子ども、子育てに寄り添える場所。

今日も夕方からハーモニーカフェでのテイクアウト誰でも食堂の開催日。タコライスでした。「え、タコが入っているの?」とタコ嫌いの子どもからの反応はありましたが、「違うよー。」…ということで、全くおとなしく、無口だった子どもが一年以上通い続けて、スタッフの大人とも会話を交わせるようになっているのも本当にうれしいことです。私はキッチンのえみちゃんが冷たい麺を作ってみたので…と試食をさせてもらい、こんなにも香り立つのかあ…すごいなあ「カボス」…「ん?スダチ」…どっちなんだろう?と思いながら、いただきました。

ハーモニーカフェがオープンしてから、いよいよ本格的に活動をしていこうと考えていた矢先に新型コロナウイルス…でしたので、思うようには稼働できているとは言い難いところもありつつ、「子ども子育ての拠点にしたい」という目的を大切にしながらの運営を続けてきたのですが、活動を全面的に支えてきた主力メンバーがご家族の都合もあり、ここを離れることになってます。目下、緊急事態宣言中で最後、華やかに送別会などもできずに残念。

そんな中で、「誰でも食堂」は今日が最後でひと区切りでもあり、毎回足を運んでくださる方とのお別れ場面…「本当に助かりました。本当にありがとうございます。」って涙ぐむママもいたりして、むしろ、こっちがホロってもらい泣きをしてしまう感じ。育児不安あるいは産後うつなど、辛い思いを抱えながらも、日々奮闘しているママたちの存在を改めて、認識させられるものです。

特に何ができるというわけはないけれど、「話しを聴いてあげることはできるから」と。

でも、それって簡単なことではないですね。やっぱり、信頼が持てないと「話す気になんてなれない」でしょうし、「聴く」までにどれほどの関係性を紡いできたのかが問われると思うのです。「寄り添って」…という言葉はとても大切で、響きもいいけれど、実際にはものすごく難しいことであって、高度なところにある目標ですが、ハーモニーカフェが「寄り添う」ことのできる場所にもっともっと成長して、進化していけると良いなあって感じています。

それにしても「寄り添い」の押し付けという場合もあるのは気をつけなければなりませんね。支援する側がもっとに気にすべき点ではないかと強く思っています。だからこそ、一人を一人で支えるというよりも、一人を支える時に複数いたほうがいいですし、チームで支えていけるような体制を整えていくことが望ましいなあと…これもまた最近思っているところなのです。

そんな中で、改めて、児童館に目が向く今日この頃。やっぱり、児童館職員さんの来館者を覚える能力はすごい。もともと「支援が必要」とされる特定の人のところに出向いていくわけではないですからね。何かカルテのようなものがあるわけでもなく、出かける先の相手のことを把握したうえで相談に行くとか…そういうわけでもなく、とにかく児童館に足を運んでくれる子どもと大人全てを丸ごと受け止めている感じですね。もちろん、来館者登録があり、来館者の把握はしているとはいえ、ホント、地域丸ごとすべてなんですよね。もちろん困り事がある人だけが来る場所でもなく、昔と変わらずに子どもたちが遊びに来る場所であって、今は地域の子育て拠点として親子が来る場所にもなっているのですが、その中で時間をかけながら、来館者との人間関係をゆっくりていねいに育んでいくところが児童館。「誰ひとり取り残さない」を掲げる多摩市にとって重要な場所ではなっていくような気がしています。

子どもが少なくなるのだから、「児童館も縮小」という考えもありそうですが、子どもが少なくなり、子どもが少数派になっていくからこそ、ますます「児童館」が大事な存在になっていく可能性もありそう。これから人口減少、少子高齢化(って既に少子化だし高齢化ですが)を乗り越えていくために「効率的効果的な行政運営」をめざすべき…というのもわからないわけではないのですが、でも、もともと採算のとれるような事業であれば、それこそ民間に任せてしまえばいいわけで、不採算だし、非効率かもしれないけれど、やるべきこととやらなければならないことに取組むのが行政なはずですね。そして、もちろん、その「やるべきこと」「やらなければならないこと」に対する市民の合意形成が求められることはもちろんなのですが。

私はこれからますます子育てしにくくなる世の中になるのではないかなと思っています。大人はみんな忙しく、もっともっと時間に追われながら生きていくのではないのかという気さえしてしまいます。子どもたちも効率よく学習することが求められ、既に一人一台タブレットの導入となっていますが、「効率効果的な学び」になっていくのではないかとも感じています。タブレット端末で一人ひとりの学習進捗度などに合わせていける、カスタマイズできるという面もあると思っていますが、ただ、タブレット端末での学びはメリットばかりとは言い切れないですね。学校も子どもも、タブレット端末導入でセカセカしてしまうことにならないといいなあとちょっと思ったりもしています。

そんな状況にあって、児童館を見ていると…「のんびり寝そべることができる」場所になっているような気がする今日この頃です。実際に寝そべっているかどうかは別にしても。家の大人、学校の大人とは違う大人がいる場所でもあり、「おかえり」って迎えてくれる言葉がすごく温かい感じしますね。中長期的に「児童館」を捉え、今後の在り方を考えていく時期に差し掛かっているような気がしています。ということで、9月議会の一般質問の一つは「児童館政策」にしようと決めているので、これからまたヒアリング活動を進めたいと思います。

児童館の目の前に自宅があるので、毎日見飽きるほど見ていて、児童館の一日をじっと見ていると(監視しているわけではないのですけれど)、その様子が本当によくわかるんです。子育てしにくくなるからこそ、押しつけではなく「寄り添い」が保障されている場所ってやっぱり大事ですね。今日はヒアリングをさせてもらって、来館する子どもたちの様子もチラッと見れたりして、よかった。