« 6月定例会 一般質問5日目 | メイン | 休会になったので。 »

2008年06月09日

6月定例会 危うく不承認だったら・・・

 今日は補正予算と市長専決処分の承認を求める3つの案件、財産取得についての議決の1案件、それから固定資産評価審査委員と教育委員の人事の同意案件がの議決がありました。

 補正予算については石原都知事の公約消化?のために打ち出された低所得者への配慮と対応策「生活安定応援事業」に関するもの。石原都知事は昨年の選挙の際に住民税のフラット化に際し、低所得者の軽減をすることを約束していましたが、やはりダイレクトに軽減策を打ち出すことをやめ、その代替案的に企画立案したのが本事業です。多摩市に(ばらまきされた)予算としては約750万円ほど。生活保護受給世帯ではない低所得の方々を対象とした事業です(課税所得基準は単身者だと50万円以下で不要のある場合には60万円以下)。生活資金の貸付他、特に就労支援にテコ入れをするということらしいです。多摩市の場合には就労支援をするための新たな人員配置を行い(嘱託職員約300万円)、あとは多摩市社会福祉協議会に事業を委託していく方向性で取組む模様です。


 全体像がいまいちよく見えないし、この事業にどのくらいの効果を期待しているものなのかもよくわからない・・・・・この事業そのものの予算は都が丸抱えで市の負担はゼロですが、都知事が掲げた公約の実現の尻拭いをさせられるかのような事業としか思えません。押し付けられ、やらされる自治体としてはたまったものじゃない!というのが本音ではないかと思います。市長会などでも本事業の進め方に対する意見はさまざまあると伺っていますが、当然です。
 しかし、拒否はできない・・・・という地方分権には馴染まない力関係が依然として存在するのが都と市の関係。とりあえず、市役所では嘱託職員を新たに雇用し配置し、その他の部分は市も社会福祉協議会に丸投げ(ここには都と市の関係に重なって見える力関係がありそうだが)にて実施する体制をつくるようです。あちら(社協)の立場になれば迷惑極まりない話です。少なくとも私はそう感じます。

 でも、そんな風に文句を言っても始まらないので、せっかくの事業展開が有意義になることをただただ祈るばかりです。この事業に市は1円の負担もないとは言え、私たち市民の税金(都民税が原資)であることは変わりがないですから。全く喜べない税金の使い道で、東京都から自治体への出資です。

 さて、今日といえば「専決処分の不承認か?」・・・・・というのが私にとっては新しい経験でした。専決処分といえば、議会を開く暇がないときなどに市長に認められた権利のこと。しかし、この権利を濫用されると議会軽視につながりかねません。実は、以前にもブログで報告を書きましたが、国民健康保険税について「値上げ」が行われることになり、そのことについては市民生活に打撃を与え、負担増にもなることから「専決処分」ではなく「臨時議会」を開催して対応すべきとの意見があり、一部の会派から申し出をした経緯があります。私たち民主党TAMAも議場で議論をするべきが相応しいと思ったので、申し出には名前を連ねていました。
 しかし、それへの対応は「臨時議会は対応しない」でした。そこで、市長は「専決処分」を行ったので、本日の議案「専決処分の承認を求める案件(第41号議案多摩市国民健康保険税条例の一部を改正する条例を専決処分したことについて」が提案されたのです。

 専決処分をしたことの承認or不承認の議決です。まあ、「不承認」になっても、専決処分を行ったことが取り消しになるわけではなく、効果効力には変わりがないわけです。(との答弁でした。)つまり、市長には痛くも痒くもないわけですね。が、これは市長の「政治姿勢」に対する議会の判断ということにもつながるところが見逃せない点です。

ちなみに承認をしたのは自民党(3名)、公明党(5名)、あおぞら(1名)、ゆいの会(折戸・加藤)と無所属(菊池)。不承認は私たち民主党TAMA(3名)と共産党(5名)、生活者ネットワーク(2名)、ゆいの会(佐久間・住田)。最終的には自民党会派の議長が「承認」。

 ですので上記結果を踏まえ、市長は「不承認」にならなかったから胸をなで下ろしたかもしれませんが、今の市政運営の難しさがモロに露呈したかのような結果です。市長が市議会の安定多数を確保できている状態ではないことが一目瞭然です。12対12(1名欠席のため)という結果で議長によって救われた市長・・・・でも、この微妙なさじ加減というか緊張関係こそ、市長がワンマンになりすぎないためには必要なことかと私は思っています(が歯止めになっているかどうかはわかりません)。専決処分を全く許さず・・・というわけではなく、時と場合によると考えています。民主党TAMAとしては、国保税の見直しについては既に3月議会の中で「国民健康保険運営協議会」からの答申を尊重することの判断をしています。しかし、対議会との情報共有や説明責任の果たし方、問題の重要性に鑑みた市長の対応に疑問があるとの点で「不承認」との判断を下しました。
 共産党の小林憲一さんが質疑をしていたのですが、そのやりとりを聞いているとやっぱりすんなりと認めるわけにはいかない・・・・と途中から判断を変えざるを得ませんでした。


 けど、これが「不承認」ということになったら、市長はどのように弁明するでしょうか?まさか、「痛くも痒くもありません」なんてことにはならないと思っていますが。

 それから、今日は財産取得についてですが、多摩第一小学校の土地を都から買取りさせられる件。もちろん予算審議の流れから、私たち民主党TAMAは反対しました。反対したのは私たち会派とゆいの会だけ。その他の会派は全員賛成という結果でした。


 人事案件は市長提案どおり。固定資産評価委員も教育委員も再任されました。教育委員については、現在は5名の委員なのですが、議会の理解が得られれば人数を増やしたいという市長の考えが示されたことは収穫でした。


 今日明日2日間で予定されていた審議が今日一日で終了したために明日は休会です。

投稿者 hisaka : 2008年06月09日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/1750