「ハードとソフトの再生」が必要・・・ニュータウンの魅力。

多摩ニュータウン再生シンポジウム。今年で4回目になるのですね・・・今回も前年どおりというか、パルテノン多摩の小ホールで2月に市民も参加する場にも位置づけられている報告会、講演会、パネルディスカッション(座談会)でした。萩原議長の挨拶に引き続きの、都議会議員の挨拶(こいそ明さん)が行われるという設えが、この事業を進めていく時の後ろ盾をじわっと感じさせますね。

それはさておき、今回のシンポジウムは「住みたいまちランキング」でおなじみのスーモの編集長さんの講演がとても参考になり面白いものであり、「街の魅力」はハードとソフト・・・ハードとは「交通・商業・街並み」であって、ソフトは「人・コト・ストーリー」とおっしゃっていまして・・・ついついこれを多摩センターエリアに当てはめてしまうのは、頭の中味がパルテノン多摩の大規模改修と三越撤退直前の現況に相当程度意識がとられている証拠ですね。

多摩センターはハードとしてはこの上ないほど立派。さらにはバリアフリーを考えて駅前にエスカレーターを設置するとか、都市再生整備の枠組みでリニューアル工事を進めていく段取りになっているものの、ソフトの問題は全くの置いてきぼり・・・ここが議会の指摘なのですが、「多摩センターのグランドデザインを描くべき」と投げかけると「すでにあります」っていうのが行政からの返答であって、ずいぶんと認識にズレが生じ、溝がなかなか埋まらないのですね・・・。基本構想があって、総合計画があって、都市計画マスタープランもあるし、「多摩センターのグランドデザインは既にあるんです」、「多摩センターのまちづくりのコンセプトとか言われても、答えとして何を求められているのかわからないんです。」と言われてしまうのがオチ・・・で、今回の一般質問でも市長に対して「多摩センターをどんな’まち’にしたいのか?」って質問をしているのですが、「すでにあります。どんな’まち’にするのかは、計画書にのっている通りです」がごとく答えが戻されてくるのでしょうか?

スーモの編集長さんは「住みたいまちランキングから読み解く『選ばれる街』の条件」として、「街の魅力を発信を!」っておっしゃっていたけれど、ニュータウン再生の枠組みでも一応、サイト(丘のまち)があるんですけれど・・・「全然知られておらず、発信力を感じてもらえていない」とは言われなかったものの、暗にNGを出されたようなものと受け止めています。もともと多摩市大好きな市民ライターの方が取材をして、文章を書いてくださっていたのに・・・何だかいろいろあって、一時閉鎖期間を経て、サイト管理をしてきた会社も変更して、URLも「http://www.tama-newtown2.tokyo/」・・・・「tama-newtown2」・・・って何だかよくわからない「2」が付されている状態。この「2」が意味するところは一体?ちなみに、売り込み文句としては「まちの魅力発信サイト」であって、多摩ニュータウン再生会議で「ニュータウン情報の発信強化」という方針に基づいて取組んだものであります。

 

いずれにせよ、「ハードの再生だけでなく、ソフトの再生も必要」というわけで、講演会を聞いた市長も「積極的に取り組む」と意欲満々な様子をアピールしていましたし、副市長も「ハードもソフトも」と改めて認識したようなことを述べておられたので、淡々と今後の行方を見守りたいと考えております。ハードだけでなく、ソフトも一緒にとはどういう仕組みにしていくか?ですね。「ニュータウン再生会議あります!」だけではきっと不十分でしょうし。

 

個人的にはパネルディスカッション(座談会)で発言された市民の方が「多摩ニュータウン再生方針は雲の上で作られて、上から降ってきたような方針で、市民にとって身近なものではない。もっと市民も一緒になって考えていけるようなものにしてほしい。」と訴えておられましたが、それは多くの議員も同じように思っている市民感覚そのもの。知らないところで進んでいる感が否めない。ニュータウンはつくるときもリニューアルするときも「住んでいる人はいない」のかなあ?っておっしゃる方もいるくらい。議会もただ動きを眺めているだけではダメですね。どう動くことができるんだろう?と思うと、なかなか解が見えないのですが。

シンポジウムの終了後、一般質問の調整で随分ぐったりしてしまったのは昼食抜きだったためか?・・・部長も課長も気長にお付き合いくださってありがとう・・・とも思いましたけど。