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2010年09月28日

議会・議員自身が身を削る=議会定数の削減・・・なのかどうか?!

 議会運営委員会(議運)でした。一番目の議題は市民から提出された陳情です。ある議運メンバーの言葉を借りるのであれば、「選挙前になるとこの手の内容の陳情が提出される。」「パフォーマンスとは言わないが、このような陳情を提出したことを材料にして、選挙の宣伝材料に使おうとする人もいる。」・・・ということになるのかもしれません。


 陳情は「多摩市市議会議員定数を2名削減することの陳情」で、「来年4月に行われる多摩市議会司会議員選挙において、議員定数を2名削減し、4年間で1億円の財源を作って下さい。」というもの。陳情者から発言があり、「税金で食べる人を少なくする」「議会改革として具体的に分かりやすく市民にその姿勢を示すことが必要。議員定数・議員報酬・多選自粛で三位一体だと考えていて、これを3点セットで議論をしてほしい。できれば今すぐではなく12月議会まで継続審査して、最終結論を出してもらいたい。」とのことでした。


 既にこれと同一内容の陳情はつい先だっての3月定例会でも議会では「不採択」になった問題で、その際も多くの議員は「議員の身分についても議論が必要、そしてそれと関連して議員や議会のあり方そのものを再確認することや、もっと市民に理解を得られるような議員、議会活動をしていく必要がある。」との認識を示したうえで、まだまだ定数削減についても報酬問題についても「期が熟していない」という結論が出されていたように思います。


 それから半年余りですが、ますますその状況は変わっていないようです。なぜなら、やっと議会基本条例が制定され、施行され、これから今までの積み重ねの上に、さらに今の時代に即して、新たなる展開で議会活動をしていこうとスタートラインにたったばかりだから。なので、ここで議員定数を減らすというのにはどうも慎重にならざるを得ないのです。これから地域主権と言われ、地域の議会(つまりは自治体議会=多摩市議会)の権能はおそらく質的にも変わってくるはずです。そのことからしても、議員総力、議会として総体の力をいかに向上させていくのかはまだまだ議論の余地があるでしょう。


 今日のところは、公明党だけが2名削減に賛成。他の市議会などの状況を見ても減らしているということを理由にしていました。でも、他市は他市。多摩市がどうするのかというのは多摩市民が決めることなので、やはり議会基本条例に基づいたプロセスを経ながら、市民と一緒に議会のあり方を考え、市民とともに議員定数や議員報酬について「一体全体何人くらいが必要なのか、報酬はどのくらいが適当であるのか」を議論していくべきでしょう。


 というわけで、陳情については現時点では「不採択」という結論を出しつつも、今後私たちの任期内までに「議員定数と議員報酬の問題」をきちんと議論していくことにはなりました。陳情が出たから議論をするというのではなく、実は、もともと議会基本条例を制定する過程でもこの問題は避けて通れないことだとの共通認識が何となくできていたように思っていて、議会がそれこそ主体的に考えていく、行動していかねばならないという覚悟を薄々していたのではないかと私は思っています。少なくとも私は、議員定数と報酬の問題をきちんと市民とともに議論していく心構えはありました(と言っても、次の改選でもう一度議席を得ることができたなら・・・という条件付きでしたが)。


 私としては議員自身が身を削るというのであれば、定数を削減する前に議員報酬の見直しも考えることができると思ってきたので、本日のもう一つの協議事項であった「次年度の議会費」の議論で共産党が議員の役職加算(ボーナス時に基本給が20%加算される仕組み)をなくしたらどうかとの提案には賛成でしたが、こちらは公明党と自民党会派の反対により一致しなかったので、従来通りに役職加算は継続されてしまいます。身を削るってどういうことなんだろう?役職加算を見直すことこそ先に取り組めることなのに・・・という気持ちは共産党、ゆいの会、生活者ネットワーク、そして民主党会派の主張です。私たち4つの会派(+自民党さんもですが)は議員定数削減には今は慎重になるべし!という考えです。


 もしかすると、報酬は減らしてでも、民主主義、もっときちんと民意を反映させるためにも議員を増やしてほしいという希望もあるかもしれませんし。実際にそのことを望む声だってあることも事実。スリム化は必要だと思いますが、間違った痩身術では将来的に骨粗鬆症になってしまうかもしれない?!人数を減らすことでより質の高い議論ができる議会になるかと言えば、「絶対そうだ!」なんて確約はありません。
 例えば・・・・定数を減らし、報酬を上げることにより、今以上に優秀な人材を確保しようという議論をする人もいますが、それにしても報酬を上げることで優秀な人材が議員になるかと言えば、それの確約もできません。


 今、市民は地方議会に何を求めているのか。定数削減、報酬削減のことについも、もっともっと市民と議論しようよ!する必要があるよ!・・・・その意欲をきちんと行動に移さないと市民は納得しないと思います。(今日、それぞれ会派の代表として発言をしたメンバーなどなど・・・責任は重大!)


 人数が少なければコンパクトで質が高くなるのか?!・・・・人数が多ければ、議論をまとめ上げていくことは大変ですが、やはり「・・・寄れば文殊の知恵」とはよく言い当てている表現だと私は思っています。そういう意味では同じ人たち、同じ顔触れで構成されている議会を良しとしないと考える議員は、多選禁止などと変に条例などで規制する前に自らの身の処し方を考えることも必要なのかもしれません(今日の陳情者は多選禁止を条例化すべきと主張されました)。でも、その一方で行政には継続性がある、そしてまた歴史の積み重ねがあるということを考えれば、多選議員の存在が「いぶし銀」のように輝き、重要だと思える瞬間もなきにしもあらず・・・ということは考えておくべきです。要するに多選だから全く駄目かと言えば、そういうわけでもない・・・・結局は市民がその議員が必要かどうかを決める・・・・これが行きつくところの最終結論であることは今も昔も変わらないはずです。

 先にも書きましたが、私たちの任期の間には一定の到達点を見つけていこうとのことになりました。ですのでそこに向けてどのくらい活動できるのかが課題。試されていると感じます。

 議員定数の削減、議員報酬の削減・・・議会のあり方を含め、ぜひご意見をいただきたいです。

投稿者 hisaka : 2010年09月28日

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