2010年04月22日

消費者運動の行く末。

 今日の午後の多摩市消費者団体連絡会(消団連)の総会に出席。何と、今回で20回目を迎えるという記念すべき総会でした。つまりは20年の活動を続けてきたということになりますので、その歴史の長さを感じます。

 阿部市長が挨拶の中で、インターネットショッピングなどお金のやり取りが実際には見えない購買活動も活発化する中で、消団連の活動領域、範囲が広がっているのではないかという指摘をされていてなるほどと思いました。


 私たちは常に「消費者」なわけですが、そのことへの自覚は正直、不足気味なのかもしれませんね。もちろん購入した商品に不具合などがあれば返品、返金などをしてもらうわけですが、その時に「消費者だから」・・・なんて意識を持って行動している場合は少ないような気がします。


 阿部市長は「安心・安全を守るのが自治体の責務」ということで、消団連の活動に期待したいと述べておられましたが、20年目を迎えた消団連の活動も実のところ先細りで、参加している団体はまた1団体減の4団体だったり、団体それぞれの担い手が高齢化を迎えているなど課題が多い。今年度の新会長さんのあいさつの中でも「身内だけの総会になってしまって」と活動の行方に対する不安の気持ちをちょっぴり吐露。でも、「継続は力なり」と引き続き活動していきたいとの豊富が語られました。


 きっと、ベルブ永山にはとても立派な消費生活センターがあるのですが、たぶんほとんど知られる存在ではないはず。消費者行政にどれだけどれほどの力を入れてきたかといえば、それについても・・・・。これは議員としても責任の一端は感じます。国では消費者庁云々とできましたが、それに連動して消費者行政が活発化したとはとてもとても言えないです。


 それでも、消団連の活動力というのは結構なものがあり、決して多くない担い手たちが役割分担をしながら、消費生活フォーラムをはじめさまざまなイベントにも実行委員会で参加をしているところはすごい。活動している方々のパワーのたまものです。


 今日の総会で印象的だったのは永山商店街に出店している「プチハウス」の活動報告。開店した時には「質が良い安定した消費生活を考える」として出発したけれど、今は「安定した消費生活を支える」という思いの変化があるというものです。高齢化が進む地域(諏訪・永山)の住民との日常の交流で感じるのは「買い物難民」状態が進んでいるということ。
 そして、「本当は安全で安心な良質なものを手に入れたいけれど、高価だから買うことができない。」という市民が増えているということ。
 プチハウスの活動で日々感じているという市民=消費者生活の厳しく辛い状況・・・一自治体で解決できる問題からそうでないものまでありそうですが、いずれにせよ「安全安心を自治体が守る」という視点に立てば、何とかせにゃならん!という課題であることは間違いありません。

 
 いろいろと話を聞いていると、やっぱり消費者教育なるものの重要性を感じずにはいられないのですが、これもまた教育分野では手薄なところ。特に、情報氾濫時代に賢い情報選択ができる力は必要。消費者教育だけにとどまらないことなのだと思いますが、やはり「取捨選択」が問われます。選択肢が多いというのは豊かである証拠ですが、その世界に生きていくことは非常に大変であることを身にしみる今日この頃。その点では大人だって困っている時代にあり、子どもはもっともっと迷いの渦に。子どもの選択眼、選択力をどのように導いていくのか・・・そこには大人の果たすべき役割が無視できないことは確かですが・・・・・。


 「消費者」としての視点をどう培い、育んでいくのかが最大の課題と言えば課題ですね。それなくしては、消費者運動の行く末にもやっぱり明るい展望が見えてこないでしょうし。阿部市長は「消費者活動をされてきた方が(歳を重ねたとは言っても)、元気でますます活動してほしい。そして、一緒にまちづくりの活動に参画してほしい。」と呼び掛けていたけれど。

 活動の担い手が高齢化している・・・・・これは、ここだけの問題ではなく・・・・実は市民活動全般にも相通じるものがあったりします。私と同世代は活動する余裕は持ちにくく、日々の暮らしを営むために「働く」「収入を得る」のに必死です。

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2010年02月23日

省エネ・エコライフ市民チャレンジモニター

 今、市役所には省エネサポートデスクというのがあります。ちょうど市役所正面玄関入り口を入って、案内のお姉さんがいるところの隣です。これは昨年9月の定例会の補正予算で話題にした事業です。東京都の補助金を使ってやる3カ年事業。エコライフの普及啓発のための取り組みです。どうやら、あの補正予算の質疑を経て、当初考えていた普及啓発誌全戸配布の方法を見直すなどしたらしいのです。

