地域ワークショップをひらく意味。

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高齢支援課が先月末から市内各地域で取組みをスタートしたワークショップ。今日は聖ヶ丘、連光寺地域が対象となり、ひじり館にて開催されました。少し前に行われた介護保険制度改正市民説明会(参考ブログ)で今後の取組みとして紹介されていたこともあり、都合をつけてどこかで見学したいなあと思っておりました。見学のつもりが、一参加者としてワークショップに加わらせてもらい・・・介護予防リーダーとして今後の活躍が大いに期待される方々や地域の方と意見交流などさせていただきました。

担当職員さんによれば、「日程設定が失敗して、やや参加者が少なくなってしまった」とのこと。民生委員さんの会議や老人会などと日時がバッティングしてしまったようですね。もう少し配慮すればよかった・・・と。初回の落合地域では50名を超える参加者がいたようで、今日は参加者数は見込んでいたよりも少なめだったよう。でも、少なければ少ないなりに、参加した人の意見を言う機会も増えるのでよかったかと全体を通しての私の感想です。

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さて、和気藹々と①自分が独居になったら何が必要か?②今、自分ができることは何か?…を念頭に置きながら、課題を出し合い、その後・・・現状分析。実は、自分が課題だと思っていることも、今ある地域資源を活用することで解決できるものもあり、参加者同士のアドバイスや情報交換へとワークショップは進んでいきました。

意外と・・・・地域にあるサービスや仕組みを知っているようで知り得ていない・・・私もそのことを感じました。シルバー人材センターの生活支援の取組みをなさっている方、実際に介護をなさっていたり、ボランティアをされている方々からの意見や情報は新鮮。そしてまた、社会福祉協議会の方も参加されており、地域福祉推進の観点で取組んでいること、地域サロン活動の紹介などもありました。社会福祉協議会の地域サロン・・・もう既に多摩市内に62カ所もあるのですね!びっくり。それから10年越しで、住民の状況調査や把握をしてリストを作成・・・それをもとに、住民同士で助け合いをしているエステート聖ヶ丘3丁目の取組みも初耳。買い物支援などを行っていると伺いました。

「地域のことは地域の人が一番よく知っている。」・・・地域の人どうしで意見や情報交換をしながら、自分たち自身で地域を確認し考えていく作業・・・これが今日のワークショップ。また、担当職員さんはここから見えてきた課題解決のために行政でできることについては、支援が必要なものについてはきちんと施策化をしていきたいと話もされていました。今回の場合、「地域ごと」なので「地域の声」を純粋に拾い上げていくことが可能ですね。他の行政分野なので全市民相手にした住民参加の場とは一味違う印象で、私としては’ちょっぴり懐かしい感じ’の住民参加風景だなあとも感じた次第です。

また、ワークショップに先立つDVDの上映と高齢支援課からの報告がなかなかよかったです。「さよなら孤立化」は千葉県SSKプロジェクトにより制作されたものだとか。今回のワークショップを開催するにあたって、参加者のイメージ等を共有するための工夫で上映したとのことです。こうした工夫はワークショップを進めるうえではとても大切。まずは、「さよなら孤立化」の映像を探し当てたことが素晴らしいって思うのです。職員さんは自分の仕事だけに忙殺されている場合も多く、他の自治体の事例などを探したり・・・・という時間的余裕を確保するって言うほど簡単なことではないのです。あとはどこまでアンテナを高くしているのか?…ということとも関連するかもしれませんが、今回のワークショップにはぴったりの素材でした。

介護予防推進係長からの多摩市の高齢者の状況報告。ただ単に「高齢化が進みます。高齢化のスピードが速いです。」・・・というだけの概括をお勉強するだけではなく、参加者自身が住んでいる地域の実際が説明されたので、グッと迫るものがありましたね。なぜなら、日常そこに生活していれば、地域の状況は肌で感じてもいるわけです。それを実態調査の結果からも数値などで明らかにされることにより、よりリアリティが増すというか・・・。とても丁寧な分析がなされており、地域がどんな状況になっていくかを頭に思い描いてしまいました。65歳以上のみ世帯数・・・ここがいずれ65歳以上一人暮らし世帯になっていく・・・・後期高齢者75歳以上で考えた場合にはどうなっていくのか・・・・団塊の世代が75歳になる時分の事を考えてしまいますね。

今、高齢者支援の視点で、改めてコミュニティづくりを進めていこうというのが今回のワークショップ。それとともに、行政内部が課題として指摘されてきた「縦割りの壁」も解消していこうというもう一つの狙いも達成できるのかもしれません。しかし、今回のワークショップがひととおり終わったその後はどんな展開になっていくのだろう?・・・ということも気になりつつ、まずは、行方を見守っていきたい取組みです。