18歳選挙権をどう伝えるのか。

20150708

都立永山高校で「18歳選挙権について考える授業」があるとのことで見学に行ってまいりました。2年生全部で8クラスあり、5時間目と6時間目に4クラスずつ実施されました。そして、授業そのものは1クラス毎で、都の選挙管理委員会からは女性の職員さんが2名、市の選挙管理委員会からは男性の職員が2名・・・それぞれが分かれて授業を実施しました。授業内容はすべて統一されていて、まずは簡単なミニクイズ、それからクイズへの回答も含めたスライドなどを見ながらの解説というかたちで進みました。

「なるべく、市選管の職員さんの授業をご覧ください!」というアナウンスがあったものの、私は各クラスを出入りしながら見比べたり・・・同じ授業の内容なはずなのに、様子が全然違うなあと言うことを感じたりもしました。スライドの内容はちょっとお堅い内容でもあり、選挙の歴史とか、投票率のこととか・・・・決して楽しくなるようなものではなかったのですが、伝え方の違いによってクラスの空気感が異なっていた気がします。

人によってその内容をどうやって高校生に伝えていくのか?・・・・行政の職員さんはやっぱり行政事務のプロであって、やっぱり、授業のプロは学校の先生なんだろうなあ・・・これが私の偽らざる感想でもありました。そして、クラスによっては先生も生徒と一緒に授業に参加をしていましたが、担任の先生の参加の仕方の違いでも、生徒さんの様子やら授業の雰囲気もずいぶんと異なることを肌で感じてきました。

今は16歳、17歳の子どもたち・・・来年の夏の参院選では同じクラスの中に選挙権がある生徒とない生徒さんが混在するという状況ですね。その時、学校では?その時、クラスでは?・・・生徒同士で会話が生まれるものなのでしょうか?

そしてまた、何よりも今日の授業を通じて、「選挙に行ってみよう!」って思ったかなあ・・・とも感じました。いきなり選挙権が降ってきた!!!これが素直な感想かもしれませんね。「育ちの積み重ね」がとても大切なことだと思っています。そして、また各家庭の中で、「18歳選挙権」を通じて、選挙そしてまた政治のことが話題に上るだろうか?ということも大切なことだと感じます。

それにしても「子どもたちの心」そしてその育ちに歩み寄り、寄り添いながら、選挙権の大切さや「政治」のことを伝えていくための工夫など考えさせられた授業見学でした。「よし!我は選挙に行くぞ!」という思いを抱いてもらえるように。そしてまた、そのことが子どもたちが家族で話題にできるような・・・そんなわくわくするような授業・・・・これはきっと選挙管理委員職員さんの役割ではなく、やっぱり餅は餅屋のプロの先生たちに委ねられていく部分も大きいでしょう。政治教育の在り方、その必要性、そして役割がこれからの課題です。

で、私が見学をしていた時には、残念ながら多摩市の教育委員会の職員が来ていなかったなあ・・・。高校は都立・・・そしてまた、他市からも選管の職員さんがいらしていましたが、本当は政治教育とかって、小学校、中学校、そして高校と積み重なっていくはずなので、市教委(多摩市のみならず)にも関心を寄せてもらいたいことですね。都内では高校以外でも選管が主催で授業をしているようですが、もっともっと学校の先生たちも一緒に取組んでいけるような工夫してみたいものです。

 

私が大学などでスピーチをするときにも選挙に行きますか?と尋ねることがありますが・・・何と言っても関心の薄さと低さと、なぜ選挙に行かなければならないのか?という実感が持ちにくい環境があることを感ずるのです。今、何が問題で、今、身の回りにはどんなことが起こっていて、そしてそれに自分自身がどういう考え方を持っているのか?一つ一つの出来事に対して、点数だけで答えを出す時代ではないことを踏まえた教育や学習プログラムがもっともっと展開される必要もあるのかもしれません。18歳選挙権・・・・この夏、高校生をインターンシッププログラムで受け入れてみることにしました!