「子育て」にあたたかい地域づくりはできているか?

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関東若手市議会議員の会の研修に参加。同じ会派の遠藤ちひろさんが参加していたご縁もあり、今まで入会していなかったものの・・・遅ればせながら新規加入し、約1年が経過しております。今日は同じく会派の藤條さんともご一緒し、行政法の基礎知識、児童虐待防止に関するプロジェクトチームでの活動報告とそれをテーマにしてワークショップなどがありました。私はこちらプロジェクトチームにも関わっていて、乳児院や児童養護施設への見学や体験にも参加しつつ、他の議会で活躍中の若手議員の皆さんと意見交換など重ねてきました。乳児院、児童養護施設に実際に足を運び、子どもたちと接することができ、施設の方にもヒアリングもしてきたのですが、「施設に入れている子どもたちの方が幸せな場合もあるかもしれない。」とおっしゃっていたことがかなり印象的でした。規則正しい生活習慣、栄養バランスのとれた食事など・・・施設にいる不自由もあり心へのストレスがもちろんあることは大前提ですが、しかし、表面化していないネグレクトなども地域には問題が潜んでいるのではないか?とする指摘に深く考えさせられたものです。

「虐待の問題は、虐待してしまう側の心のストレスにきちんと目を向けた対応がなければ解決はできない。」

子育てが大事とか、子どもは未来の宝とか・・・言っている割には、ホント社会が冷たい。「子どもの声が騒音」だから保育園建設に反対とか、「マタハラ」とも言われるように妊婦に冷たい仕事場、予測できない子どもの事情にも休暇が取りにくい仕事場・・・女性の活躍推進も多くの会社ではまだまだその言葉が浸透し、働く人全体の意識を変えるところまでには行っていない感がありますね。電車などに乗っていても、子どもが騒がないかと冷や汗の保護者(特にママ)は多く、バギーの子どもが泣き声をあげないようにスマホを見せている場面など珍しくありません・・・・子どもにも子育て中の保護者にも決してあたたかいとは言えない。

初めての子育ての場合、子どもに向き合うだけでも大変なのに、一歩地域に出ると周りの視線も気にしつつ・・・更なるプレッシャーがかかり、心にちょっとずつちょっとずつ荷重がかかればそれがストレスになっていくわけで。

・・・ワークショップでいよいよ議論が深まっていくところで、途中退席してしまったので、今日の意見交換の到達点を見届けることができず残念。でも、つくづく思ったことは「地域における児童虐待の実態を把握するのは難しい」ということ。「多分、深刻な状況があるだろう」と何となくは言えても、正確な情報を得ることはなかなか難しい。周囲から見ていると「虐待にあたるのでは?」ということでも、保護者からは「教育です」と言われてしまえば、それ以上介入することが困難な場合もあります。

「子どもを傷つけてしまったな」と反省できればいい・・・と聞いたこともありますが、私は反省しっぱなし。

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さて、途中退席をした理由は、夕刻から予定されていた愛和小学童クラブでの話し合いに参加するため。子ども教育常任委員会のメンバー、学童クラブ保護者有志の皆さんと、民間委託をしているので施設の代表者の方、愛和小副校長先生と、学童クラブを担当する行政職員さんたち・・・・待機児問題にどう対応するのか?の協議のためです。今、低学年の保護者にとっては「学童クラブ待機児解消」がまず優先して解決すべき課題。入所できる子どもの人数を増やすことはできないか?新しい学童クラブをつくることができないか?・・・・など安心して働ける、子育てできるようにしてもらいたいとする切実な願いがあります。もちろん、それも重要で何とか工夫できたらいいなと思っているわけですが、それと並行して愛和小学校の立地する愛宕地区の児童館は「平成30年度に閉鎖」の方針が示されていて、こちらもまた実は地域にとっては深刻な課題にもなるのでは?・・・と考えています。子どもたちの居場所、居どころ・・・公園や空き地は「安心」の遊び場とは言えなくなってしまった地域・・・愛宕地域に限らずですが、日本社会全体・・・「公園に子どもがいない(少子化だからという意味ではなく)」・・・認めたくない悲しい現実かもしれませんが、それが今の社会だって思っています。

でも、「子どもは公園で遊べばいい」「公園があるのに遊ばないのがおかしい」・・・とか昔ながらの視点でしか語ることができない大人がいることも確か。子どもを外で遊ばすことをしないから危機管理能力が低くなるんだ・・・とする意見も耳にしたことがあるのですが、それは現代の「子育て難」を理解していない声。昭和時代に生まれた私たちが当然にできていたこと、享受していた遊びの環境・・・・今は全く異なっていて、「子育てのしにくさ、辛い環境」に疑問を持ちつつ過ごしている親がどれほどいるか・・・・。

市政の課題として公共施設の見直しは避けて通れない。児童館だから残す・・・と聖域ではないと思っています。ただ、それに代替できる機能をつくらずして「閉鎖」はありえない。愛宕地区児童館も「平成30年度に閉鎖」の方針が既定であるならば、それに替わる方向をしっかり示せなければ、市長は「子育て優先」を語ることができないでしょう。

何とか議会も協力して、学童クラブ待機児解消、児童館閉鎖・・・「子どもの安心と安全」を優先させ、問題解決ができるといいなと思っています。「子育てにあたたかい」・・・子どもたちの優しいまなざしを送れる地域づくりをしたいものです。