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2010年01月21日

請願は請願で陳情は陳情

 午前中に議会基本条例素案について総務部の文書法制担当者からヒアリング。内容的なチェックをしてもらったのですが、とにかく強烈に変更を強調されたのが「陳情と請願」のこと。

 陳情とか請願という呼称については「お上に人民が請い願う」ということで、明治時代以来の古びた発想の名残であり、「住民主権」という言葉に相反するというのはかねてから批判されている点。今回の条例素案の中でも、「陳情や請願」という悪しき言い回しを変更していくべきとの意見を強調される方も多かったのです。
 私もその意見には同調しますが、しかし、陳情や請願というのは地方自治法に規定もされているものなので、そこは「法令用語」として単なる「記号」と思って使用したほうがわかりやすいのかなと思っていました。しかし、議論を進めていく中では、どうしても陳情や請願を使いたくない、その物言いが市民を見下しているものである・・・・というわけで、苦肉の策としてひねり出したのが「陳情及び請願を市民政策提案等として位置づける」ということでした。


 ところが、今日の意見交換では、この部分が大いに問題となり、文書法制担当者によれば「位置づける」という行為が行政処分に当たるので、変更をするべきだというのでした。私たち議会側としては市民が提出した請願や陳情を「市民政策提案」として一旦は受け止める・・・でもそこからその提案が具現化できるかどうかを審査・審議する行程は今とは全く変わらない・・・・と説明をしたのですが、そこは行政は頑な。


 「変更をしていただかなければ困ります!」


 と断固断固断固の姿勢。行政処分に当たるかもしれないということで、その処分に対し住民が不満を持った場合には訴訟にまで発展する場合があるというのがご懸念らしかったのです。

 栗山町の議会基本条例では「議会は、請願及び陳情を町民による政策提案と位置づけるとともに、その審議においては、これら提案者の意見を聴く機会を設けなければならない。」となっているんだけどなあ・・・・というのはつぶやきですが、行政側の大いなる抵抗・・・・ではなくて親切な(?)ご助言をいただいたということで、最終的には「請願及び陳情を市民政策提案等として理解し」と変更することになりました。


 「うん・・・。」・・・・・それで、良し・・・・・と首を縦に振ってもらいました。その頷きぶり・・・・・ご満悦だったのかどうかはわかりませんが、「ここくらいは変更してほしい」という点・・・・いや、むしろ「変更させなければ!!!」だったのではないかと思うのでした。これぞまさしく「官の抵抗?」なんてちょっぴり思った私でした。

 まあ・・・でも、「請願は請願」「陳情は陳情」・・・・あえてそれを呼び変えたりすることで混乱するのであればそこは回避したいところ。まあ、私たち議員側は行政が考えているよりももっと軽く甘くて「単に言い換え」、それが行政処分に当たるほど深刻な問題だとはいとも思わなかったというのが事実。私たち議会にとっては上から目線で住民に物言うような欽定憲法の名残を捨て去るという宣言なんだけどなあ。

投稿者 hisaka : 2010年01月21日

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