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2010年10月28日

久しぶりの視察対応

 今日は愛知県の岩倉市議会のみなさんが視察に来られました。多摩市議会の取り組みについて、非常に勉強になったという感想を述べられていました。そしてまた、これは視察に来られる皆さんが共通しておっしゃることなのですが、「多摩市の市民は非常に意識が高い!」という印象を今回もいただきました。

 多摩市民の意識が高いかどうかというのは、どこかに基準が設定されていて、「高いor 低い」を判断されているのだと思いますが、多摩市議会に席を置いている私自身はまだまだ市民の関心を市議会に引き寄せられていないなという感触が正直なところです。ただ、多摩市議会の場合にはいわゆる「地域代表」「地区代表」的なかたちで選出されてきた議員が多くない点は、自治会長=市議会議員へ・・・みたいな路線で市議会に席を置いている議員が多い他の自治体とは少し風景も異なっているのだと思います。つまりは、市民自身も市議会議員を選ぶ際の視点が異なっていると言えるでしょう。

 さて、今日の岩倉市議会のみなさんには議会基本条例の可能性について、特に議会におけるパブリックコメントがとても大事だという話をさせていただきました。

 行政が自治基本条例などに基づいて実施するパブリックコメントと議会において実施するパブリックコメントの違い・・・・。たぶん、これは今回の議会基本条例制定の過程で経験してきたからこそわかることなのですが、決定的な違いは「パブリックコメント」によって届けられた意見ひとつひとつの取扱いをどうするのかについて議論の過程が見えるということです。
 行政が実施するパブリックコメントはせいぜいその取扱いについて担当者がその裁量等によってどうするのかを回答するに留まる場合が多いと思いますが、市議会の場合は違います。届いた意見ひとつひとつに対して、各議員が各立場や見解から意見を述べ合い、そしてその取扱いが最終的に決定するという流れです。ですので、その意見交換の内容や質の水準がどうなのかについては評価もさまざまあるとは思います。しかし、必ず、ひとつひとつに対してどうするのかが協議され、その協議の過程は全て公開されていきます。ですので、パブリックコメントを提出した市民の方は議会に足を運ぶことは必要かもしれませんが、自分の意見が議員同士の中でどのように議論され、取り扱われていくのかがわかります。
 これは行政が実施しているパブリックコメントが単に回答が付されて、あとから公開されていくのとは異なる過程ではないかなと思っています。もちろん行政側のパブリックコメントの取扱いについても協議の場が公開されている場合もありますが、やはり議員が公式に意見交換をし議事録にも残っていくことの意義は大きいものと考えます。
 ですので、議会におけるパブリックコメントの活用はその工夫いかんで、市民と議会との距離感をより一層縮めることにつながる気もするのです。


 というのは希望的観測ですが、でも、私自身が実際にやってみての感想です。


 視察は午前中いっぱいで終わり、その後私が向かったのは桜ケ丘のヴィータで行われていたシルバーフェアエイトという催し。南多摩地区のシルバー人材センターが合同して実施される交流会なのだそうです。これはシルバー人材センターからの情報発信という意味合いもあるようですが・・・。残念ながら、その開催のあり方など見直す必要も指摘されていて、今年度限りで終了するとの話でした。(ちなみに多摩市シルバー人材センターのHPはこちら
 会場では今年の4月からシルバー人材センターの事務局に籍を置いている元教育部長に会い、状況を伺ったのですが、家事援助の依頼がさまざまあること、そしてまた、現在実施して2年目になる「子育て支援サービス」についてはもっと利用率を上げるための工夫が必要だと考えていることなど情報をいただきました。あとはシルバーフェアエイトで意見交換するテーマが「女性の就労」だということも聞きました。シルバー人材の活用で「女性の雇用」のことが話題になっているのは、やはり仕事の需要と供給のミスマッチがあるからかもしれませんね。これは毎年のように課題として採り上げられているテーマなんだそうです。


 ということで、シルバー人材ということなのですが、シルバーシートについても思うことですが、「シルバー」という表現に対する心理的距離感がもっと問題にされてもいいような気がしています。電車などでも「優先席」という表現に変わっている(この場合はシートの位置づけそのものが高齢者だけに対する優先席ではないという意味でかわったのかもしれないが )かつての「シルバーシート」・・・・何となく「シルバー」という言われたくないなあと思いながら歳を重ねる高年齢者が多いのではないかと。だからと言って、今すぐに別の表現を思い出せないのが私の貧弱な語彙力なのですが、もう少しいい表現はないものかしら?と気にしてみたいと思っています。

投稿者 hisaka : 2010年10月28日

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