逆提案ができるか?

20161110

「明日は図書の日で、新しい図書室を使えるからめっちゃうれしいわ~。議会さんありがとう。」と時間割を見てうきうきしている娘(笑)・・・「政治は不思議だわあ。」と私よりも熱心にアメリカの大統領選の行方を見守っている様子。政治オタクのようにならなければいいなと思っております。私は、それより多摩市政の方が重要で、パルテノン多摩のことどうしたらいいか?図書館のことどうなるか?とか、市役所建替え問題もどうするか?とかあれこれ考えるだけでいっぱいいっぱいなんですが。パルテノン多摩のこと、そしてまた図書館のことも基本構想が着々と進んでいるので、市民の方もその行方を気にされていますね。聞かれること多いです。

さて、今日は図書館本館を新しくしようと進めている取組みについて、子ども教育常任委員会のメンバーと図書館側(基本構想策定に関わっているコンサルタントさん)含めての進捗状況の確認と意見交換でした。既に、公共施設の再配置や在り方を検討する過程にて「図書館本館用地」として候補に挙がっていた鶴牧倉庫(多摩センター駅西側にある旧管路収集センターのところ)ではなく、桜美林大学が所有している旧サンピア多摩の土地の一部(プールがあったところ)に建設する前提にて話が進んでおります。政策情報誌でも「図書館本館の新規建設」については市民に対し、場所も含めてPRされています。でも、市民の方に指摘されて「ハッと」なったのですが、「まだ、土地の取得も何も決まったわけでもないのに、『予定』かもしれないけれど、PRしてしまっていいの?」と。議会はあの場所に図書館を建設して、本当にいいと思っているの?・・・とその予定を市民に知らせることに「GOサインを出したの?」ということだと思っています。

「そういう動きがあることは隠さなくてもいいと思いますが・・・・」って一応答えておりますが、しかし、「決定」をしたわけではなく、「もしも、ご意見があればいただけたら」・・・って思うわけです。先日、図書館基本構想策定委員会を傍聴していましたら、やはり、「場所」の問題について意見が出され、「駅から少し距離があるのではないか」と趣旨の意見もありました。そのことは委員会誰しもが共通して思っていることでもあり高齢化のことを考えれば、「あの場所」に建設するのであれば、公共交通は欠かせないとしています。

正直・・・今の図書館本館(旧西落合中学校)についてもアクセスの悪さは指摘されていてミニバスを検討してほしいとする意見は出されていますが、いまだ実現には至りません。暫定施設ではなく、恒久的に使用する立派な施設となれば、話は変わるのかもしれませんが、シルバーパスを利用できる乗り物にしなければいけないでしょう・・・と思うと、採算とれるような公共交通システムになるかどうかもちゃんと検討すべきですし、時間はかかりそう。

話を戻して、図書館との意見交換ですが、私・・・ちょっと疑問なことは、公共施設の見直し過程では「身近な図書館を廃止しないでほしい」という声が上がり、その声に押される格好で、「廃止予定」になっていたいくつかの施設も「一旦立ち止まって考える」となっているにも関らず、図書館本館の新設の話しだけは着々と進んでいるということです。

もともと、地域にある身近な図書館を縮小し、モノ・人を一カ所に集中させる(新しい本館)という構想があり、示されていた提案が「一旦立ち止まり」になったわけで、議論の前提が変わったわけですよね・・・・ところが、前提が変わったことは触らないままに今に至る・・・・部長の話では「中央図書館的機能を持った本館の建設は長年の懸案事項で、今の本館も暫定施設だし、対応が必要なので。」とのことで、確かにそこも前提条件なのかもしれませんが、しかし、私にとっては「身近な施設の行方」とセットで考えられていた「新たな本館」と考えていたので、そういう意味では、並行して行政内部でどんな議論が行われているのかしら?と思っています。

基本構想を策定しようと動いている当事者・・・職員あるいは基本構想の策定委員、そして今回、コンサルティングで入って下さっている寺田さんの事務所は本当に熱心、なおかつ丁寧な議論を心がけてくださっていると思いますが、しかし、どうなんでしょう?・・・置き去りにされている重大な問題に処方箋を描く準備ができているのかしら?と感じています。少なくとも前提はやや変わっているはずで・・・・。
そのこと指摘をしたら、コンサルの寺田さんが「基本構想のところでその問題については言及したいと思っている」と回答を下さいましたが、なぜ、それをコンサルさんが答えるのかしら?とやや疑問。寺田さんは全国の図書館の状況を客観的に捉えておられ、「多摩市の図書館施策は非常に水準も高く、維持されてきた・・・」って褒めて下さった一方、「しかし、今は発育不全の状況にある」とも指摘して下さり、今回の「中央図書館的機能を持った本館」を新しく建設することで、多摩市の図書館政策全体を衣替えし、同じ予算でももっといいサービスができるようにしなければならない!と考えて下さっているよう。伊万里市や南相馬市の図書館にも関わっておられると以前から聞いておりましたが、建築物としての図書館ではなく、図書館と地域、図書館と市民生活・・・といったことにも深い哲学をお持ちになり、今回も基本構想に力を貸して下さっていることには感謝ですし、いい方に加わっていただいたと思います。

ただ、こうした様々な方々の力を借りて、プロジェクトを動かそうとしている図書館行政と言うよりは、市政運営全体の方向性がとっても不透明過ぎて、「これでいいの?大丈夫?」と個人的には心配です。折しも、パルテノン多摩の大規模改修を含めた多摩センター地域全体の将来ビジョンが固まりきっていない、どんなイメージを描いているかが伝わってこない・・・やみくもにあれこれ・・・縦割り組織がそれぞれの業務分担の中で「ベスト」は尽くしているのに、トータルで考えてみると・・・・「頑張っただけの効果が上がらない」みたいにはならないよなと危惧しています。

市議会では今年の当初予算で附帯決議をつけています。直接的にはパルテノン多摩の大規模改修に対する意見となっていますが、多摩センターをどう魅力的にしていくのか、どんな人の流れを作ろうとしているのか、パルテノン多摩のところにどうなれば人がもっと集まるようになるだろうか?・・・・きちんと考えてほしいと要望しています。そこに行政は・・・というよりは、陣頭指揮を執っている市長はどう応えることができているでしょう?

とは言え、行政に任せないで、議会もちゃんと逆提案していかなければならないですね。いまいち、そこもピリッと「逆提案」できている状況ではなく、行政から説明や報告を受けた段階で疑義を投げつけているような感もあるために、「行政と議会」との溝が深まっているようにも感じる今日この頃。本来はこの「溝」をうめるところに誰が役割を果たすんでしょう?

少なくとも、行政・・・職員さんたちは、みんな・・・それぞれの業務に対し、かなり誠実に奮闘していることだけは確かなので。市民には伝わりきらないかもしれませんが、私は状況をそのように捉えています。いよいよ12月定例会も近づいてきましたし、一般質問の作成期限も迫ってきました。

 

あっ・・議会報告会やります。よかったらご参加くださいませ。私は19日の回を担当していますが明日も行きます。