと診断されても地域の中で暮らせるようにサポートしていく体制づくりを進めてほしいと訴えた小林議員・・・共通しているのはどんなにか国が法律を作ったり、東京都が制度をつくったとしても、結局「市民に一番身近な自治体」でなければ、市民に寄り添って暮らしを守ることができないという点だなあと思うのでした。だから、基礎自治体はとても大事、そこを担う市議会議員の役割は重要!ってことですね。

そして、数々の暮らしを守るための仕組みを「多摩市」がきちんとつくっていくとき、限られた税資源をいかに振り分けていくのか?という視点も欠かせないですね。今日、出された視点はいずれも大事な事であり、重要なことだと思うわけですが、そのためにまずは「都や国や」に依存せず、「自分たちでやっていくとしたらそのための財源はどうする?」が問われていることも念頭に置きたいものです。そうでなければ、いくらいいことを言っていても、実現はできないので。ここが、舵取りをしていく市長やそこに向けてきちんと方向性を質していく市議会としても役割と責任が大きいですね。

なんてことを、議長席で感じる一日でした。