9月定例会 老朽化はパルテノン多摩だけでなく。

公共施設の老朽化が話題になる中・・・聖蹟桜ヶ丘駅東側の駐輪場も年月を経て老朽化しているため「建替え」するそうです…と聞いたので現地に足を運んでまいりました。確かにとても傷んでいて、雨漏りもひどい。管理員の方は「今度、建替えになるみたいだけれどねえ」とおっしゃっていて、既に「建替え」のことをご存じのようでした。床も水が入り込んでブカブカな感じ。快適に利用するのとはほど遠い感じでしたが、それでもこの場所を日常利用されていて、管理員の方と顔なじみの方もおられるようですね。管理員の方がお一方お一方に「ありがとうございました」と声をかけておられるのが妙に印象的でした。24時間利用可能ですが、管理人さんは20時ごろまでいらして、あとはまた朝からここにいらっしゃるようですね。一つひとつ公共施設の見直しプログラムに入っていないけれど、取り組まないといけない「老朽化対策」ここにアリ!…と思いました。

 

今日はパルテノン多摩・周辺施設等特別委員会でした。議会では市民との意見交換会の結果などホームページに掲載しています。また、特別委員会で詳細の報告はされていませんが、市のホームページには大ホールと小ホールについて特定天井について昨年度実施した調査の結果が掲載されております。私たちにとってはこうした情報も重要なんですが、市民にとっての重要性の優先度は低いと判断されているようですね…トピックスに掲載されていないので、情報はひっそり更新され、議員でも情報が公開されていることに気が付かない人の方が多いですね。

さて、特別委員会は陳情の審査から始まりました。端的に言えば「将来に向けてもっと構想を磨く必要があり、そのためにもう一度時間をかけて取組み直すことが必要ではないか?」とする問題提起をする陳情と、もう一つは、現在パルテノン多摩を利用されている団体の皆さんから「早急に大規模改修に取り組み、なおかつ工事期間はなるべく短気に、閉館期間を短くし、市民に不便をかけないようにしてほしい」ことを訴える陳情です。結論は前者は「不採択」で後者は委員長判断で「採択」でした。陳情については結論の出し方に議事進行上のルールがあり、前者の陳情の場合「採択1名」「不採択3名」「趣旨採択4名」だったわけですが、趣旨採択の判断のうち2名が討論を行わなかったことから…委員長が「採択」で採決を取って、「不採択」(趣旨採択4名も挙手をしないため)となりました。傍聴席からも疑問の声が飛びましたが、議会の標準的ルールです。たとえ2名が趣旨採択で討論したとしても、「いずれの意見も過半数に満たない」ために「審査未了」となるそうです。ちなみに後者の陳情は「採択4名」「趣旨採択4名」であったため、委員長が「採択」を述べて結論は「採択」。この場合は「同数」であるため、「いずれの意見も過半数に満たない」にはならないそうです。3つ以上の意見が出た場合のみ「いずれの意見も過半数に満たない」ルールで「審査未了」になる規則…稀にみる結果なので、「ええっ!」と思いますがルールはルール。

陳情審査の後、市側が実施したセカンドオピニオン的な調査委託の報告がなされました。基本構想段階での内容につき、ホールの実務家からの意見と多摩センター活性化に対する意見、また今後のパルテノン多摩の運営についても意見が述べられておりました。この報告を受けて、今度は多摩市がどう考えるのか?が問われることとなるでしょう。委託した内容「ママ」でよいのかどうか。もちろん議会側の意見もあると考えていますが、まだ今日の段階では意見交換するまでには至っていません。実務家の方に検証をしていただいた結果、もう少し精査が必要であり、精査すれば減額することは可能としながらも…今日段階で示された改修金額は「約75億円」。そしてまた、必要と思われる運営費についてもいろいろ運営の工夫によって変わるとしつつも概ね「約5億円~6億円」なんだなと…いうことだけはわかりました(指定管理料の見込みそのものも約3億~4億円で今と変わらず。現在も指定管理料と貸館などの利用料収入分を含めて約6億で運営しているので年間収支の構造が大きく変わるものではない)。

ここをどう判断するのかも問われますね。同じコストをかけても、集客が違う、にぎわいが違う、市民がもっと利用してくれる…というようになれば良いのかなとも思いますが、そのための工夫と仕掛けがどうできるんだろう?…が見えてきません。結局のところ「絵」は描いたとしても、具体的に行動していくところの意欲があまり感じられない、そのための道筋が少しもクリアにされていないような気がします。

いずれにせよ、専門家集団からの報告を受け、市長はどう考えるか、そしてどう取り組んでいくか…「議会の皆さんの意見も聞いてから…」と市長の見解を出す前に、議会を伺うのかもしれませんが…。

 

とは言え、当初段階ではどんなにか私が「9月定例会までに議会が結論を出すなんてことは時間的に考えても難しい」「物理的に難しい」と最初から何度も訴えても、「そんなことはない。9月定例会には補正予算を組む。そのためにやる方針だ。そうでなければ間に合わない。」と一歩たりとも譲らなかった副市長の頑なさを思えば…。今後に向けてどのように取組みを進めるのか、その工程をどう組み立てようとしているのか?…。9月定例会までに…とガリガリ進め、しかし置き去りにしているものもたくさんあるような気がして…結局、「じゃあ、多摩市は文化行政をどう進めようとするの?」みたいな根幹の部分はどう議論されている?なんてことも気になりますし。「社会包摂」を言っていたら何となく「OK!」にみたいなことでは通用しないはずなのに。

 

市民からは特別委員会を設置しているわけなので、特別委員長以上に議長の責任も大きいと責められているんですよね。もちろん私も行方を見守りつつ…と思っているわけで、議会事務局も含めて、どうやったら議論がもっといい方向に転んでいくか?そのためにどうやって議員どうしの意識合わせをしていくことができるか?どこに議論が足りていなくて、必要なのか?っていろいろ頭を悩ませております。悩んでいても仕方がないと思った瞬間に、「なるようになる!」…と開き直ってしまうのが私なんですが、今回ばかりはいつもながらの開き直り感には「フタ」ですかね?

 

明日は総務常任委員会が開催されます。今日は「9.11」でしたね。毎日の忙しさの中で忘れそうになるところを…思い出させてくれた友に感謝。