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2009年12月15日

12月定例会 子ども教育常任委員会

 今日は唐木田図書館の運営手法をめぐって、そしてまた給食センターの運営手法をめぐって・・・・議論が展開されました(議論が深まったかどうかは別)。

 図書館については直営を基本とし、業務を一部民間委託をするという方向性。新たに開館する唐木田図書館の業務を民間事業者に任せたいとするのが方針です。給食センターについてはまずは現在2つあるセンターのうちの片方について調理業務(正確には調理・配送・洗浄)を民間委託化するという方針。

 どちらも教育委員会が手がける事業についての見直し。これに関して「再考してほしい」「方針撤回してほしい」という市民の方からの陳情がそれぞれ提出されています。


 結論は両方ともに「継続」となりました。慎重審査をしていく必要があり、審査、議論を深めるため・・・・ということです。現実的にどう対応するべきなのか、ここを議会としてしっかりと見ていく必要があると思います。「民間委託ありき」の議論で進めていくべきではないと思いますが、「民間委託まかりならん」という議論で進めていくべきことでもありません。行政が直営で事業展開し続けるにせよ、民間に委託する場合にせよ、いずれの場合にもメリットがありデメリットがあるはずです。まずはそこをきちんと明らかにしたうえで、民間に委託した場合に想定されるデメリットが本当に克服できないものなのかを見ていくことが必要です。今日の委員会では「民間委託は認められない。」とする頑なな態度で意見を述べられる方もおられましたが、それではどうしても思考停止してしまう。これから本当にどうしていったらいいのかを「委員会としてももう少し考えましょう・・・」と提起しました。


 図書館のことについては新たな図書館を開館するものの人員増はほとんど臨めずに対応するとしたら・・・当然ながら現在行っている図書館運営にも多かれ少なかれ支障が出ることは確か。貸出業務に追われてしまい、本来すべき公共図書館としての業務が停滞している・・・という現状もあります。なおかつ将来構想には「中央図書館(もしくは中央図書館機能)建設」という目標も掲げられており(これは見直しが行われるとのことだが)・・・・仮にも中央図書館をつくるなんてことになれば、最低40名の人手がさらに必要になるということのよう。
 そんな中で図書館施策の推進に大きく貢献されてきた議員さんもおられるわけで、その方のお持ちになっている私よりもはるかに多くの図書館情報や見識においては・・・・これからも多摩市の図書館施策どうしたらいいと思うのかをぜひとも聞いてみたい。
 直営を堅持して現在の6つの図書館+唐木田図書館に中央図書館も含めて市民の知的好奇心に対応し、市民文化を育てる拠点でもある図書館を展開していくためにはどんな工夫ができるのか。もし、そこに現在示されている以上に提案、対案が出てくるのであればぜひ知りたいし、私も「公共図書館は直営で」という考えを主張し続けることにも自信を深められる!


 そして給食センター。給食については食材費の部分はだいたいが1食約250円。食材費は保護者からいただいている給食費が充当されているので、税金で負担をしているのは給食センターの建物の維持管理コストとそこで仕事をしている職員さんの人件費ということになります。やはり人件費の高さは市民の理解を得にくいところでもあり、どうしていくのかを考えていかねばなりません。民間で調理業務に従事されている方の給与と比べてみることは必要でしょう。そのうえで議論していかねばなりません。人件費削減のために民間委託をするのはおかしい。そうすることによって給食の内容も質的に低下をするという指摘もあります。保護者の方からの心配の声もあります。もちろん私も「食」は大事ですので、特に食材選びは重要で行政が責任を持つことが必要だと思います。でも、だから「民間委託反対」と即主張できないのは人件費問題。そこで、人件費については給食センター業務に携わる全職員の一年間の給料一覧を要請しました。人件費総額ではわからない、一人ひとりの職員がどれだけの年間給与を得ているのかを把握することで、もう一度どう考えていくのか、委員会で議論をしていきたいと思うからです。
 給食センターの現場の調理員からも「責任を持つためにも民間委託には不安材料がたくさんある」という意見もあります。現場にいるからこそ不安材料を解消する提案ができないのだろうか?多摩市で進む少子化を視野に入れ、今後の財政状況も考えあわせ、市役所全体の業務をどのように維持していくのかを大きな視点でも捉えていく必要がある・・・市民に理解を得られるかたちを創りだしてことが何よりも必要です。民間の調理業務従事者よりもおそらく高い給与を得ている給食センター調理員の実体があるとしたら、その給与の高い分でどんなクリエイトなことをしているのかが問われるのは当然のことです。「公務員がやっているから安心」という誤謬神話も一度おさめたうえで、改めて議論をしていかねば。
 

 市民の選択。理解と納得。陳情を出された方とも一緒に考えていきたい問題です。考えるためには材料が必要。みんな多摩市のことを思う気持ち、自分の住んでいる街を良くしたいというのは共通しているので。

投稿者 hisaka : 2009年12月15日

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