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2010年10月21日

「ここに来ているから、元気になれる」

 今日は諏訪・永山のいきがいデイサービスセンターの一日体験。健康体操のプログラムをご一緒させていただき、その後、利用者の皆さんとお話をしたり、運営しているNPO法人あいファームの理事長をはじめスタッフの方との意見交換をしました。

 いきがいデイサービスと言えば、議会でもたびたび話題として、そして改善が必要だと指摘されている高齢者への福祉サービス。今後ますます高齢化社会を迎え、高齢者が増える中で、高齢者の生きがいづくりのためにデイサービスが必要なのかどうか、もっと別の形で税金を有効に活用すべきではないかとの視点から、見直しの方向が示唆されているサービスの一つです。

 私はちょうど大学を卒業し、就職をしてから間もなく、何となく仕事に悶々としている時に出会ったのが「いかに引きこもりの高齢者を減らすのか」という市民の意見交換の場でした。高齢者社会参加拡大というテーマで協議会が行われていて、そこに参加したのがきっかけで地域活動にちょっぴり目覚めたと言ってもいいと思います。ちょうどその協議会で一緒にテーブルを囲んだ一人にあいファームの理事長さんがおられました。今日はちょっぴり原点の原点の原点に立ち戻った気分で、高齢者福祉の分野、それも議会でも話題になっている「いきがいデイサービス」のことをもう一度、自分の目で確かめてみたいとの思いから見学をしたのでした。


 実際の利用者のみなさんは、本当に喜んで通われています。特に今日のプログラムである健康体操は大人気のようで、私もストレッチなどしたのですが、かなりハードで息切れしましたし、体の衰えを実感したのでした。ストレッチやらないと、加齢とともに大変だ!とちょっと危機感を持ちましたが、そんな体操を週に1度でもやり続けているおかげで、病気知らずでいられると話をされている方が多かったのが印象的。かなりきついプログラムだと思うのですが、時にはスタッフの手助けも借りながらも、全身を動かす体操を約40分~50分くらい(途中の休憩は1回)こなすって凄いと思いました。「はじめは、こんなんじゃなかったのよ。」・・・・とにっこりほほ笑みながらお話を下さった方もおられますが、テンポのいいリズムに乗せて歩いたり、手を上下させたりなど・・・・私でもヒーヒーでした。


 利用者の方がここを居場所としている様子。ここがあるから、引きこもらないで活動できる、社会とつながっていられる・・・・そんな雰囲気を感じながら、いきがいデイサービスセンターの役割と存在意義を再考する時期に来ているのかもしれないと思っています。もちろん高齢者がどんどんと増えていく社会で、定員制で運営されているいきがいデイサービスセンターのあり方そのものの見直しが余儀なくされていることは確かです。けれども、だからと言って、すぐに無くせるようなものではなく、今日の場合には永山と諏訪の地域で10年間ほどの着実なる経験を積み重ねてきたNPOという事業体そのものの存在意義が同時に問われているような気もしました。ある意味で、NPO事業者と行政とのパートナーシップという点でも先駆的な取り組みです。NPOでの活動は介護保険制度の導入とともに一気に広がりを見せていった、介護保険の担い手としてのNPO活動、NPO事業として成長してきたとも言えるので。まさに老舗?!


 そもそも「いきがいデイサービスセンター」そのものの成り立ちの経緯も考え合わせつつ、今後最も最良な選択を進めていきたいわけですが、地域で展開されている他のいきがい活動(公民館、図書館、コミセンなどなど)とはまた違った役割があるような気もしています。まだ言葉にできないで、脳みそと心にいろいろと今日聞いてきた話や見てきた状況などさまざまな景色が散らばっているのですが、このまま「不要」としてしまってもいいのかどうか躊躇するなあと・・・そんな気分です。


 とても金食い虫のサービスのように見られているいきがいデイサービスセンターですが、実際の運営は実態として「ゆとりある」ものではありません。一人ひとりの人としっかりと向き合っていく、話に耳を傾けていく、健康状態や心の状態を見極めていくところへの労力は並大抵のもではありませんし。


 いろいろ考えさせられるなあ・・・・ということで、帰り道には、お隣の「若人塾」さんにもお邪魔をしました。若人塾さんとも実はちょっとしたご縁があるので。


 どこかに居場所がある、家の中ではなく、外の社会とつながっている・・・その必要性を今日はたっぷりと感じた一日でした。

投稿者 hisaka : 2010年10月21日

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