不安を解消するために情報発信が大切。

多摩市の職員が新型コロナワクチンを接種していたとのマスコミ報道があり、驚かれた方からの問い合わせをいただいています。ワクチン集団接種に関しては、予約が取れずに不安な気持ちで過ごす方々がいるのになぜ…という疑問を持たれる方もいらっしゃり、確かにそのお気持ちも理解できるものです。一方、市長からのコメントにもあるように「集団接種会場」で対応にあたる職員についても「医療従事者とみなす」という位置づけであり、市としても万全な体制で臨む必要があるというのもまたその通りです。連休前に方針を決め、職員も市内医療機関で順番に接種をおこなったそうです。実は、私たち議員も連休明けになってその事実を知り、ちょうど連休明けから75歳以上の市民のワクチン接種予約が開始され、とにもかくにも予約が全く取れないという苦情の声が殺到していた時でしたので、「一体、どういう経緯?」と驚いたというのが正直なところです。

ただ、集団接種会場で従事する職員も医療従事者と同様に…というのは考えてもみれば当然のことであり、事後報告であったとはいえ、否定すべきことでないと受け止めていました。しかし、マスコミの報道はどちらかと言えば「感じのいい印象」とは真逆な温度感。

とはいえ、電話予約があまりにもつながらない…あるいは、AI予約で「はい」「いいえ」を上手く聞き取ってもらえなかった等など…今回の予約の件で「こんなにみじめな気持ちになったことはない」と話しておられるみなさんからの声、ネット環境を持っていない高齢者のみなさんのお気持ちなどを察すると、やはり、心象悪くなってしまうのも致し方ないようにも思います。でも、「どうなっているの?」と尋ねられ、それについて事実を説明すると理解を示してくださる方も多いのは救いです。

さて、昨日、全議員への呼びかけがあり、急遽、田村医師会長が市議会にお越しになり、現況について説明をくださいました。先生が発熱外来で診察する患者さんで新型コロナウイルス「陽性」となったかたのほとんどが変異ウイルスであることや変異ウイルスは若い世代でも重症化しやすいこと、とかく感染力が強いということをはじめ、ワクチンは1回接種で得られる効果は約70%、2回接種が完了すれば約95%の予防効果があるとのエビデンスを得ていること等、説明がありました。また、身近なクリニックでも対応できるところからでも順次ワクチン接種できるように準備を整えたいと思っていることなどもお話しくださいました。

そして、市職員が「医療従事者」としてワクチン接種したことに対しては、「最前線に立ち、コロナに立ち向かう」という強い気持ちで職務を遂行してほしい、そのためにも、例えば、(こんなことがあっては困るけれど)クラスターが発生するとか、問題が発生した時には市の職員が(ワクチンを接種しているのだから)、率先して消毒作業や必要な対応のために現場に出向き汗をかいてほしいとおっしゃっていましたね。「(先に接種をして)ずるいといわれるのか、評価されるのかはこれからのこと」と断言されていたことには頷けるものです。

すでにワクチン接種が始まっていますが、予約された方はほぼキャンセルもなく会場に足を運ばれ、1回目の接種を済まされているようでした。まだ、75歳以上でも予約が取れていない方もおられ、今のところ、75歳以上の方の約65%くらいは予約済み、残るみなさんへの対応をどうするのか、「もう、電話はあきらめた」と予約する気力を失ってしまった方々への声掛けなどが課題です。

 

また、今日は市長から、「まず75歳以上を優先したい。そのために来週19日からはじまる65歳から74歳までのみなさんへの対応として準備してあった予約枠を75歳以上の方にまわしていきたい」との話もありました。接種可能枠の見直しなど実施されていくようです。ネット環境のある方はリアルタイムでも更新されていくホームページ情報をチェックしていただくとよいかなと思います。

65歳~69歳の皆さんへのお願い
5月19日に開放する予約枠(5月26日~6月16日接種分)は、2,590枠のみとなっています。

65歳~69歳の方も予約は可能ですが、70歳以上の方がより多く予約できるよう、予約をしばらくお待ちいただくなどのご協力をお願いします。ワクチンは安定的に供給され、希望者の接種が完了するまで続きます。

以上のように、現状を踏まえた呼びかけがされています。一日でも早くワクチン接種をという気持ちを抱いてしまうことも理解できます。ただ、希望者には全員接種していただけるように来月に入れば、今まで以上にワクチンがスムーズに多摩市にも入ってくる見込みですので、もうしばらくお待ちいただき、ご協力いただければと考えています。

また、あわせて、副反応に対する心配などのお声もいただいています。個々人がそれぞれ判断していくことが必要と思っていますが、厚労省で開催されている審議会に報告されていますので、情報としては参考になるのではないかと。

 

情報がないと本当に不安ばかりが先立ち広がっていきます。適宜適切に情報発信していけると良いなと思っています。