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2008年10月20日

議会改革は進むか?

 久しぶり?の議会改革特別委員会でした。今日は前回の会議で出された課題「『二元代表制の実質化について』」についてそれぞれに考え方をとりまとめて提出したレポートの発表からスタート。

 「二元代表制を現実的に実質化することは難しい。」という正直に現状に向き合った意見もありつつも「二元代表制を機能させるための議会をつくる。」ことを目指そうということで概ねの議論の流れは進んでいったように思います。


 二元代表制という言葉自体、市民的には馴染みの薄いものですが、私たちが目指している二元代表制を体現する議会とは、格調高い言葉で言えば「自律的」に存在できる議会のこと。


 分かりやすく言えば、「首長との馴れ合いをやめる」「馴れ合うことをしない」ということですね。・・・・って、これは「議会」ではなく、むしろ「議員一人ひとり」に求められている姿勢他ならず。議会の「自立性」を担保できるかどうかって議員にかかっている部分が100%って言える気がします。

 
 今の多摩市議会ではそんな事例はないはずですが、例えば議員の一般質問を職員がちょこちょこっと作成して差し上げるとか何とか・・・または、市長にえらい阿るというか「ヨイショ質問」して差し上げるとか・・・・・・。傍聴している市民の方から耳にしたことのある表現を借りれば「気持ちが悪くなる」という光景の議場をつくるのは議員なわけで、結局のところ行き着く先には「議員個々人の意識改革」が存在し、そこが大きな壁が立ちはだかっていると言えるでしょう。

 ところで、先日の議会改革のフォーラムで、府中市議のにしみや幸一さんが指摘されていましたが、「議員によって議会への満足度が違う。」というわけですね。つまり、現状の議会のあり方、議会活動についての満足度はそれぞれ議員の置かれている立ち位置が大きく左右すると言うことでしょう。現状で申し分なく満足している人もいれば、現状の議会のあり方含め改革の必要性を主張する人、不満を述べる人もあるわけで、混在状態にあるというわけです。


 そんな中では「議会改革どころではない!」。他の自治体では「改革したい!」と思っている議員たちが沸々としている状況のほうが一般的なようです。
 なので、多摩市議会で「議会改革」の御旗が掲げられているだけでも、かなり先進的!なんてことになってしまうわけです。


 となれば、気になるのは「どうして、多摩市議会では議会改革でまとまれたのか?」というところ。その理由とは・・・・・現段階では分析中ということで説明するのはご容赦いただきたいわけですが、「議会内勢力図をご覧ください。」というのが私の説明です。


 私たち多摩市議会は市長との距離感で言えば・・・・近距離グループと中間距離、遠距離グループ(って分類できるのかもわからないですが)が拮抗しているため、常に「緊張感」が走っている市議会であるから。「ややもすれば、市長提案が否決されるかも!」という状況が発生するので、会派どうし、議員どうしの腹の探り合い(?)も丁重に丁重。数の力だけで押し通そうとか、力で封じ込めるという前時代的な手法が通用しなくなっているから。


 だから、「議会改革」により、きちんと議論する場づくりの必要性を共有しやすい環境があるというわけですね。よくよく考えてみると議論しない議会のほうが全くおかしいわけですが。


 というわけで、多摩市議会改革は後戻りしない段階までたどりついたと考えていますが、これが「if」の仮定法の世界で、「I wish」のレベルで留まらないようにしたいものです。実は本音ベースのところを探ったときには議会改革に対する温度差も違えば意識も違う・・・・というのが多摩市議会の現実でもあり、仮にも目指すところが「自律的」なあり方だとすると、それを実践するためには何よりも議員自身の行動形態を変えていかねばならないところで、「あなたは自身の議会活動、政治行動をどんな風に変えていけますか?」が問われているわけです。

 「実践が難しい。いろいろと綺麗な言葉だけを並べたところで、行動が伴わなければ意味がない!」と毎回のように発言する折戸さんの意見には私も同感。


 議会基本条例を制定して次の日から議会の様子が一変するのであればさっさか条例制定をすべきでしょうね。でも、条例を制定しても「絵に描いた餅」にしかならず、単なる市民向けのパフォーマンスに終わらせてしまうとしたら・・・・・それこそ議会自ら市民を顔向けできない状態になるのでは?

 せめて私自身はそうならないように自らを律していかないと。この際他人のことをあれこれいう立場でもなければ資格もないわけで、何よりも自分自身の姿勢をきちんと保持していかなきゃ!


 そんな思いを一段と強くした昼下がりの委員会でした。

投稿者 hisaka : 2008年10月20日

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