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2010年01月12日

給食センターへの視察

 子ども教育常任委員会で給食センターを訪問し、調理作業の見学、現場で仕事をしている調理員さんからのヒアリング(と言っても30分くらい)、今日の給食の試食をしました。

 給食メニューは菜飯、ゆば入スープ、筑前煮、栗きんとんに牛乳・・・新学期明けて、初めての給食ということでお正月献立になっていたようです。一緒にいただいた委員会メンバーは皆・・・「おいしい!」と感想を述べていましたが、私としては自分に合わせれば味が濃いと思いましたが「おいしい」とは思いました。それにしても毎日もれなく牛乳というのはいただけないことです。献立は摂取カロリーにより調製されているようで、牛乳は手軽なカロリー調整機能を果たしているのかもしれませんが、今日のメニューには絶対にあいません。

 さて、調理作業の見学は午前10時半過ぎから30分くらい。ちょうど野菜その他「下処理」と呼ばれる行程(素材を洗ったり、切ったりなどの下準備)を終えて、既に本日メニューの筑前煮は各学校各クラスの食管に分けられているところでもありました。大きな窯はボイラーを焚いて、蒸気の強弱によって温度を調節して、煮炊き、炒めるなどが行われていました。揚げ物のラインも稼働しているようでしたが、そちらの様子は見学デッキからはよく見えずに残念。揚げ物のところではピンク色のエプロンを着用している職員が作業をしていました(その他は白エプロン)。ピンクエプロンは生ものを扱っている人という区別があるそう。
 ちなみに調理作業というのは毎日毎朝のミーティングにより、献立のメニューごとに班編成されいます。男性調理員中心にしながら、女性調理員がヘルプに入るという感じです。それもその通り、かなりの重労働なので男性でなければ辛そう・・・・何と言ったって例えば一気に1000人分の筑前煮を作るということで、混ぜたりするのは大変そう!はっきりいって男性がいなければ成り立たない現場。


 議員全員が調理業務を見学し終えた後で・・・・調理員の方(正規職員)との意見交換。ぜひ、現場の方とのやりとりもできたら・・・ということでセンター長が場を設定してくださいました。休憩前の短い時間でしたが、議員側からの質問・・・調理員さんたちの回答ということで数件のやり取り。調理員さん側から「この話し合いは民間委託を前提としているものなんですか?」という問いがありましたが、もちろんそれについては「そういうわけではなくて現場の実態を掴むというのが今日の目的。」と委員長が回答・・・・しかし、おそらくこんなかたちで議員が給食センターを訪問するなんてことも初めてだったと思うので緊張感漂うなかでの意見交換は対決風でもありました・・・・。

 調理員さんからは「退職不補充で正規職員が減っているので一人が二人分三人分と仕事をしなければいけないから大変」「特に食器が強化磁器食器に変わってから(重くなり)、さらなる重労働になり体に不具合を抱えている人が多い(職員の加齢にも伴っている)」「衛生面とかについて民間業者に任せると心配」「民間業者に任せた場合には作業員の入れ替わりが激しいとも聞いている」「民間業者は利益追求なので、現在やっている丁寧な衛生管理などができない可能性もある」などという意見が出されました。

 私としては①現在の作業において正規職員の方とそうではない方での役割分担や作業に違いがあるのか、②市民感覚に照らしていえば調理作業を高給な公務員が行っていることに批判があると思うが、その批判に対して現場としてはどう説明し、答えることができますか

 という2点をまずは伺いました。①については仕事の違いはほぼないとの回答があり、しかし、調理作業については正規以外の職員は女性なのでどうしても重労働を担うのは男性にならざるを得ないし、女性は補助的な仕事になってしまうという説明でした。下処理などについてはほぼ同じように作業を進めているとか。②については「公務員ならでは」という部分で何か回答があるかなと思ったのですが、「衛生管理などでは公務員だから徹底できる」というニュアンスの回答でした。

 「いい食材を選んで、いい給食を提供したい!」・・・現在は早朝の検品(野菜その他の納品チェック)にも調理員3名が参加をしており、その際、悪い素材は返品もしているとのこと。目視チェックにも経験が必要だとの話もありました。仮にも民間業者に委託された場合にはこの検品作業が甘くなるのではないかという危惧も述べられていました(・・・・・でも、食材の購入に関しては絶対に行政で責任を持つというのが原稿の説明なんだけど)。

 給食センターの調理業務の民間委託は偽装請負にあたるという指摘もある中で、そのことを声高に主張されている方からは「現場のチームワーク」(栄養士と調理員)の大切さを確認する質問もありました。


 でも、あまりの短時間で十分なる意見交換までにはいかなかったのですが、何となく現場の雰囲気は理解できたような気がします。民間への調理業務の委託に関しては戦々恐々としているような感じでした。

 意見交換が終わって立ち上がった時、私のそばに座っておられた調理員さんに「みんなとにかく安全で安心な給食、おいしい給食をつくりたい!と思ってみんなで頑張っています。ぜひ、そこを理解していただけたらうれしいです!」と声をかけていただきました。もちろん、私もそのことは感じました。調理員の方のみならず、私たち議員もみな同じ思いでこれからも子どもたちの学校給食を継続していきたいと思っています。その思いはきっと同じ。

 委員会としては給食を試食したのちは解散したので、その後の意見交換は十分にできませんでしたが、今回の視察を経て、私たち議会がこれからどう考えているのかが問われている。次回26日に開催される委員会で議論される予定です。


 ぜひ、給食センターの一部業務委託化(調理作業・洗浄作業・配送)に関し、ご意見のある方はお寄せください!

投稿者 hisaka : 2010年01月12日

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