« 9月定例会 一般質問4日目 | メイン | 9月定例会 補正予算の質疑から »

2009年09月07日

9月定例会 一般質問5日目

 今日の午前中は傍聴席に新人職員さんの姿が。毎年恒例の新人研修の一環で議会傍聴というのがあるようです。議会傍聴も悪くはないし、市の業務を理解するためには必要なのかもしれませんが、もっと他にやるべき研修があるのかな?なんて思ったりしてしまいます。これ・・・議会を傍聴して何かレポートとか書くのかしら?もし、私が新人さんなら、困るなあ。

 余談はさておき、今日は個人的には今井さんが「がん教育」ということで子宮けいがんのワクチンのこととヒブワクチンの話をされていましたが、ワクチンで防げる病気(VPD)のこと全般にまでは話が至らなかったので、決算特別委員会かどこかの場で話題提供してみたいなと思っています。今井さんはヒブワクチンについての助成制度を新たにつくるべきだと主張されていましたが、今回の定例会にはこの件について市民からの陳情も提出されています。ヒブワクチンのみならず、本当はワクチンさえあれば防げる病気に対する正しい知識を広げていくことが必要です。


 さて、肝心の私の一般質問ですが、「ようやく終わってやれやれ」というのが一番の感想。今回取り上げた唐木田図書館の「直営を基本とする(民間企業への)業務委託」、学校給食センターの「調理業務の民間委託」という方針について、「無責任に結論を出したわけではない。」ということを確認することを主眼に置きながら、質問をしようと考えてきました。
 私は行政が直営でやるよりも、民間に委ねていくことの方がより責任が重くなると考えていますが、どうも安易なる「コスト削減論」に走りがちで心配だったりします。民間のノウハウを活かすと言っても、民間のノウハウの内容を正しく把握していなかったり、ノウハウを活かしよりよい市民サービスができることを十分に説明できない場合も多々あります。


 議会というのも何とも不思議なところで、他市でやって上手くいっていることについて多摩市でもやるべきだ・・・と主張する場合もあれば、他市で上手くいっているからと言って多摩市でそうなるとは限らない・・・・となる場合もあり、「直営から民間へ」という場合には必ずと言っていいほど後者の主張が頭をもたげてくるのですね。


 私としては民間に任せていて上手くいっている場合と上手くいっていない場合があるとすれば、「上手くいっている場合」に着目をしてその理由を分析し、多摩市でもどうやったら実現できるのかを考えていく方が建設的だと思うのですが・・・・。

 いずれにせよ、民間に任せたらよりよい市民サービスの展開が期待できることが説明できなければならないし、「民間に任せていく」に対する市民の不安や懸念は必ず存在するものなので、そこにどう説明し、理解を広げ、合意を得ていくのか・・・ということできちんと向き合う姿勢が求められます。今日のところは唐木田図書館の件についても、給食センターの件についても「まだまだ市民に理解してもらうために説明を尽くしていく必要もある。その説明作業を進めている中では方針を変更する可能性もある。」なんて示唆もあったと理解していますが、市民の意見にどのような形で耳を傾けるのかに注目してみたいですね。給食センターについては給食センター運営委員会に「民間委託をするかどうかも含めて」諮問をしていますが、唐木田図書館のことについても「自治基本条例の手続きにのっとって」市民からの意見を聞いていきたい・・・・と誠意を持って取り組む姿勢を示しておられましたが。


 何はともあれ「行政はやることすべて善」という誤謬神話からは卒業していかないといけません。何でもかんでも民間に任せていけばいいと思っているわけではありませんが、「行政がやっていることには間違いなし」との考えに雁字搦めになってしまうと、発想に広がりが持てなくなる気がします。「自分たちは間違わない」なんて頑張りすぎることで職員の態度そのものも硬直的で四角四面になりがちですし。


 民間委託論などが浮上すると必ずそこには市民の不安や懸念の声が広がるので対応するのは楽とはいえません。でも、「考える場」が設定されることは悪いことではないと思います。なぜなら、行政、市民、議会それぞれに問題解決のために知恵を寄せ合うとしたらそれは「自治」だから。まさに今回の2つの業務委託方針はそれぞれに「これからのサービス提供の在り方」をどう考えて、どう進めていけばいいのか、税金をどうやって使っていこうか・・・・ということをみんなで考えるための「教材」とも言えるのかもしれませんね。それぞれの立場で「よくしよう」と思って展開する議論が、将来にとって有意義なものになるよう願ってやみません。市民の意見を聞くというのが単なる手続きで「ガス抜き」に終わらないようにしたいものです。

投稿者 hisaka : 2009年09月07日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/2076