2010年08月15日
【今週の1枚】93歳のハーモニカ
私とちょうど60歳違いの祖父の写真です。時々・・・断片的な記憶がつながり、家族の名前を思い出せます。自分の名前はかろうじてよーくよく考えてから答えます。自転車店を営んでいて、途中からは田舎町のガソリンスタンド屋さんでした。今ではかつての面影もなく。真っ黒でごつごつしていて、爪はいつも真っ黒だったのに、今では真っ白。
ハーモニカでのお得意は・・・「靴が鳴る」「夕焼け小焼け」です。ちゃんと和音も奏でることができ、伴奏つきでの演奏です。祖父の子ども自分の懐かしい唱歌のフレーズをちょろっと聞かせると、スラスラと記憶の断片がつながり、たちまち演奏ができてしまうという才能。「でんでんむしむし」と言えばちゃんとそのメロディを最後まで奏でてくれるのです。おじいちゃんの生命力を感じさせられる一面なんだとか。毎日、老健施設で車いすの生活です。自力歩行も困難ですし、もちろん排泄についてもお手洗いで・・・という感覚も忘れてしまっている祖父です。でも、ハーモニカだけは忘れていないのです。
ところで、ハーモニカを吹いていても気になるのがツバメなんだそうです。ツバメが空高く飛んでいる姿を指差す毎日だとか。おじいちゃんは昔々の丸善石油の販売店だったのです。丸善石油と言えばツバメマーク♪私もおじいちゃんのお家のツバメマークが懐かしいです。その後、コスモ石油に変わり、看板などが全て塗り替えられた時にはショックだった記憶があります。
この写真・・・何だか目頭が熱くなる1枚です。随分と涙もろくなったものです。
投稿者 hisaka : 2010年08月15日
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