地方議会活性化シンポジウム2018

 

総務省が主宰の「地方議会活性化シンポジウム2018」に参加してまいりました。このシンポジウム、そもそも存在が知られていない。というのも、総務省からプレスリリースされた日付を見れば一目瞭然。先週末に公表されているという…。どうやって参加者を募ったのかしら…と参加者名簿を拝見しますと、各都道府県、市議会、町議会…それぞれの議長会などから代表者が出席されているようで、各議会とも議長、副議長という肩書のある皆さんの氏名などがズラリ。「ああ、なるほど」と思いました。どうやら各議長会でエリアごとに割り当てがある様子。ですので、東京都市議会議長会からも会長市の町田、副会長市の小金井、東久留米の議長さんが参加され、さらに関東市議会議長会の会長の調布市の議長さんも参加されていました。

私は「女性議員が多い」「(比較的)若い」「議長」といういくつかの基準により、何か話してほしいということでパネリストに選ばれたのだと思いますが、きっと参加されたみなさんそれぞれの議会に比べて、多摩市議会の女性議員比率42.3%というのはそれだけで「すごい!」となるわけですし、なぜ、そんなに女性が多いのか?とも気になるでしょうね。最近の私の分析ですが、端的に言えば「ニュータウンだから」ということ。それも市域面積の約6割がニュータウン開発され、人口も約7割がニュータウンに住み…ここに要因があると考えています。要は、それぞれまちの歴史があり、文化があり…その中で住民の意識が形成もされていき、それに連なり議会の存在価値も違えば意義も違い、議会環境も異なっていくということですね。

そうなると、どれがいいとか悪いとかって言うものではなく、「より良くするためにはどうするか?」ってそれぞれの議会で、あるいはそれぞれの議員が考えて行動するしかありませんね。少なくとも女性が入り、着眼点が広がる方が、究極の市民サービス、喜ばれる行政サービスをつくるためには有効ですから。

 

それにしても、私は、「女性だから」なんてことを殊更意識して議会活動をしているわけではなく、「女性だからいい」というものでもないと思っていますし、「女性活躍」を強制するかのようなことも嫌いですし、男女候補者均等法も言わんとする意図は分かるものの…そうであるなら他のマイノリティと言われる存在のみなさんやLGBTのみなさんの存在についてはどう考えていくの?とか思いますし、「女性議員が多い議会の特徴」あるいは「女性議員が多いからこそ変わってきたこと」を主観的には語れるけれどなあ…ということでいろんな思いが錯綜しつつ登壇しておりました(肩書きは議長でしたが、「議長公務」ではなかったので、好きに発言させていただいたのがありがたい限り。議会事務局経由で依頼が来たものの、事務局職員が「議長公務にしない」と判断したのはさすがと思いますね。もし、「議長公務」で出席していたとすれば、お行儀のよい発言をしなければならなかったでしょう。)

しかし、もともとパネラーへの依頼が来た当時は野田聖子さんが総務大臣をお務めでしたので、それなら…とお引き受けしてしまいましたが、いつしか大臣も変わってしまったという…。それが何とも残念でした。

ということですが、そもそも総務省は何の意図がありこのシンポジウムを開催しようとしているか?・・・ちょっと読み切れないというのか、今回で5回目とのことですが、「ネタ切れしないで、良く続いていますね。」なんておっしゃっていた声を伺いますと、私としてはそろそろ「地方議会」として十把一絡げにして地方議員を集めるようなことではなく、もっと何と言うか具体的に問題点をあぶり出しながら、徹底的に議論するような場を設けていただきたいと思いましたね。きっとその方がより有効。しかも、今日は質疑応答の時間がなかったので、私としてもとても残念でした。

そして思いついたのですが、総務省の中にあえて「地方議会議員休職制度」なるものを設けていただき、積極的に地方自治の現場も体験していただきたいとも感じた次第です。あるいは総務省から各自治体行政部局には人が出向していると思うわけですが、ぜひ自治体議会の事務局職員さんとしても出向していただいて、今、地方議会が「活性化」をめざして様々取組んでいる「議会改革」があるとすれば、それについて体感していただきたいとも思った次第です。そうすれば、地方議会と言ってもそれぞれ全く異なることも経験していただけますし、そのために必要な法改正や制度についてももっと現場に寄り添った具現化可能なものが考案されていくのでは?とも思います。

私の発言はさておきで、他のパネラーの皆さんからのご発言から学べることがたくさんあり、私にとってはシンポジウムの後の交流会でも多くのご縁をいただきましたので、ともに地方自治の充実、発展に向けてそれぞれの地域で奮闘されている皆さんと一緒に頑張らなくっちゃね♪と思いました。地方議会といっても市町村レベル、住民に最も身近な基礎自治体レベルの議会の頑張りが今こそ問われているはず。これからの時代は「利益の分配」ではなく「不利益の分配」を議会も考えていく時代ですから。

せっかくなので会場のシェラトン都ホテル東京で中庭のみえるラウンジで抹茶を注文し、都会の中の「みどり」も満喫してきて、これが今日のご褒美。