 それはさておき、この事業における一つの取り組みとして「モニター制度」というものがあったわけですが、つい先だってモニター募集をしたところ、想定外に応募が多くて多くて・・・という状況ではない様子。ちょうど省エネサポートデスクの方からの説明を受け、私もチャレンジモニターに取り組むことになりました。


 私がお借りしたのは、LED電球1個とCO2カルク、エコワット各1個のセット。でも電球って使用している場所が限られています。我が家でいえば電球を使用しているのは玄関、トイレ、お風呂場の3か所。LED電球は水回りには使用できないそうなので、結局のところ「玄関」にLED電球を使用してみることにしましたが、玄関の電気ってあんまりつける機会がないのですね・・・・。なので電球の効果を云々・・・って測りがたいものがあるかも・・・と思ったのですが、とりあえず、1か月の間で楽しんで省エネ・エコライフをしてみたいと思います。


 まだモニターについては募集しているそうなので、もしもご協力できるご家庭があればぜひ!ただ、モニター報告書を書くのが苦にならなければ・・・・というのが条件になりそうですが。

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2009年06月23日

6月定例会レビュー 市民からの陳情

 今回の定例会に市民から提出されていた「かけがえのない健康環境である公園緑地を携帯電話中継基地にさせないことを求める陳情書」について私、民主党TAMAは採択しました。

 議会全体としては「趣旨採択」。採決の結果は下記の通りです。
 
 趣旨採択=自民党 公明党 共産党 あおぞら 日月会
 採択=改革ゆいの会 民主党TAMA 生活者ネット・無所属の会

 この陳情は聖ヶ丘2丁目の公園緑地内に携帯電話の中継基地局の建設が突然に始まったことに伴い、地域住民から疑義の声が出されたものです。これ・・・何でも公園緑地を管理している多摩市が事業者に設置許可を出したことに端を発しているらしく先般の建設環境常任委員会でもかなりの追及がなされていたとのことです。設置許可についての稟議がどこまで上がっていたのかなども話題にあがっていたと聞いています。後から委員会の議事録に目を通しておこーっと。

 とにかく周辺地域住民の皆さんは突然に工事車両が公園緑地内に・・・そして工事の囲み・・・「一体全体何々?」という狐につままれた状態だったとのこと。そして、それが何と携帯電話の中継基地局であったということで健康リスクの可能性の懸念から今回の陳情提出に至ったわけです。すでに一般質問でも社民党の佐久間さんが話題にしていたことだったのですが、携帯電話の利便性を享受している私たちにとっては非常に判断の迫られる問題の一つだと感じていました。

 いろいろと状況を伺ったわけですが、今回の陳情は「公園緑地に限って携帯電話の中継基地局をつくらないことを求める」ということになっていることから、私たちの会派は「採択」にしましたが、「便利さ×リスク」の問題は思い出せば・・・エコプラザ問題にも通ずる現代に生きる私たちが避けて通れない関所みたいな感じがしてならないのです。


 自分の本当に身近な場所に中継基地が初めて理解できることがある・・・・・。


 そんな私も仕事にもプライベートにも携帯電話が必需品で「これなくしての生活」はいまのところは考えられないという状況で頭ごなしに「携帯電話の中継基地局に大反対!」とは言えない自分がいるのが実情です。


 でも、実際には携帯電話中継基地が悪いというよりは、携帯電話による電磁波そのものの健康へのリスクはすでにその危険性が指摘されていて、たまたま今朝の朝日新聞にも関連する記事が掲載されていたのにはタイミングがぴったりでびっくりしました。私としては電磁波問題市民研究会という団体の存在も知ることになり、電磁波問題は危ないとは言われていて、一応頭のどこかにはその情報がひっかかっていましたが、今回の陳情提出で再認識させられました。


 便利な現代社会に生きる私たち一人ひとりが考えなければいけない問題ですよね。たぶん、携帯電話の会社などはそんなことにはきっと触れることはないのだと思っています。だからこそ、「便利」を選択する私たち一人ひとりが問われることになる・・・・・正しく判断できるための情報がきちんと私たちの所に届けられているかどうか・・・・・・そこが大事な点かもしれません。

