« 【今週の1枚】うちのベランダ。 | メイン | 動物愛護 »

2010年07月20日

市民はどうやって事業仕分けに参加できるの?

 3連休明けです。でも、休みらしい休みとは言えない休日でした。3日間とも何だか毎日こまごまと用事が立て続けにありました。

 土曜日は藤沢市まで足を運んできました。市民が参画するという事業仕分けをぜひ見たいと思ったからです。会派のメンバーにも声をかけ、無理やり日程を合わせてもらった感じかもしれません。何と言っても阿部市政の目玉事業?!6月補正予算で示された中で、新市長の政策として予算化された項目だからです。たまプレさんの情報にも掲載されています。


 事業仕分けと言えば、「一番じゃなきゃ、ダメですか?」という名ゼリフにより、一躍・・流行語にもなりましたが、自治体における事業仕分けもイメージとしてはあのような格好です。事業仕分け人がいて、職員が質疑に対して、説明をするということになります。


 実は、私は事業仕分けそのものに関心があったわけではありません。事業仕分けは前にも見たことがあり、知っていたからです。今回の藤沢市は何と言っても・・・興味関心をひくのが「市民評価委員」なるものの存在。一体、市民評価委員とはどうやって事業仕分けに関わるんだろう?どんな風に議論に参加するのだろう?つまりは、市民評価委員の役回りを知りたかったのです。多摩市でも活かせるかもしれない!と思ったので。


 ということで、実際に市民評価委員に参加された方がすでにご自身のブログに感想を綴っておられます。ここにもレポートしてあるように、

市民評価員の役割についてですが、仕分けの判定を行うのは仕分け人であり、市民評価員には判定を行う権利はありません。ただ、議論の内容についての意見の表明が各自1分ほどの持ち時間にて可能です。残念ながら、それ以上の主張を行う事はできませんが、仕分け人が指摘しなかった事について述べたり、疑問を投げかけるような事は可能です。
というように、市民評価委員は各事業に対する仕分の議論の様子(質疑応答)を聞いていて、最後にそこに感想を一言述べて終わる・・・というようなものだったようです。


 もともとそういう趣旨で市民評価委員を設置したものかどうかは改めて尋ねてみなければわかりませんが、事業仕分け人は市民評価委員の意見を参考にして最終評価や評定を出していたとも思えず、結局のところ、市民評価委員は傍聴者の一人として感想を述べただけにとどまっていたような気がします。それに、各事業・・・各々に精通していないがために「議論があまりよくわからなかったのですが」とか「勉強不足なので」という枕詞も時折聞かれることもありました。単に感想を述べるだけでよければ、わざわざ市民評価委員と銘打ったかたちでなくてもよかった気もしましたが・・・まあそういうわけでもないかもしれません。


 なぜなら、傍聴者と言っても一般市民はほとんど少ないわけなので、その点からすると事業仕分けを市民の目にさらすということでは一定の役割を果たせたのかもしれません。傍聴者は各事業に関係する職員やら他自治体議会その他からの来訪者(私たちのように)などだったとお見受けしました。もちろん藤沢の市議さんたちもおられたでしょうね。


 さて、私がこれぞ市民評価委員の率直な感想だ!・・と思ったのは・・・・ある方から次のような発言が。「こんなこと、議会がちゃんとチェックしてくれたらいいのに、議員は一体何をやっとるんじゃ!」という趣旨でものすごく憤っておられるのです。「議員が駄目すぎる」「議会はいらない。」「議会を仕分けてほしい!」と言わんばかり。


 それについては私も理解しました・・・なぜなら、これはかなりの手前味噌かもしれませんが、例えば・・・多摩市の決算特別委員会の場合の質疑応答のやり取り・・・・まさにそれと同質同等の質疑応答が‘事業仕分け’として行われていることだったからです。
 要するに、議会でも同じようなことをやろうと思えば、十分にできるわけで、あえて事業仕分けと大々的にやる必要もなく、議会で運営の工夫をすれば、わざわざ民間シンクタンクの力を借りずとも事業仕分けなんてできてしまう気がします。多摩市議会の議員さんの質疑というのは、かなり事業仕分け人たちの質疑と似通っていました・・・・と感じたのは私だけではなく、一緒に行った会派のメンバーも同じような感想をお持ちでした。

 で、多摩市の事業仕分けですが、市民が事業仕分けに直接関わるというのは、市民参画の視点からも先進的とも言えるかもしれません。ただ、その際気をつけるべきこともあるような気がします。やっぱり、市民もオールマイティではありませんし、関心の度合いというものがあるはずです。事業仕分けと言っても、それぞれの事業がよくわからないともなれば、意見を言おうにも言えないし・・・・。なので、事業仕分け人に市民が参加をするということは無責任にはなれないわけですし、事前にそれ相当のレクチャーが必要になるということだと感じました。


 単に事業仕分けの様子を見ていて、そこに感想を述べるだけの藤沢方式であればいいわけですが、それでは傍聴席に足を運んでいる市民にアンケートで感想をもらうのと何ら大差ないような気もし、やはり市民評価委員というものの存在をいかに位置づけ、そしてどう活用したいのか・・・ということを行政としてのある程度の方針は持つ必要がありそうです。でなければ、参加はしてみたものの・・・みたいになりそう。


 もちろん、参加の窓口を広げる・・・とか参加意識を覚醒させることにつなげるため・・・ということであればいいわけですが、市民が参画した事業仕分け・・・・とさらに踏み込んで市民意見を活用しようと思うならばなおさらのこと。どんな風な仕込みを考えているのか興味深いです。担当者にヒアリングをしなくては。たまプレ情報から推測してもわかることは、多摩市の場合には藤沢市の市民評価委員を超える市民参画を用いようとしているようなので。


 私は市民参加による事業仕分けもありながら、やっぱり、議会としてもっと決算特別委員会の運営方法など工夫すればいいような気が。議会開催スケジュールとの兼ね合いもあるとしたら、大幅な改革が必要かもしれませんが、9月定例会の時には一般質問を取りやめて、決算審査だけに集中するとか・・・・そうすれば一人発言時間30分の制限にももう少し余裕も出てきますし、今までの事業仕分け風質疑応答がさらに突っ込んだレベルにまで進化、深化できることも期待できますし。行政がやらずとも、議会が市民参画を上手に取り入れながら、事業仕分け→事業評価とつなげていけばいいなあと。


 いずれにせよ、阿部市長は市民による事業仕分けで出た結果はもちろんのこと、議会が行う事業評価の結果に対しても何らかのアクションを起こすことが必要にもなるわけで、そのあたり・・・どんな工程を考えているのだろう?というのもいまいち見えないところ。ここも含めて、やっぱり早速にでもヒアリングに行かなくちゃ。

投稿者 hisaka : 2010年07月20日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/2307