土砂災害警戒区域等に指定されてしまうの?!

先週末から、対象地域を区切りながら開催されている、東京都主催の土砂災害警戒区域等指定にかかる住民説明会に出席してきました。会場のベルブ永山のホールの座席は満席で足りなくなるほどでした。行政関係の説明会でこんなに混雑しているのも珍しいと思ったのですが、たま広報での告知を見て参加をしたというよりは、実際に「警戒区域」の近隣地区、あるいは警戒区域指定される土地の所有者など関係者には個別に案内が送付されていたようですね。私もマンションの敷地内一部が指定される予定になっていて、掲示板などで告知されていたことから、今日の説明会に出席しました。

もちろん、東京都側はありきたりの説明と言うのか、土砂災害防止法にもとづく東京都に課せられている責任を果たしたまで…というような立場での説明だったわけですが、しかし、土砂災害のおそれのある区域として指定された場合にどう対応するのか?と言えば、「財政的にも人的にも厳しい」ということになるらしい。

結局、まとめてみれば…「自助、共助、公助」ということで、土砂災害に備えるためには「行政の『知らせる努力』と住民の『知る努力』で土砂災害による人的被害をゼロに。」(パンフレット引用)ということのようです。

つまり、この説明会は「行政の『知らせる努力』」、「住民の『知る努力』」を具現化したものともいえるわけで、言ってみれば東京都とすれば(あるいは多摩市としても…かもしれないが)…「知らせる努力を怠ってはいない」で終わってしまうのか…。

具体的に「警戒区域」に指定した場所をどうしていくつもりなのか?についても何ら次の一手が示されるわけではなく、よくわかったのは、多摩市内で指定される予定箇所は、警戒区域、特別警戒区域とあわせて387ヵ所であって、東京都全体では約15,000カ所に上るということ。例えば急傾斜地で崩壊の恐れがある場合などを想定した防災工事など・・・一足飛びにはできなくて工事をするにも一定期間も必要で’億単位’の予算が必要になるので、なかなか難しいということ。

そしてまた、区域に指定したからといって、すぐに工事をする義務などは発生しないということ・・・・が明らかになったということですね。つまり、義務は発生はしません…単に知らせる努力と知る努力…身の危険を察知したら「早めに避難」することが大切であって、「逃げなさい!」ということになるようです。

もちろん、「それはないでしょう!」という参加者の疑問の声は出されていましたし、そもそも、調査の仕方そのものも個々個別の状態などを加味されているのか?などの指摘もされていましたね。全体説明会の後で、個別対応での相談時間なども確保されていたわけですが、説明者の東京都や多摩市のところにも住民の方が殺到しておられました。

不安ですよね。ものすごく不安と心配だけが渦巻いた説明会であって、「だから、どうすればいいの?」が知りたくて参加をされていた方にとっては納得がいくものではなく、残念ながら行政に対する不信感さえ抱かせてしまうような説明と回答だったのではないか?とさえ…出席していた私も心配になったほどでした。

多摩市としては、まずはハザードマップを作成し、それを全戸配布して、とりあえず「知らせる努力」を行うようですが、多摩市所有の法面などが警戒区域に指定されている場合などどう対応するのかについては未定ですね。この件、昨年末に都が土砂災害の危険のある区域かどうかを調べるための基礎調査結果を公表する段階でも、市の担当者含め、市民に不安が広がることを心配もしていましたが、しかし、だから公表しないということにはならないため、粛々と決められた行程を歩んでいる感じです。とは言え、不安を掻き立てるだけ掻き立て、心配の声は高まるものの、「逃げてください」というわけでソフト対策が大事と強調するだけに終始するので精一杯なのかと思えるような状態もまた無責任を感じるというのは当然のことです。

想定外の豪雨など、常識を超えるような状況がいくつも発生していることを思うと、決して他人事ではなく、市民に最も身近な多摩市として取組めることは何か、考えていかねばならないと感じた次第です。

終わってからも、入口の受付けのところで不安を吐露されている方もいました。説明を聞いて、さらに不安が増した方もおられたのではないかと。

そして、市議会からも数名参加をされていたので、他の方とも一度、意見交換してみたいなと思いました。フェアな市政からはしらた議員と私が出席。私たちもきちんと情報収集をしなければならないと考えています。