 携帯電話の感度が悪いから中継基地局を設置してほしいという要望だって一方では存在している場合もあり(というかまぎれもなく存在している。そのために署名を集めている議員さんも実際に存在している)、その意味ではやはり私たち自身の「選択」になってくる。そのあたりは市民どうしの合意形成の問題、世論の問題にもつながってきます。


 いずれにせよ、今回の場合には市の見識も姿勢も問われたことは確か。公園緑地に建設することをすんなりと認めてしまうというところあたり・・・・・ここに対しては採択・趣旨採択と会派ごとに最後の判断には違いはあっても、「少し安易では?」と感想を抱かずにいられなかった議員が多いと思います。

 やっぱり「ある日突然・・・○○だったら・・・」とすべてのことをわが身に置き換えて考えるクセをつけておきたいものです。便利便利な携帯電話・・・・便利さだけに振り回されてはいけないという教訓がどんなことにもあるのかもしれません。共に考えていきたい話題はたくさんあります。

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2009年05月20日

東京消防庁の救急業務

 自治研センター定例の学習会で東京消防庁の参事で救急部救急管理課長の斎藤英一さんからお話を伺いました。
 まずは救急業務の内容から、現状の体制と課題、そして最後にはAEDの使い方までご教授いただきました。

 救急隊出動のニーズ増に対応しきれない現実の中で、それでも救急隊を増やしてきているとのことで、全東京都内では現在229隊が活動しているそうです。大計画の中では240隊まで増やすことになっていますが、1隊につき10名の人員が必要で、そのことを考えても229隊は結構な限界点だとの認識を語ってくださいました。(・・・・・救急隊が少しずつ増設されているとはいえ、多摩消防署には増えていないなあ・・・・)

 帰宅して、早速・・・東京都消防庁のホームページを開いて「救急需要対策検討委員会報告書」 を確認してみましたが、やはり「救急車の適正利用」ということが言われているみたいですね。救急車を呼ばなくてもいい場合にまでタクシー代わりに利用するような人もいるとか・・・って指摘もありますが、そのために救急相談業務に力を入れ、3年間の試行期間を経てこの4月からは救急搬送トリアージの取り組みも本格稼働しているとか。でも、東京都消防庁の場合には基本的には「まずは現場へ駆けつける」ことを優先にしているようで、緊急性の判断もなかなか難しかったりするようで・・・・。これによって救急車ではない選択肢に納得するのは4割ほどだとおっしゃっていました。救急相談業務で言えば、昨年から「救急相談センター」を開設し、特に子どもの発熱その他では相談窓口を開設したことで「即救急車」を減らし、適正利用に有効だったのではないかとのことでした。

 ところで、救急車と言えば「民間救急車」も街中でちらほらと見かけますね。民間救急車については、東京民間救急コールセンターを開設して運用していると。でも、あまり知られる存在とは言い難いですね。こんなホームページを見つけました。民間救急車を利用すると料金がかかりますので、背に腹は代えられない状況とは言え、市民的には「救急車にお金を支払う」という発想がまだまだなじまないようにも感じます。一応、保険適用になる場合もあるみたいですが。


 何にせよ、救急車へのニーズが増えている中で、本来は東京都消防庁がしかるべき人員配置をして環境整備すべきと思うわけですが、やはりここにも公務員改革の余波があり、多すぎる職員減らしと人件費の圧縮・・・・「人員削減」は取り組むべき課題にもなっているみたい。・・・・それでは市民のニーズには到底応えられるものではありません。「職員が多すぎるから減らせ!」と単眼で見てしまう危険性を感じます。実はそのことで自分たち自身の生活そのものの安心が失われている現状も無きにしも非ず。
都立病院の人員不足も救急隊員の要員確保難も人員削減との兼ね合いがあるみたいですから。
 「あー難しき問題。」


 南部地域病院の医師確保で病棟閉鎖を解くこと、多摩消防署の救急車を増やすこと・・・これは身近な都政の課題!

