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2010年01月26日

どうせなら議員どうしで議論したい。

 今日は子ども教育常任委員会でした。継続審査になっている陳情の審査とあとは行政から各種の報告事項を受け、その後、委員会メンバー以外の議員さんも加わり、青陵中学校の校舎見学をしました。青陵中学校は統廃合したのち、現在は旧豊ヶ丘中学校の校舎をしようしていますが、いよいよ貝取中学校の増改築が終わり、新校舎への移転も目前です。増改築にかかった費用は約8億円なんだとか。今後、統廃合していく学校についても同じだけの費用はかけられないという話を伺いました。立派な施設になっていて、視察した議員さんからは「学校格差をますます感じるねえ」などとの感想が漏れていました。確かに、私の住んでいる地域の諏訪中学校などと比べれば・・・・・・それはそれは立派。たぶん、もともとの建物自体も諏訪中学校よりも新しいはず。・・・・「校舎がいくら立派でも、勉強ができるわけではないからねえ。」とおっしゃる議員さんもおられましたが、「やっぱり環境って大事よ!」という意見も。

 最低限の安全な施設は必要ですが、豪華絢爛立派だからっていいわけではありませんよね。都内23区内の新しい学校に行けば、それこそもっとお金をかけているところもあり、びっくりするものもありますが・・・・・。環境も重要ですが、子どもたちの力を伸ばすことのできる教職員の存在こそより重要。人間環境のレベルアップこそ必要で、そっちに力を入れていきたいものです。


 施設を新しくしたり、または新たな施設を設置したりと・・・・・必要なものへの対応を否定することはしませんが、年間最低限の維持管理経費が今まで以上にかかるというのであれば本末転倒な話だとは感じます。そこを考えた施設づくりが行われているとは思いますが、調度品や家具とか・・・・一瞬見ただけですが、壊したりしたとき・・・メンテナンス費用かかりそうな気もしました。

 さて、陳情について。内容は唐木田図書館の業務について民間委託に反対、学校給食センターの調理業務の民間委託に反対、再考を求める・・・という内容の陳情です。結果的にはすべての陳情はまた継続になり、結論は3月議会まで持ちこされることとなりました。
 民主党TAMAとしては民間委託化について何が何でも反対!という立場ではありません。「行政がやれば何でも安全で何でも安心」という考え方そのものが神話じみていますし、「何でも行政でやる時代」ではないと考えているからです。

 それにしても、民間に任せた方がよりよいサービスの提供につながるという説明って不思議です。「なぜ、今までやってきたものをそのまま直営でやり続けたらいいサービス提供ができない!」って判断するのでしょうか。そこが十分に説明しきらない行政にも問題があるような気がします。給食センターについても民間に任せた方がメニューの工夫ができるというのですが、なぜ今はメニューの工夫ができないの?って思います。
 民間委託に反対されている陳情者の方から提出されている資料によれば、「食器」の問題があるらしいのですが。コンテナにつみこむことのできる収容可能食器数に限りがあるので今以上の工夫も改善もできないというのが現場の意見らしいです。陳情者の立場からすれば、今以上の工夫も改善もできない実態なのに、「民間に任せたらメニューの工夫ができる」とする説明は間違っているというのが指摘。


 どっちにしても、ちゃんと説明してもらいたいものです。コンテナに積み込むことのできる収容可能食器数が献立の工夫や改善とどう関わっているのかがわからない。


 

 図書館については、新たに1館増やすということで・・・・図書館の職員内で積み上げてきた議論をもとに唐木田図書館の業務の民間委託化を方針に打ち出してきた経過があります。多摩市の図書館は全国にも稀な運営方法で、「6館一体運営」という手法です。ですので、唐木田図書館についても民間委託するからと言って、「離れ小島」にして、切り離せるものではなく、これまでの運営手法に則ったかたちで、新たに民間事業者とのパートナーシップでよりよいサービス展開を目指したいというのが説明です。
 図書館については人員配置の在り方その他諸々の事情を考えると、内部検討で打ち出されてきた方針に頷けないものではありません。ただ、それについても反対の声は小さくはありません。そういう意味では「なぜ、反対なのか。」逆にいえば、「直営でやり続けなければいけない」と考えている立場の方が、説得力を持ってその理由を説明してもらいたいと思うのです。
 公務員削減、全体的な方向性として、人を増やさないというなかで、市民要望を何でもかんでも吸収してきた結果、今回の唐木田図書館の開館につながっています。「そういう計画だったので」。ということで開館するのだと思いますが、本当は「そういう計画」こそ見直す勇気を持つべきなのだと思っています。サービスを増やしても必要な公務員の確保ができないことは目に見えているわけで、そうであるなら、どうすればいいのか?・・・これこそが今、突き付けられている問題でもあると考えています。


 直営を堅持するために、正規の職員ではなくて嘱託職員や臨時職員の雇用で何とか対応していけないものか・・・・という意見もありますが、それにしたって「官製ワーキングプア」なんてことも指摘されている問題です。正規職員の給与水準については何も触れないで、議論を進めようとしても難しくなっていると感じています。

 そういう問題も含めて、行政にどうこう質疑をして問い詰めるのではなくて、私たち議会側で議論を引き取って、意見交換していくことが必要な気がします。賛成反対で立場を鮮明にすることも大事なことで必要なことかもしれませんが、「討議する議会」を目指すのであれば、今回の陳情をめぐっては議員どうしてちゃんと意見交換をしておきたいです。そのために「継続」になった(とすれば)のは望ましいことと思います。
 

投稿者 hisaka : 2010年01月26日

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