12月定例会はじまる。

定例会始まりました。開会前に市長から発言の申し出があったので、急遽、議会運営委員会を開催しました。実はこの間話題になってきた、桜美林大学と多摩市とで締結した確認書にミスが発見されたのでした。なんとまあ、桜美林大学側が所有している土地の所在地の間違い。落合2丁目とするところを3丁目と記載してしまったという転記ミス。議会側からの指摘で発見されました。取り急ぎで、修正することにしたようですが、本当に驚いたのなんのって…今までスルーされていたことが、この段階で見つかったのはまあ、よかったのだと思います。市長は「いちいち地番まで見ることはない。」とおっしゃり、「こうした事務ミスに市長がいちいち頭を下げていたら、もう大変だ。」ともおっしゃっていましたが、「現下の状況ですよ…。」と話もさせていただいたところ、開会前の発言になったようです。

議会としてはこの件について、「転記ミス」というか事務ミスの範囲と考えていますが、法的根拠はない文書とはいっても市長の署名も公印もばっちり押されている公文書でもあり、そもそもこの文書はどのような手続きを経て作成されたものであるのか?改めて文書作成手続きの流れなどを確認することになりました。

・・・とバタバタしながら、開会した12月定例会。いつもどおりに議事は進み、一般質問はトップバッターの三階副議長でした。副議長は「自殺対策」に関し、先進地である荒川区の事例を紹介しつつ、多摩市での取組みを促していました。荒川区では担当の保健師さんを配置し、NPO(ボンドプロジェクト)さんとも協力し、国のモデル地域としての活動を展開しているそう。そしてまた、隣接区の日医大病院との連携も図っているとか。

多摩市内での実態は前の定例会でも向井議員が質問をしていましたが、「自殺予防」に対する取組みは幅広くさまざまな分野にも関わる問題であり、縦割りでなく市役所全体で丁寧に取り組んでいくべき課題だと考えています。地域での人間関係が希薄になり、つながりが持てず、一人ひとりが分断されがちな現状に対処していくのはそうそう簡単なことではありません。できることからでも少しずつ取組みを重ねることが求められます。単発的にいい取組みがされている場合でも、もう少し横つながりを持って、行政だけではなく市民も企業も含めた取組みにしていくことで期待される以上の効果が発揮される場合もあるでしょう。進めていきたいですね。平成30年度、来年度中に「自殺対策」の計画策定をしていくとのことでした。「自殺対策」というよりも「自殺予防」と言った方がやわらかいですね。

三階議員のあとは、遠藤めい子議員。市民サービスの窓口をよりよくしていくための提案がなされていました。ご自身の経験に基づく質問でしたのでとても説得力がありました。また、昨年度、健康福祉常任委員会で提言した「受動喫煙防止対策」については多摩市でも条例を策定する方向を促すものでしたが、そのフォローアップで現在の取り組み状況を質問。その中では、市議会が条例提案や政策提案する際に必要な予算をきちんと認めてほしいとする要請がありまして、議会の立場を代弁していただいたことはありがたかったですね。対する市長側の答弁は歯切れが悪かったですが…。

その他、岩崎議員からはフィンランドのネウボラに学びつつ「就学前」の子どもたちへの支援の必要性、そのためには「親支援(大人支援)」が大事だという話しがあり、私にはとても共感できる内容。遠藤ちひろ議員は公園大国でもある多摩市が今後どのようにパークマネジメントしていくのか?という視点で、問題提起。また、公共施設の利用料金について「市外料金」を廃止し、市民以外からの利用をさらに促せばよいのではないか?という提案もありました。

いろんなアイデアがたくさん提起された質問でした。これらを咀嚼して?…行政経営の中に全て取り込んでいくというのはなかなか大変でしょうね…。でも、それぞれの議員さんからの指摘に共感できるところも多かったです。一般質問でどこまで突っ込めるのか?というのはありますが、質問の場では「現状の課題」についてまでお互いにしっかりと共有でき、次なる提案ができると行政の取組みが進みやすいでしょうね。「なぜ、それが進んでいかないのか?」「できていかないのか?」という点が明らかにされると、議員にも市民にも問題点が共有され、そのために今後、何に取組んでいけばいいかについて行政も議会も市民も考えることができるため。たいていの場合は「人手不足」以上に「カネ不足」と言われてしまうのかもしれませんけどね…。

しかし、今日一日のタブレット議会ですけれど、慣れるの大変。やっぱり紙媒体の方が優れている点をいくつも発見してしまう。