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2008年08月01日

「保証人を探すのが大変です。」

 駅前で顔見知りになったアメリカ人の方から連絡をいただいたのでお会いしました。日本に来てずいぶん長いと話す外国人市民の方です。多摩市にも長く住んでいると話をされていました。最近、とても困ったことがあるので聞いてほしいというのです。(もちろん日本語で)

 というのは、アパートを賃貸契約したときの保証人(日本人)が亡くなってしまい、別の人を探さなければいけなくなり、とても不安に思ったというのです。早速調べてみたところ、「住まい」の問題はなかなか困難が多いよう。多摩市の場合は外国人の方にどんな住まいのサポートをしているのかを改めて調べてみなくてはと思ったところです。その方は川崎市のようにサポートがあれば・・・とお話しをされていたのですが、川崎市には「外国人市民施策担当」という部署があるようです。川崎市は外国人市民会議の設置などでも先進的で、まちの抱えている課題に対応して「多文化共生」を目指し様々に取組みをしています。
 多摩市の場合、私は国際交流センターの情報誌から、その取組みを垣間見ているだけですが「多摩市として熱心にやっているか?」と言われれば、正直・・・及第点をつけることはできず、国際交流センターで活動をしている市民の方々の熱意に‘丸投げ’している印象が否めません。多文化共生の地域をつくるために市行政が音頭とりをするまでには至っているとは言えません。

 外国人の方も一市民。もちろん納税者でもあり、行政サービスがどう届いているのかを把握することは必要ですね。すべての外国人市民の方が国際交流センターに所属しているわけではありません。少なくとも国際交流センターに関わりがあれば、行政の情報を得やすい環境にあるとも言えますが、全員が全員そういう状況にないことを前提にして、市行政がどんな取組みをすべきなのかは問われる点です。

 
 ということで、上記のように「住まい」に関わる大変だった話を知ることができ、川崎市の施策を調査してみたところ・・・・川崎市には「住宅基本条例」という条例があることがわかりました。東京都にも住宅基本条例がありますが、川崎市の条例は第2条で「住宅及び住環境に関する政策の基本理念」がしっかりと書き込まれていてさすがだなと思います。


第2条 住宅及び住環境に関する政策は、次に掲げる事項を基本目標とし、すべての市民が安心し、ゆとりを持って、共に住み続けられる活力ある地域社会の実現を目指したものでなければならない。
(1) 市民の住宅需要に適切に対応した良質な住宅の供給及び誘導
(2) 市民及び事業者の参画及び協働による良好な住環境の形成
(3) 高齢者、障害者及び外国人をはじめとする市民の居住の安定

 多摩市は住宅都市ですが「住宅」に関する例規は市営住宅条例があるだけのようです。「住まいの安定」は心の安定につながるといわれていて、「居住福祉」は基本的人権を支える大事な価値です。外国人市民の方の入居差別だけではなく、高齢者、障害者、ひとり親・・・・住まいに不安を抱えている人は少なくありません。「住宅マスタープラン」はありますが、「居住福祉」的な観点が盛り込まれていたっけ・・・と記憶にないのですが、いずれにせよ、これからの住宅問題に外国人市民の方の存在も無視することができないような気がしています。


 ちなみに、川崎市の場合には、外国人市民の方への住まい確保について「入居差別の禁止」に実効性を確保するための仕組みがあるそうです。もちろん川崎市の外国人施策にも歴史の積み重ねがあると思いますが、将来を見据えればこれを他市固有の課題・・・として傍観していられないだろうとと考えているところです。


 「多摩市が好きなので、保証人を失ってしまって、多摩市に住めなくなるかと思ったけれど・・・・多摩市に住むことができるようになったからよかった。」という言葉にうれしくなりました。頭の片隅にあったのは、もし「保証人がいないけれど、どうしたらいいですか?」と言われたなら・・・私はどうすればよかったのだろう?ということでしたが。

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2008年06月27日

食の安全と安心

 東京自治研究センターの月例フォーラムに参加しました。今回から「食」がテーマ。食品偽装事件が話題になっているこのタイミングにぴったりの企画です。第1回目の今日は「農と食の環境フォーラム」の牧下圭貴さんが講師でした。牧下さんの活動は幅広く、ご本人も「市民活動で食べている」とおっしゃっていましたが、その活動の一つである「学校給食ニュース」はとても役立つ情報満載です。

 今日の話は「食をどう捉え、何を目指すのか」という観点からの話でしたが、やはりその話題の中心には「学校給食」がありました。「食育基本法」「食育基本推進計画」のわかりやすい解説から、「食育」における地方自治・・・・ということで、学校給食がそこに重要な位置を占めているとの指摘はわかりやすかったですね。学校給食の実施については地方自治体が責任を持つものだからこそ、そこから「食育」をしっかりと発信していかなければならないと言うわけです。

