見過せない出来事…。

この間、公共ホールの先進的取組みとして山口情報センター(YCOM)の話を伺った際、「YEARBOOK」を送ってくれると言うのでお願いをしたところ郵送されてきました。パルテノン多摩にも同様の冊子がありますが、内容について比較をすればそのグレードの違いが明らか。YCOMの「YEARBOOK」は、それを通じて「顔が見える」。関わる人、創る人たちの思いが込められていて、そして、きちんと記されていて、単なるカタログとは違うところが大きな特徴。こういうとこ・・・運営に関わる人の思いがあるんだろうなあって感じずにはいられないのです。パルテノン多摩でもぜひ、参考にしてもらいたい。

さて、今日は都議会議員選挙最中でそれぞれ議員は忙殺されている最中の「パルテノン多摩・周辺施設整備等特別委員会」を開催しました。位置づけとしては「非公式」というかたち。正直、特別委員会のメンバーの中には、非公式な集まりばかりを重ねていくことに懸念を感じている人も少なくない、市民にちゃんと公開して、正々堂々と議論をしていくべきと考えている人も少なくない…。ただ、やっぱり市民に対して説明できるためには、その前段できちんと情報を得て、内容を理解する必要もあり、「公開すべきなのに」「でも、まだ今の段階では」と半々くらいの気持ちの中で揺れながら現在に至っているのが正直なところです。もちろん、議長としても特別委員会全体の意向や意思を尊重して…と思っているので、取組みを見守っております。私のところには市民からも「公開すべき」「税金のムダヅカイとしか思えないような会議ばかり繰り返している。見せないなんてアンフェア。」という声も届いているのです。その度に、市民の方にご理解いただきたいとこちらの考えを伝え、そしてまた委員会が苦労している様子などを伝えては理解を取りつけているのです。

情報公開、情報共有と言ってきた私にとって、特別委員会で取り扱っている内容詳細を発信することができないことはある意味辛いです。「議長になって、急に情報発信力が低下している。」とも言われているわけですから。でも、議長として発信できることできないこともあります(もちろん議員としてもですが)。時期になれば、きちんと説明し、そして市民の方に理解してもらえるだろう…そう思うからこそ、今、ミスリードするわけにはいかないのです。

ところが本日…とある事件。特別委員会副委員長の大野まさき議員もツイートしております。

「本日午後はパルテノン多摩・周辺施設等特別委員会の委員同士の意見交換と勉強会。勉強会では専門家に委託したホールの在り方や地域活性化等についての調査の取り組み状況が報告されました。」「驚いたのは、前半の委員同士の意見交換から、委員に断りもなく別室でやり取りの音声を勝手に議会事務局職員でない市職員にモニターされていたこと。つまり盗聴されていたことです。」「市民には勉強会は傍聴できないと断っておきながら、委員長にも黙ってそんなことするなんて…。 信じられない事実が多摩市役所で起きてしまいました。」

…これを盗聴というかどうかは別にしても、「まさか!」と思うような出来事でした。たまたま、通りかかったところ…別室の扉の向こうの音声が聞こえてくるではありませんか…。特別委員会では非公式であって、議員どうしで忌憚なく腹を割って話そう…ということで議論していたはずで、まさか別の部屋に音声が響いているとはつゆ知らずでしょう。

そんなこんなで「なんか、おかしい。」と議長としてももう一度、きちんとルールを見直してみなければと思っていた矢先に市民からの連絡。「この間、市民と意見交換会している声が他の場所にも流れていて、聴かれていたようですね。」と指摘をいただいたのです。もしかすると、市民との意見交換についても「別室」に音声が響いていたのかもしれませんね。委員会室の音声は議会事務局のスピーカーで聴くことはできるのですが、どこか別のところでも流れていたということ?…確認してみないと。

多摩市議会では常任委員会などかなり積極的に勉強会や意見交換会と称して「非公式」の会議を開催しますが、その時に、「別室」でモニターされることは決してありません。しかし、特別委員会だから特別扱いになるの?

…というか、そもそも別室に音声を流すというのは、「誰が一体何の権限で行えることなの?」…。それすら決まっていないのではないか?と思うのです。もちろん、議会本会議などの際は音声が別室などにも届くようになっています。必要があれば、別室などで待機している職員が答弁する部長や課長をフォローするためです。しかし、こうした非公式の会議の場合にまで同じように音声が別室に届くなんてこと…まさかまさかと想定していませんでした。たまたま…「あれ?」と思ったところから、気がついたこと。休憩中の会話が別室で流れていたのを耳にし、「えっ?別室で聴かれているの?」と。

私たちは市民に対し、傍聴をお断りしているのです。別に傍聴せずに「コソコソ」しようとする気持ちはありません。他の常任委員会で勉強会などをやっているのと同様に、私たちも議論をするための事前情報や知識を得ておくことは必要であり重要です。傍聴を希望する市民からは「非公開」に対する批判や非難の声は大きい。それは私のところ以外にも届いているのです。それでも、私たちは今の段階で「公開」に踏み切っていません。その理由、そこにある議会や議員の判断はそんなに軽視されるものなのでしょうか。大野議員がツイートで「盗聴」と表現する気持ちが私は理解ができ、そしてまた、議長としては、見過ごしてはならない出来事と思っています。

今一度、議会事務局ともルールの確認などしていかねばと思っていますが、議会にとっては「あるまじき」ことが発生したのです。パルテノン多摩のことに関しては、議会の動向が気になる…もちろん、気になるのは当然のことと思いますが、そのことと「断りもなく音声が別室に流れ」が平然と行われていたことには正直、驚き禁じ得ずです。

こんなことブログに書くことも賛否両論かもしれません。でも、「誰が一体何の権限で行えることなの?」という疑問に答えられる人も存在しないのではないかと思うのですよね。そして、「議会事務局長」の責任にされ、押し付けられることにもまた疑問。もっと言えば、「今日の今日まで気がつけなかった議長の責任」とも言えるかもしれない…私が「今日初めて気づいた」ということに、むしろ私自身のショックも大きいのだと思います。とても残念で、使いたくない言葉だけれど私にとって、そして多くの議員にとって「想定外」のこと。行政と議会との信頼関係はいかに構築され、二元代表制の実践をするのか…。議長として「今後の対応を考えていく」ことを忘れないうちにここに備忘録がてら表明しておきます。