高尾山学園に行ってきました!

 

パソコンを買い替えたのですけれど、設定が上手くいかない…ということで、やっぱり長年愛用してきたパソコンをしばらくは使うことにしました。昨日は帰宅してから、パソコンにかかりきり。

そして、今日は気を取り直して、朝は聖蹟桜ヶ丘駅で宣伝活動をしてから、一般質問の答弁調整というか、教育委員会で答弁書作成をしなければならない皆さんからのヒアリングを受け、意見交換をし…そして高尾山学園に行ってまいりました!斉藤れいな都議と同じ会派のみなさんとご一緒させていただきました。

まずは、やっぱり…昇降口のところで校長先生がお出迎えを下さったというのは印象的。事務員の人とか、副校長先生ではなく校長先生自らが!こうした心遣いというのか、ありように学校そのものの姿勢が感じられますよね。「かつてはクローズだったけれど、今はオープンにしている」とおっしゃっていて、年間を通じて多くの視察を受け入れているので、児童や生徒の皆さんも抵抗感は少ないとのことでした。

とは言え、環境変化に臨機応変に対応することが難しい児童や生徒の皆さんもいるのではないか?と思っていましたが、実際に学校内での子どもたちの様子を見ていて感じたのは、「安心して通うことができていること。学校にいる大人が何かあったら守ってくれるという信頼感を持てていること。」でした。つまり、見学者がいたとしても、落ち着ける状況にあるのではないか?ということですね。多摩市の適応指導室でさえ、「児童生徒への配慮」ということで、実際の授業の場面を見学するということはなかなか難しい。もちろん、先日伺った、調布市の「はしうち教室」の場合も同様でした。

うーん、どこに違いがあるのか。黒沢校長は「子どもたちは見学者が来ることを拒否はしていない」ともおっしゃっていました(拒否する子どもたちばかりではない…ということかもしれませんが)。

「まずは、家から一歩外へ。そして、人との関わり、学力を」というのが高尾山学園の設立趣旨。学校に向かうことが辛くなり、足取りが重くなって充電することを選んでしまった子ども。動けなくなってしまった子どもたち…何よりも一番最初に子どもたちが「高尾山学園は大丈夫」と登校してくれることが目標なのです。安心感を得て、学園に足を運べることが第一優先なのです。もちろん、学校ですし、分類的には「不登校特例校」ということで、授業時間数が一般の学校よりは少なく設定でき、表現活動やソーシャルスキルの向上をめざすオリジナルのプログラムなどの独自の取組みはありますが、子どもたちの思い通りの好き勝手ではありません。個別学習も含め、各教科の授業もあります。でも、一般の小中学校のように「強制」ではない。授業の途中であっても、心が疲れてしまう場合には…プレイルームなどで休息をとることが可能です。

 

多摩地区初の民間人校長(今は都内で唯一のよう)の黒沢正明校長より、かなり中身の濃く子どもたちの様子、不登校支援の現状について説明をいただいたのですが、高尾山学園に併設されている八王子市教育委員会の「登校支援チーム」の方も同席を下さいました。

ちなみに高尾山学園には、高尾山学園に転学することをめざす適応指導教室「やまゆり」があり、こちらは市教育委員会の管轄。「まずは一歩外へ」ということで、いきなり高尾山学園に転学するのではなく、まずは、「やまゆり」に通うことで、登校することに慣れていくのかなと思いました。ちょうど「やまゆり」の帰りのホームルームの時間の子どもたちの様子を見ることができましたが、先生と子どもたちの関係性が良好であって、大人が子どもたちにていねいに関わっていることが伝わる光景でした。

その後、「やまゆり」の先生たちが、子どもたちが下校した後に一日の振返りをやっている職員室の様子。登校支援チームの事務室内の一角にあります。スクールカウンセラー、あるいはスクールソーシャルワーカーのみなさんと同じ事務室内にあり、日常的な意思疎通がスムーズにできる環境にありそうです。

学園内を30分以上かけて案内をしてくださったのですが、印象的なのは、各教室の一番後ろのところにテーブルがあり、ジグソーパズルがあること。クラスのみんなで完成させていくそうです。仲間がいて、協力して、一つのことを成し遂げる経験。学園の子どもたちはそうした経験に乏しい傾向があり、ジグソーパズルで一番最後の1ピースをおさめたときの感動をみんなで共有するとのこと。

そして、畑!ここは、近所のシニアの方にボランティアで支援をしてもらっているそう。学園の裏門から入ることができるとてもいい一角になっていて、ちょうどボランティアの方が木陰で休む姿をみることができました。不登校の子どもたちが通う場所だからと言って「閉じていない」…地域にもしっかりと開いている…「コミュニティスクール」とのことで、校長先生は地域との関係をとても大切にし、地域の力を学校の運営に活かしておられました。畑から収穫された実りを活かした「収穫祭」を行い、地域との交流も深めておられるようでした。

そもそもなぜ、高尾山学園?…開設当初は「特区」だった記憶があります。八王子でなぜこんな取組みが出来たのかと言えば、「今までにはない不登校対策をやる」という当時の市長の一声だったそうです。八王子市は高尾山学園の運営のために今年は予算が4800万円とおっしゃっていました。これは八王子市が支出している予算額です。東京都は一般の学校と同じように教員配置などをしており、その予算は別。八王子市は独自でスクールカウンセラー、プレイルームの運営(学校の中に児童館があるイメージ)に児童厚生員の雇用などなど…専門性のある、スキルのある人材登用をし、大人が子どもたちにしっかり向き合える体制をつくっていました(それでも足りないのかもしれない…とも感じましたが)

子どもたちのさまざまなエピソードを聞きながら、校長先生が何度かおっしゃっていたのは「たくさんの大人が子どもたちに関わって」ということでした。小学生の場合には、高尾山学園に通い半年くらい経つと快復に向かっていく兆しや手応えを感じ取れるようです。子どもたちが高尾山学園でどんな風にエネルギーを取戻していくのだろう?そのプロセスを肌で感じることができたとき、子どもたちにとって必要な支援がもっともっと見えてくるような気がしたのでした。

高尾山学園で「教員研修」をやってほしいと思いましたね。一般の小中学校で優秀な教員であっても、ここでは通用しない場合がある(というかそれがほとんどでは?)わけで、ここの教職員の皆さんの努力は並大抵ではないでしょうね。子どもたちにとってつまらない授業しかできない教員の場合だと…「心を休息させる」ために、児童や生徒たちが授業中に教室から退出してしまい…「そして、子どもが居なくなった」なんてこともあるかも。子どもたちが教室から退出をしてしまうような授業をする…ダイレクトな授業評価は教員の皆さんにとってもいい緊張感につながりそうですね。

斉藤れいな都議、森沢きょうこ都議、おくざわ高広都議、貴重な時間をご一緒させていただき、ありがとうございました!そしてまた、高尾山学園のみなさんもありがとうございました!