 福井県鯖江市新潟県三条市愛媛県今治市高知県南国市が事例で紹介されていましたが、鯖江市や三条市では食育のために給食時間の十分な確保に努めることを方針としていること。特に三条市では「4時間目授業の終了時間厳守」ということになっているようです。さらに、学校給食には必ずつきものの「牛乳」ですが、日本食基本実施のために食事の時間と牛乳飲用の時間を分離させることにも取組んでいるらしいです。「学校給食で牛乳をやめる」なんてことを宣言すると文部科学省はもちろんのこと、業界団体からも圧力がかかると言われていますし実際にものすごいプレッシャーがあるとか。しかし、誰がどう考えても「ご飯」+「牛乳」というのはあまり美味しそうではなく、目の前にこの二つの組み合わせが並べられているだけでも食事への意欲が削がれてしまいそう。だったら・・・・と「和食」献立と牛乳とを一緒にするのではなく、牛乳だけを別の時間に飲むことにした三条市はなかなかの知恵だと思います。
 また、今治市では「食と農のまちづくり条例」があること、南国市は給食のご飯について各学校で家庭用炊飯器を用いていること(多摩市議会でも以前に視察している)など「『食育』における地方自治」という新しい観点を改めて学んだ気がします。


 それから、やっぱりここは私も同感なのですが「食育」となるとどうしても「栄養教育」に偏りがちですが、本当は「食」の選び方という視点がものすごく重要で、安全・安心な食べ物を選ぶ力を育てていく教育こそ大事だということを強調されていました。食品表示を読み取れる力はもちろんのこと、その表示の仕方、その情報を読み解く力も大事ですね。これは食に限らないことなのかもしれませんが・・・・・。
 「食育」というとイメージ的には「早寝早起き朝ご飯」みたいな印象が強すぎるわけですが、本当は自分たちの「食」を考え、自分たちの「いのち」を考え、そのためにも自分たちの「農業」を守っていく・・・という視点をきちんと据えていかなければならないのです。子どもたちの農業体験などにしても、やらないよりはやったほうがいいと思いますが、ただ闇雲に取り入れたって「食育」にはつながらないわけで、実はそういう根源的な問題にも触れることができるようにつくっていきたいものです。


 先般、多摩市にも食育基本計画に該当するものが完成していましたが、まだホームページには掲載されていないのかな?食育推進検討会が設置をされて、さまざまに議論されてきた経過はありますし、市長も市役所が横断的に取組むべき超・重要課題として位置づけていた問題でしたから。いずれにせよ、食育に力を入れている自治体ではホームページの項目として「食育」ということも位置づいているようです(鯖江市、三条市、南国市)。
 学校給食といえば多摩市ではセンター方式による調理ですが、今更ながら国も「単独方式」=自校方式が「食育」にはふさわしいことを認めざるを得ず(といっても、センター方式を推奨してきて補助金もつけてきた立場としては口が裂けても「自校方式」が望ましいとは言わないが)、「学校給食は生きた教材」なんて言い方もしているようですね。何と無責任と言うか、時代環境の要請といえばいいのか・・・・私としては複雑な気持ち。多摩市は南野センター、永山センターともに改修工事をしていますし、今後もずっとセンター方式でやっていかねばならないわけで、その中で「学校給食は生きた教材」として食育にどう生かしていくのかは課題です。


 それにしても、学校給食に米飯が認められていなかった時代もあるらしく、その時代に給食を食べていた世代は「パン好き」とのこと。アメリカからの小麦輸入対策に学校給食が使われていたとの話ですが、恐るべし策略。義務教育機関に学校給食で鍛えられる?!って・・・影響力がものすごいのですね(だから教育って本当に重要だと実感させられます)。食べていた給食の内容による嗜好の違いみたいなことの研究結果もあるそうです。最近は「ご飯」志向にもなっているようです。これはとてもいい傾向です。私はご飯も好きですが、同じくらいパンも大好きです。でも、国産小麦を使用しているパンはお値段が高いのでやっぱりご飯のほうがいいなと思います。


 「食」への不安は、生きることへの私たちの不安ともいえる側面があるように思います。食糧不足なんていえば、まさにそのとおりで「生命の危機」になるわけですから・・・・「食」を根源的なところからもう一度見直し、話題にしていきたいものです。

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2008年05月29日

思いたったら吉日。

 朝から土砂降りの雨・・・こんな日は「雨降って地固まる」と言い訳したい気分になるんですが、そうも言っていられず議会運営委員会へ。6月定例会に向けた議会の日程やらを確認しました。約1時間ほどで会議を終え、午後から人に会う予定があったのですが急遽キャンセルに!

