図書館の発展も「人のつながり」が大事。

20160202

旧西永山中学校跡地。都営諏訪団地の建替え用地になっております。着々と準備が進んでいるとも言えるでしょう。校舎の解体作業が行われていましたが、最近になってすっかり更地化。それにしてもとても大きく広い土地。学校用地の面積がいかに広大であるかを実感しています。つまりは、ここにあった校舎建物もいかに大きなものであったかも認識させられるわけですね。・・・ということで、公共施設の在り方を考えるとき、「床面積の縮減」の視点をある意味強調してきた経過もありますが、それだけでは不十分ですね。仮にも「床面積の縮減」だけを主張するとすれば、廃校施設の取壊しでかなりの面積減になるわけですから。公共施設の見直し議論は、床面積の縮減でもあるけれど、それだけの問題では済まないわけで、議論すべき他の視点を適切に提示できなければならないのだと考えています。

さて、今日から3日間の日程にて行われる多摩地域の公立図書館大会をのぞいてまいりました。午前中のセッションだけを聞いてきたのですが、とても参考になりました。「多摩地域における相互貸借のあゆみ」というテーマで、図書館連携の歴史などをひも解くような内容でした。都立図書館と市町村立図書館の役割分担がどうあるべきか、あるいは市町村立図書館どうしの連携の意味…図書館の運営に関する各種レポートなどの紹介もありました。今日、紹介いただいたうちの下記のものについては、おさらいしておこうという感じ。

中小都市における公共図書館の運営
図書館政策の課題と対策
公立図書館の任務と目標

しかし、単に資料を融通し合うだけでない図書館の役割は現状でどのように果たされているのか?があまり見えてきませんね。「うちの図書館では保有していない図書を他の市の図書館から、あるいは都立図書館などかり借りてもらう」という作業だけであれば、今はインターネットを通じれば資料検索も簡単にできるわけなので、人件費の高い職員を配置する必要性が問われそうですね・・・というか問われていますね。しかし、図書館があり、知りたい情報を的確に得ることができる・・・そのためにプロとしての図書館職員の力量があるわけで、だからこそ専門性の高い(人件費も高い)職員を配置する意義が見えてくるわけです。

そもそも、市民の図書館に対するニーズはどのあたり?…そしてまた、資料貸出に留まらないわがまちの図書館の存在意義はどう位置づけられているか、認識されているか?…そのあたりの合意線と言うか、「ここらへん」を一致させていくことが求められそう。「公共空間としての図書館の価値」が問われているけれど、「そもそも図書館って何をするところ?」を原点に戻って考えていくことも必要になっているとの発言がありましたが、「そもそも図書館とは?」を考えるときに、図書の貸出冊数が多いとか少ないとかで一喜一憂するような発想と考え方からは脱皮してもらいたいですね。まずは、ここを私は強調したいです。それは指標の一つにしか過ぎないことをもっと認識してもらいたい。先にも書いたように、市民が知りたいこと、得たいと考えている情報を掴み、そこにいち早くたどりつくための支援…ここにはやっぱり「人」が必要になる…という視点からも「そもそも図書館とは?」を問い直してみたいものです。今、図書館はその視点からどんなことに取組み、そしてまたどんな成果をあげているの?

コンピューターだけではどうにもならない、「人」どうしの直接のコミュニケーションが図書館の発展につながっていく・・・と述べられていた講師の先生の言葉は印象的でした。これは、図書館に限らず当てはまり、言えることですね。インターネット時代になり、多種多様な情報が得やすくなった便利さ豊かさと安易さとの微バランスというか、まだまだもっと自分も含めて鍛え直していかなければならないと自覚だけはしているので。これから問われる図書館の役割と、図書館職員さんたちの役割がどう認識されていくのか、それに向けて多摩市はどう取り組んでいくのか、地域図書館の在り方見直しの議論が出ている今、改めて市民と対話してみると違った角度から「多摩市の図書館像」が見えてくるかもしれませんね。

明後日には糸賀雅児さんの講演会もありますので、そちらには必ず足を運ぶべく時間調整をしたいと考えております。