これは「非公式」の備忘録。

そもそも、議員の仕事とは公私混同せざるをえないというか、「プライベート」と「プライベートではない」を切り分けするのが難しいわけです。「議長になったら『ブログ』は更新しないんでしょ?」と言われたことは記憶に新しいところですが、しかし、「議員が何をしているのか、何を考えているのかわからない。」「選挙の時だけお願いされる。」等と言われるのと同じく、「議長になったら全く姿かたちが見えなくなる。」と言われるのも心外ですし、他市でも私の尊敬する議長経験者の皆さんはブログ他情報発信をていねいに重ねておられるのもまた事実。

そしてまた、これは、私にとっても大事な備忘録でもあるので…。

今日は、落合商店街に4月から開所したコロノアさんへ。もともと永山にあったところが移転し、本格的にハンディのある子どもたちの放課後デイサービスになりました。もともとニーズがあるだろうと考えていましたが、やっぱりニーズがありすぎて…支援の必要な子どもたちが多くなっていること、そしてまた、保護者の関心も高くなっていて、より多くの情報を得たいと思っていること等など確認してまいりました。就学前のお子さんをお持ちの保護者の方は「学校選び」が目下最大の課題。就学相談を受けるためのハードルの高さ、多摩市の教育センターと発達支援室がなぜ二つあって、どんな風に連携しているのか、最初に相談に行くのはどちらにすべきなのか?などなど…「相談」したいと一歩踏み出したところで、気持ちが挫かれてしまうような場合もあるようですね。窓口があちこちにあることは、選択肢が増えるという意味でマイナスばかりではないと思っているのですが、とは言え、窓口がいろいろあるからわかりにくいという声は、事これに限らず、他の場面でも伺うこと。「相談のしやすさ」を確保することが必要なので、相談窓口の一本化などもそろそろ検討する時期なのかしら?とも思ったりします。

相談をしていて「なんか、縦割り。」と市民が肌で感じてしまうような現状は残念。「連携ほど難しいものはない。」と考えていますが、いろんな意味で「捌き」上手な、スキルの高い人材が配置されていれば、総合相談窓口にしたほうが良いのではないか?と思えてきます。今日はコロノアさんが以前からやっているママたちのおしゃべり会でしたので、いろいろお話も伺うことができ、現状を知ることもできました。こういう現場を踏まえ、いつもなら、私…早速に一般質問につなげる調査活動をさらに開始するのですが、議長は質問が出来ないのが極めて残念。

「議長になると忙しいか?」

と尋ねられると、確かに「ヒマ」ではないが、しかし、「自分のやりたいと思っていた活動」が思うようにできなくなることに葛藤があるくらいで、忙しさは変わらないような気がします。

午後は、パルテノン多摩へ。大規模改修に向けた市民ワークショップの皆さんを中心としつつ、それ以外の市民にも幅広く呼びかけて開催されている講演会でした。いわき市のアリオスから大石時雄さんがお越し下さいました。大石さんは昨年度取組んだ「パルテノン多摩大規模改修工事基本計画及び基本設計業務委託の事業者選定のメンバー」でもいらっしゃいました。

講演会は「トイレ」に視点をあてた話しからスタートしたので、参加者は「何のこっちゃ?」と思ったかもしれません。アリオスが立地するのも公園内であって、ちょうど公園の大規模改修も同時期に行われたようですね(パルテノン多摩と多摩中央公園の大規模改修の関係と似ている)。大石さんはアリオスの建設にあたっては、「公園利用者にもアリオス内のトイレを利用してもらう」ことの交渉をしたそうです。つまり、公園内のトイレはそれに伴って廃止できるということでもあり。また、アリオスの設計者に、公園改修にあたっての設計もしてもらったとか。対する行政は当然に所管も異なり、「縦割り」になりそうなところを、交渉と調整でうまくことを運んだようですね。とても参考になるような話です。

…で、これを大石さんがお話をしたかったわけではなく、「なぜ、トイレなのか?」…。公共ホールを語る時に「トイレ」のことを真っ先に語る人はいないでしょう。しかし、「トイレ」に視点をあてたとき、そこにどんな「トイレ」があったらいいのか、それは、誰が利用するのか、どんな場面で利用するのか・・・と話しがどんどん展開でき、そしてまた、視点がどんどん掘り下がっていくことがわかります。

そこに私たちが市民として求めるべき「公共ホール像」が見えてくるのではないか?…ということです。

「どんな人が?」
「どんな場面で?」
「そのために必要な条件は?」

を考えてみると、さまざまな市民が利用することを改めて認識することができますよね。そしてまた、多用な市民が利用することを前提にして、私たちは公共ホールという「場」を考え、つくっていかなければならないことも見えてくるのではないでしょうか?

えらく深い話だったわけで、私も「トイレから話が始まるのか…」と思って聞いていたわけですが、その話の意味と意図を自分なりに解釈すればこんな感じです。

阿部市長もいらしていて、「多様性」「ダイバーシティ」という話をされていました。ちょうど昨日「女と男がともに生きるフェスティバル」で私と同席していた「LGBTを知ろう」という大学生企画のワークショップにさらに触発されたのかもしれません。時代環境は確実に変化していき、凝り固まった思考や固定観念も少しずつでも融解しているような気がします。多様性、権利を認め合うこと、価値観を尊重し合うこと…きっと私が大学生の時とも違っているなあと肌身で感じています。

こうして考えてみると、「公共ホールのトイレ論」は結構面白く、「トイレ」の在り方を通じて公共ホールを捉えなおすことで、私たちの考えるべき「パルテノン多摩」の在り方にまた新たな要素が加わってきますね。社会包摂だのなんなのと言葉でいうのではなく、ハード面でもソフト面でもちゃんと具現化できるような「場」づくりを進めていきたいです。

 

以上、備忘録でした。