 「午後・・・どうしよう・・・。」って一瞬思ったのですが、迷わず「エコプラザへ行こう!」と思って即連絡をして、議会前の忙しい時期にも関わらず容器包装プラスチックリサイクル現場の見学をしてきました。何と奇遇にも共産党会派の方4名も午後からの見学を予定していたらしく、私もそこに一緒に参加させてもらいました。一人で見るよりも複数人で見たほうが視点がたくさんあるので会話も弾みます。

 私の住んでいる地域は毎週木曜日が「きれいなプラ」の収集日なので、どうしても木曜日に見学に行きたいという勝手なこだわりがあったため、なかなか都合がつかなかったのに、今日はなぜかタイミングよく♪・・・・できたら6月定例会前に見に行きたい!木曜日に行きたい!と諦めかけていたのに今日は本当にラッキー。


 それだけでルンルンした気分になりエコプラザに向かったわけですが、向かうタクシーの中で「何しに行くのか?」って尋ねられました。こんな時間に珍しいと思われたのでしょうね。「見学です。」と一通りの説明をしてみました。


 今日は雨というだけで作業が大変そう。「臭いはどうか?」「手作業で分別ラインにいる方々の仕事の状況はどうなっているのか?」そしてもちろん・・・「市民の分別状態・状況はどうなのか?」(これが一番肝心)、それから大気環境調査のことも気になっていました。


 臭いについては収集車より運び込まれたプラゴミの袋の山が積んであったストックヤードも「それほど我慢しなくていい程度」のもので、意外とクリーンな印象を持ちました。私はものすごい敏感なので、その私が我慢できる程度ということになります。運び込まれるのは4、5月の実績ベースでは一日5トン程度だとか。山積みになって処理しきれないほどの量にはなっていないようで、作業自体もだいたい一日で滞りなく行われているようでした。


 さて、多摩市の場合は環境への影響を考えて「室内」において分別の手作業を実施しています。作業員の方7名ほどが入っている手選別ラインは地下に隔離されています。そこの見学もしました。やっぱり壮絶ですね。この手選別の大変さは体験しなければわからないのだと思います。袋の口をしっかりと縛り集められてきたプラゴミは破袋機にかかり、中味がどさっと出てくるのですが、市民の方の分別状態の悪さは一目瞭然・・・・中にはガラス瓶などが入っている場合もあるとか・・・・それを手で分別するわけで、どんな作業になっているのかと思われる方もいらっしゃることでしょう。流れ作業は時々ラインをとめて、ちりとり・ほうきや大きな掃除機のようなもので不純物などを取り除きながら行われているというそれはそれは大変なものでした。
 ほんの数分だけしかいませんでしたが、作業員の方の苦労を考えるとやはり「捨てる私の心がけ」が何よりも大事だと痛感させられます。


 ●プラごみ・燃えないごみは二重袋にはしないで欲しい。
 ●汚れの付着しているものは焼却ゴミにして欲しい。
 ●白色トレイなどは店頭回収にして欲しい。(かなりトレイ類が廃棄されていました。)
 ●パイプ枕のなかみは焼却ゴミにしなければいけない。 


 今日気がついたことはこの大きく4点くらい。まだまだ日常作業をなさっている方は他にも気がつくことがあるのかもしれません。私はできる限り小さく、空気を抜いて・・・と考えてはさみで細かく切り刻んだりしていたのですが、●切り刻むことはしないで欲しい。ということも大事な点です。細かくなりすぎることでちゃんとラインにのっていかないと聞いています。

 問題として危惧されている圧縮箇所も拝見しました。これについては大気環境調査を粛々と実施していくことをしていくべきだと考えていますが、とにかく私が驚いたのは作業場所その他を含め、ものすごく「クリーン」であるということ。他市などに見学に行った記憶とは格段の差です。決して過大評価をするわけではありませんが、施設全体の衛生管理などは行き届いているように思っています。
 あとは施設の安全性ということについては、有害化学物質の発生の捉え方や是非に決着がついていない中でここで「安全」と言い切れないことも事実ですが、できる限りの対応はしていきたいとの姿勢を感じていただけるように日々を重ねていきたいものです。

 作業員の方々のことを思うと、気軽にゴミを捨てることはできない。自分の生活も見直し、「ゴミになるものは買わない」を徹底追求し、なるべく低消費を心がけての生活をしたい!との思いを一段と強くしました。


 ★明日は5月30日・・・・530(ごみゼロ)DAYなんです!★ぜひ、ご参加ください!

