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2008年12月24日

12月定例会 最終日

 年内最後の議会が終わりました。職員人件費、特に残業手当増の約1億円に対応した補正予算も可決されました。この補正予算については債務負担行為約7千万ほども盛り込まれていましたが、これについては緊急経済対策の一環で行うのであれば現年度で対応することもできないのかとの視点からキリリとしまった質問をしていたのはやはり共産党でした。

 さて、今日最も注目されていたのは言うまでもなく文教常任委員会で否決されていた「貝取・豊ヶ丘地域の学校統廃合」に関連する学校設置条例改正の提案について。最終的には修正案が可決しました。


 修正案の内容は新設する2校の場所は北豊ヶ丘小学校と南貝取小学校(これは市長提案どおり)であるものの、2校の名称については再考する必要があるとの立場から「別途条例で定める」とし、今回提案されてきた青陵北小学校、青陵南小学校という部分を白紙に戻したもの。13名の議員がこの修正案の提出者・賛同者に名を連ねて提案されたものでした。

 ちなみに13名というのは自民党、公明党、生活者ネット・無所属、あおぞら、日月の会。私たち民主党TAMAは文教常任委員会での結論どおりに原案否決で修正案も否決。ゆいの会と共産党も同じくでした。


 今日の会議の最後に市長がいみじくも述べたとおり・・・「この問題については一歩踏み出すことができた。」ということになるのでしょう。文教常任委員会で「否決」の結論が出た約1週間前は本会議でも「否決」されることが明白で、庁内全体が凍りつき緊張感が走ったわけですから。今日までの間に私のとうてい知りえない場所での様々な動きがあったことと拝察するばかりです。それは、文教常任委員会で「原案可決」としていた公明党、生活者ネット所属の議員も態度表明に再考を迫られ「修正案」というかたちで妥結したことからもわかります。
 
 修正案にしなければ否決になってしまう。


 「今、この時点で議会が地域や市民を混乱させることはできない。」「統合し新設される予定の学校に期待を持って向かおうとしている子どもたちの気持ちを優先にして。」


 不本意ながら修正で何とか合意・・・・という結論を下さざるを得なかった苦しい立場があったことは事実です。私たちの会派も文教常任委員会の「否決」の後、さまざまな議論をしてきました。そもそも教育委員会の「学校の一定規模・適正配置」方針そのものに矛盾があることは否めない事実とは言え、それを前提に議論の積み重ねを余儀なくされてきた市民の存在・・・・立場、見方を変えてみると「これ以上、地域をかき回されたくない、乱されたくない。」との憤りも決して理解できないものではありません。

 しかし、私たちの会派はやはり当初の結論をそのまま貫くことにしました。「否決」という決断を下すことは決して楽なことではありません。文教常任委員会の「否決」が行政にどう受け止められたのかも見えてこない、「否決したのは議会の責任」とされてしまうことで話が終わってしまう、議会に責任転嫁されてしまうとすれば、それもまた不本意で、やりきれない思いにもなる・・・・・今日の今日まで悩まないことはありませんでした。


 というわけで、討論を掲載しています。(長いですが、ご一読いただけると幸いです。)


 修正案ですが、ここに至るまでの経過で教育委員会の相当な努力があったとも聞いています。「談合だ」との非難する声が一部から上がったことも事実ですが、水面下でさまざまに調整積み重ねて骨を折ってきた議員の存在を無視することはできないと感じます。市民には見えにくい、不透明な情勢だとは思いますが、「政治の現場」というのは刻々と変化するものでもありますし、今日の修正案という到達点を「一歩前進」と捉えた市長の発言を受け、今後にどうつながっていくのかを注視していきたいと思います。もちろん、私たちは教育委員会の辻褄あわせで物事を進めていこうとしている姿勢を厳しく指摘しましたので、それに対してどう対応するのかも見ていく責任があると感じています。


 討論の冒頭でも述べたとおり、「教育委員会における審議の経過、そしてまたその検討過程における市議会への陳情の提出など、紆余曲折を経て今日に至っています。その様な中で、市議会としてこの案件を正式な議題とし、判断を下すことができる機会はまさに今議会をおいて他にないのです。」という事実に議会の教育行政に対する機能の果たし方を考えさせられる機会にもなったように思います。


 一つ一つ議決が出てしまえば終わりではない。それはどんな議案についても言えることですが、日々の営みの中でついつい目の前のことにおわれてしまうとフォローする視点を失いがちであることも正直なところ。議会として一定の軌道修正を指示したのが今回の修正案。修正案可決の立場、修正案原案ともに否決の立場であっても、今回の軌道修正には等しく責任が発生していることを受け止めたいものです。どんな立場の議員であっても、決して「悪いようにしたい」とは思っていない。みんな真剣に将来のことを考えた結果至った到達点であり、議決責任は同等にあるわけですから。

投稿者 hisaka : 2008年12月24日

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