まずは「食べる」ことが先。

今日は八王子市役所へ行く用事がありました。市役所玄関先に「学校給食用のお野菜」を販売するテント。地産地消を推進するために頑張っておられる農家の皆さんがおられ、その方々が想いを込めて育てられた野菜…学校給食が停止中になり、納入できなくなっているわけで、そのお野菜を販売されているとのことでした。多摩市でも学校給食を支えておられる農家の方への心配の声、先日の臨時議会でも出されていました。私の生活範囲と言えば、グリナード永山にある「ポンテ」が閉まっていて、今は、地場野菜が手に入りにくいなという感じですね。

ひとり親世帯への支援ということで、国や東京都も補正予算にて対応を図るようなことが聴こえてきます。多摩市ではすでにひとり親への支援策として児童一人当たり5万円の給付を決めています。その対象世帯については東京都制度の児童育成手当給付世帯ということになっていることから、給付される対象の範囲が広がる行き届いた支援だと思っています。でも、一方で、児童育成手当給付世帯にまで世帯の範囲を広げたことに伴い、個人的には就学援助制度で支援している対象の世帯との関係性を気にしています。就学支援制度による対象世帯の中にはひとり親世帯以外も存在しています。そして、就学支援制度で支援されている世帯は、児童育成手当が給付されている世帯よりも収入的には厳しいご家庭です。ですので、少なくとも就学支援制度で対象となっている世帯でひとり親世帯以外の子どもたちに対しても、現金給付が必要ではないかと思うのです。しかし、就学支援制度の対象となっているのは小学生や中学生のいる世帯。ですので、未就学児、あるいは高校生がいる場合にはどうするのか?という課題が残ることもまた確かです。高校生の場合には東京都などで他の支援制度があるのかないのか、まだ探し切れていませんが、今のところ、聞いてはいません。

少しずつですが、以前の日常が戻りつつあるような空気感もありますが、しかし「似て非なるもの」ですね。そして、文部科学省も東京都教育委員会もそして多摩市教育委員会も「オンライン学習」ということで、その環境整備に躍起になっていて、それはそれで否定するものではありませんが、しかし、「オンライン学習」がどれほど各家庭の負担になるのか…それは金銭負担ということだけではなく、保護者がどれだけ子どもをフォローできるのか?という意味も含めてなのですが、非常に課題だと思っています。そして、その点からの「格差」が生じることもやや心配。「今は、機器をどう準備するのか?」とか「その財源をどうするか?」というようなことに力点が置かれている感じ、肝心の保護者の状態や状況も「機器があるかないか」という環境調査に留まっていて、その先には進んでいないように思うわけです。

おそらく、心のどこかでは心配も懸念もしていると思いますが…。

とある方とお話をしていましたら、「食べさせていくほうが優先。勉強までフォローするのは難しい。」ということで、とにかく三食の心配をしながら、パートで家計を支えることで精一杯という声が聞こえてくるのです。一時の現金給付はありがたいけれど、続くわけではなく、仕事がなくならないこと、収入を得続けなければいけないことの苦労をお話しされていました。子どもたちの学習のことは気になるけれど、それよりも今の家計を維持していくだけで必死になっているのだなと。ヘトヘトになりますよね。ひとり親世帯に限らずですが、我が子に勉強を教えることほど…苦行はないというか…「大学生の時に家庭教師とかしてたんじゃないの?」…と娘に言われますが、私は娘に勉強を教えるということはホント苦手です…。

とにかく今、「子どもたちの育ちが家庭環境により大きく左右され、そこに大きく格差が広がらないようにする」…公教育の存在意義をしっかりと果たせるような環境づくりを急ぎたいと思っています。それはひとり親だから…ということに限らず、さまざまな事情を抱えているご家庭がいるということを前提にしていかねばなりません。

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こうした記事を目にするたびに、ひとり親世帯で心身ともに疲れることができないママたちのことを考えずにいられないのです。

新型コロナウイルスの影響でモロに影響を受けているみなさんがおられます。その方々に自助努力を求めたり、自己責任を振りかざすような冷たい社会であってはいけないと思うのです。昨日、「他者性」という言葉を聴きました。なかなかこの表現を自分のものとして説明していくことも難しいものがあります。ただ、「自分一人だけで生きているわけではない」ということから考えを発することの必要性は十分認識しているつもりです。でも、「つもり」ではダメなんでしょうね。今、私ができることは何か。今まで以上に考えさせられるものです。

学校給食、早く再開させたいなあ…。今、一番思っていることかもしれない。