<駅頭キャンペーン活動> いずれも1時間ほどで終了します。
 5月30日午前10時~ 唐木田駅
       午後3時~ 多摩センター駅
 5月31日午前10時~ 永山駅
       午後3時~ 聖蹟桜ヶ丘駅    *たまごみ会議との共催です。

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2008年04月15日

レジ袋を減らそう!

 4月から家庭系ごみ袋の有料化が始まりましたが、それに伴って市内の各店舗ではレジ袋の辞退率に変化が見られているのでしょうか。マイバックを持参している人の姿を多く見かけるようになりました。・・・・でも、これは最初から懸念されていたことでもありますが、家庭系ごみ袋の中にさらにレジ袋でまとめられたごみが入っているという場合もありそうですね。やはり、「レジ袋は要らない」「レジ袋をもらわない」というスタイルにしていかなければならないと思います。


 おそらく・・・そのために「レジ袋の有料化」というのは効き目がありそうに思っています。今日は、容器包装の3Rを進める全国ネットワークが主催をした集会に出かけてきました。全国で始めて、レジ袋有料化を実施する富山県知事の石井隆一氏からの講演他、レジ袋税→レジ袋有料化といえば杉並区長の山田宏氏、そして事業者からはイオンの担当者の方などからの報告がありました。そして、環境省や経済産業省の担当者からの報告もあり、大きな方向としては「レジ袋有料化の取組みは必要なこと」という認識が一致していたように思います。もちろん地球温暖化防止など持続可能な環境というのがその理由。杉並区長は「レジ袋を減らすためには有料化が不可欠」と断言していましたし、国のお役人さまもその必要性は重々承知しているものの「レジ袋有料化」を全国一斉に導入できないことに歯がゆさを感じているようでした。


 ・・・・というわけで、国のお役人さまは各種団体?からの圧力により「全国一斉導入は難しい」と確信されているのでしょうね。


 「こういうことは地方自治の課題ですよ!地方分権なんですから、地域それぞれの特色を生かして進めていけばいいんです!」


 なんて、サラリと答えていただきました。

 思わず私は反論したくなりましたね。挙手をして「レジ袋の有料化」は地方自治固有の課題であるのかどうか杉並区長をはじめ、富山県知事に聞いてみたい!!・・・って。レジ袋の有料化には国民のコンセンサスが必要で、まだ十分にできていないからこそ地方から進めて欲しい・・・というのがお役人の方の発言の趣旨のようでしたが、この問題を地方の裁量とか地域の特色という言葉に押し込めるのはいかがなものかと思います。

 最後のところで、杉並区長はやんわりと「リサイクル貧乏にならないようにしてもらいたい」と国への対応を求めていましたが、地方分権の名の下で国と地方の責任の押し付け合いがあるというのもおかしな話です。でも、現場の矢面に立っている自治体は本当に苦労苦心しているんです。


 今日の集会でいただいた資料には東京都各自治体に「レジ袋税・レジ袋有料化」の方針の有無を尋ねた調査結果があったのですが、多摩市では「現段階では方針がない」ということでした。多摩市では現在、マイバックを忘れた場合には有料の容器包装プラスチック専用ごみ袋を必要なだけ購入し、商品などを持ち帰ることのできるシステムがあります。これは有料レジ袋問題とはちょっと異なるかもしれませんが、レジ袋を減らすための一つの手法かもしれません。事業者の協力なくしてはできない取組みですね。お役人さまからは「地域ならでは!」とお褒めの言葉をいただけたりして。
 何はともあれ、トップの姿勢が問われる問題で富山県にせよ杉並区にせよ・・・・首長自身の問題意識と行動力が群を抜いているのだと感じました。杉並区がレジ袋税を提案したのは平成12年のこと、しかしレジ袋有料化の条例が可決されたのは平成14年・・・・・・そして施行まで5年を設けての実施・・・・足掛け5年かかっての取組みになります。この間800回以上の説明会を行ってきたとの話でした。

