ここは安全?!暫定活用の廃校施設に思う。

20160209

旧東永山小学校です。1996年に廃校になったということで・・・それ以来、市民の方々に暫定でお貸ししている?使用することを認めている施設です。都営住宅建設予定地になった旧西永山中学校施設が取壊されることとなり、そこで活用していた福祉団体がここに入居しています。いずれ、都営住宅の建設が完了した暁には「福祉拠点」としての場が確保されることになっていて、福祉団体は戻ることになっていますが、それまで少なくともあと3年はココが活動拠点であり場所となります。それ以外にも、健康麻雀やカラオケ、陶芸など活用され、コミュニティの拠点になっている場です。

施設の老朽化ってどういうことか。建物の安全確保にはどんな対応が必要なのか。会派のメンバーで集まって施設点検してまいりました。

20160209_1 20160209_2

校舎一階の天井。すき間が・・・。ここは修繕対象外。手洗いのタイルが剥がれ落ちている、そしてまた、浮いていて今にも剥がれ落ちそうな場所があちこち。ここ、対応するらしい。

20160209_320160209_4

体育館の入り口の天井。ここの天井も落ちてきそうで怖い。さらに、体育館の外側。もう、床が抜けている。ここは窓を開けたりするときに使用する・・・・。他のところも抜けそうになっているところあり。

20160209_5

非常階段。これも錆びているし、使用に耐えないのでは?…と指摘をしたところ、「その恐れもある」のだとか。廃校施設の活用とは言え、恒久活用方針では病院施設の誘致を進めることになっており、正直・・・お金をかけるわけにはいかない施設。とは言え、不特定多数の人が出入りする施設でもあり、最低限の安全確保が求められるわけですね。

ちなみに福祉団体が旧西永山中学校校舎から退去せざるを得ず、一時的移転をしなければならなくなった際、とりあえずの設え(冷暖房とか、誰でもトイレなど)は整えた経過はありますが、その時には上記写真に見るような甚だしい老朽化までには気が回らなかったのか、お金が回らなかったのか手当はできなかったよう?消防設備や館内放送設備なども使用できない状況になっていて、対応せざるを得ないとのことでした。

施設の安全確保ってどういうことか?福祉団体がここを場所として利用せざるを得ない状況は一定程度理解できるとは言え、それ以外の点についてはやはり、本当にこのままでいいのだろうか?と疑問を持たずにはいられません。でも、それでも「この場所で活動したい」というか、活動の場を学校跡地に求めている方々の存在・・・麻雀、囲碁、カラオケと高齢世代の方が多く集まり、活動されている姿を見て複雑な心境に。

20160209_620160209_8

しかし、例えば、公園施設。遊具の点検をして「危険」と判断された場合には使用禁止テープがグルグル巻きにされています。相撲場が使用できないのは、きっと屋根を支えている柱に問題があるからだと思われます。「使用できない」と断り書きもされています。

今日の説明によれば、校舎躯体自体は大丈夫なようで、「使用に耐えうる」場所にはなっていると判断できているようですが、こうした開放を存続させていいものかどうかと正直思いました。それにしても陶芸サークルなどの備品類にはびっくりしました。釉薬の種類の多さ!目を見張るほどでした。「置き場所」確保…このために学校の空き教室が役立っている。この場所なくして活動できないと言われれば、「そうだな」と思わざるを得ないくらいでした。熱心に創作活動をされている方々の姿を見て、この場所で趣味を極めながら、豊かな生活を過ごしておられるのだと思いを馳せれば、馳せるほどに「使用するな」と紋切り型で拒絶するわけにもいきませんね。陶芸サークルはとても人気で総合福祉センターや公民館でも活動されていますが。他にも倉庫代わりに場所を使用している団体、サークルさんの備品類なども含めて、「置き場所」確保の意味も考えさせられます。

 

活動場所や拠点やら倉庫は必要。ただ、場の利用に関して言うならば、そこに公平性をどう確保していくか課題は残されている気もします。この場所を利用していない、使用していない市民に向けても理解や納得をとりつけられるでしょうか?「学校跡地を使いたい」という市民や事業者の方からのご相談をいただくこともありますが、「なかなか難しいし、課題もあるんです。」と答えざるを得ないのが現況です。個人的には新たな利用や仕様の希望に関して、促してはいけないと思っているので。

今後、公共施設の在り方が全体として整理され、その中で廃校をどうしていくかについても改めて議論が必要だと考えています。この状況は行政だけの責任ではなく、共に、今の状況を追認してきた議会の責任も大きいとも言えます。今さらながら・・・かもしれませんが、私は現況について、より多くの市民に問題意識を共有していかねばと感ずるのです。私の同世代はどう考えるだろう?