 当面、我が多摩市で有料レジ袋制度を導入することはないだろうと思いますが、レジ袋辞退率の推移について調査をしておきたいものです。ちなみに、事業者の方が「マイバック持参率を35%くらいに目標設定をするのであれば、このままの取組みでも何とかなる。でも、それ以上に目標値を設定するのであれば、もっと違った取組み(有料化など)が求められる」との話でした。

 レジ袋を断ろう。・・・・・それがCO2の削減に向けて、私ができること。

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2008年02月07日

エコプラに行く。

 今日は都内での学習会に参加する予定だったのですが、急遽取り止めることになりました。そして、「そういえば。」と建設環境常任委員会に連絡をとり、午後から予定されていた委員会でのエコプラザの視察に参入してしまいました。同じく委員ではない佐久間議員も一緒に見学をしました。

 エコプラザでは今週に月曜日からモデル地域(諏訪3-1、4、5丁目、鶴牧5丁目東、グリーンメゾン鶴牧、プロムナード多摩中央、落合6-6)ではプラスチックに回収がスタートしています。話によると月曜日の収集ではプラスチックの量が少なめで本日2回目の収集を経て、ようやく機械の試運転に入れるようになったとの話でした。モデル地域2300世帯から集められたプラスチックはストックヤードの角に寄せてありましたが、おそらく4月から本格実施に入ればストックヤードいっぱいになるのではないかと予測しているようです。機械では一日に処理能力が10トン、回収してきた廃プラを手選別し、その後圧縮・梱包をします。最終的に完成する1つのベールはだいたい250キログラムぐらいとの話でした。今日の午後の段階で回収されたプラスチックはようやく約260キログラムに達したので、何とかベールをつくるまでの一連の作業ができる状況になったのだとか。
 委員会では機械の説明を聞きながら、あわせて作業の様子を見学、そして屋上の排気塔のところも確認、さらには排気塔の根元?のところに設置されている活性炭フィルターも見せてもらい、1つの排気塔に300本のフィルターをつけている状態の確認もしました。ちなみに排気塔の活性炭フィルターですが1本が約1万円という話でした。(排気塔は全部で3つあるのですが、その全てに活性炭フィルターが設置されています。)

 廃プラの処理工程ですが、ストックヤードと機械の収集された廃プラスチックの投入口以外は完全に室内作業。昨年視察をした相模原の廃プラ施設ではエアカーテンはあるものの、ひんぱんに開閉が行われており、ほとんど室外作業に近い状態だったことを思い出すとエコプラザのほうが配慮されている施設だと思います。ただ、今後収集されるプラスチック量が増加することなどを考えると、ストックヤードの状態など少し想像がつかない感じもします。

 そして今日は「初ベール」ということで、初めてベールが完成するところに立ち会うことができました。機械については投入量の調整やら手選別ラインのスピードといった部分を今後調整し、本格稼動に備えていくとのことでしたが、再来週には大気環境調査を実施をするとの報告もありました。

 今日はまだ試運転の試運転の試運転という印象だったので、もうしばらくして再度、足を運んでみたいと思っています。今日と同じような状態で大気環境調査を実施しても正確なデータがとれないかもしれないと一抹の不安もあります。それからプラスチックの収集状況ですが、手選別ラインではペットボトルを除去する人、空き缶類を除去する人・・・という感じで役割分担を決めながら作業を進めているようでした。もちろん異物の混入も見られます。ただそれがどのくらいの量であったのかは今後明らかにされるのかなと考えます。私が見た感じでは、分別状態が「ひどい」という状況ではないと思いましたが・・・・。これが全世帯にまで広げたときにはどうなるやら・・・・市民意識や良識に委ねられる部分が大きいことは確かです。


 市役所でもエコフレンドリーのみなさんが、来庁された市民の方の求めに応じて「多摩市のごみ」に関する情報提供をしています。先般はベルブ永山で「ごみ・ゼロ大作戦」という展示、生ゴミ処理の講習会などもありました。以前よりもごみに対する関心が高まっているように思います。でも、もっともっとその関心を広げていかなければならないと考えています。現場に出かけ、手選別ラインの作業員の後姿を見ながら、「啓発活動をやめることはできない」との思いが一層強くなりました。手選別ラインがなくても全然OKという状況になるのは理想の理想、夢のまた夢ですが、本当はそのくらい市民意識が高まるといいですよね。

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