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2009年12月02日

12月定例会 一般質問2日目

 昨日に引き続きの一般質問。そう言えば、昨日の午前中と今日の午前中は「新人研修」と称して、傍聴席で紺色とピンク色のブレザーを着用したNewFACEさんたちがじーっとしているのですね。公務員を目指して試験勉強はしているかもしれませんが、仮に採用されたとしても入庁前に市議会の傍聴なんてするわけないですよね・・・きっと。市議会の場をNewFACEさんたちはどんな感想と印象を持ったのでしょうか?聞いてみたいものです。


◆高齢者の権利擁護

 今日は高齢者の権利擁護のために「成年後見センターの設置を!」という市長に近距離の立ち位置からの力強い発言・・・さすがに市長自ら「高齢社会に向けての課題として検討します。」と答弁。調布にある多摩南部成年後見センターに社会福祉協議会に立ちあがった権利擁護センターは・・・って思ったけれど、結局のところは後見人についていわゆる社会貢献型後見人(昔のブログを辿ってみたら、リンク切れになっていましたので社会貢献型後見人のことについてはこちらをご覧ください。)を増やすために市が積極的に取り組んでほしい、そうすべきという主張でした。
 潜在的ニーズはあるのかもしれませんが、実際に成年後見制度そのものを知っている人もまだまだ多くはないでしょうし、だから利用者についても伸び悩んでいるというのが実態ではないかと感じています。超高齢化社会になるからニーズは増加するだろうと見込まれていますが、実はこの制度は手続きなど利用のしにくさがあるとも指摘をされていて、そこを乗り越えなければ飛躍的な活用を期待できないような気もします。


◆鳩山首相を先取り!

 ところで、今日の名答弁?!と言えば・・・・政権交代への評価を尋ねる問いかけに対し、鳩山首相の所信表明演説から言葉だけを拾い出しながら?友愛政治とか、新しい公共とか・・・・・市長はこの所信表明演説の内容を先取りする形で市政運営をしてきたときっぱり答弁。だからますます自信を持ったと自信たっぷりに述べられてました。

 ちなみに・・・鳩山首相の所信表明演説の「新しい公共」については次のとおり。 

働くこと、生活の糧を得ることは容易なことではありません。しかし、同時に、働くことによって人を支え、人の役に立つことは、人間にとって大きな喜びとなります。

 私が目指したいのは、人と人が支え合い、役に立ち合う「新しい公共」の概念です。「新しい公共」とは、人を支えるという役割を、「官」と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、街づくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々一人ひとりにも参加していただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観です。

 国民生活の現場において、実は政治の役割は、それほど大きくないのかもしれません。政治ができることは、市民の皆さんやNPOが活発な活動を始めたときに、それを邪魔するような余分な規制、役所の仕事と予算を増やすためだけの規制を取り払うことだけかもしれません。しかし、そうやって市民やNPOの活動を側面から支援していくことこそが、21世紀の政治の役割だと私は考えています。

 新たな国づくりは、決して誰かに与えられるものではありません。政治や行政が予算を増やしさえすれば、すべての問題が解決するというものでもありません。国民一人ひとりが「自立と共生」の理念を育み発展させてこそ、社会の「きずな」を再生し、人と人との信頼関係を取り戻すことができるのです。

 私は、国、地方、そして国民が一体となり、すべての人々が互いの存在をかけがえのないものだと感じあえる日本を実現するために、また、一人ひとりが「居場所と出番」を見いだすことのできる「支え合って生きていく日本」を実現するために、その先頭に立って、全力で取り組んでまいります。

先取り・・・市長はご自身に先見性があることをまさに高らかに宣言されたのですね。きっと。(っていうか、「市長の答弁書は一体どなたが作成したものだろう?」って思ったけれど。)


◆子どもたちの「食」その①


 学校給食センターの調理業務の民間委託化問題。これについては市長選の公約に掲げるに値する問題だと主張する議員に対し、教育部長が答弁。まあ、そもそも渡辺市長が再選を目指すのかどうか明言を避けている時点で問うたとしても・・・ねぇ・・・・ということかもしれませんが、教育部長が答弁するというのもの何だか不適切。


 いずれにせよ、市長の決断一つで民間委託化方針を凍結し、現行体制を存続することも可能。


 子どもたちの食が乱れている時代だからこそ、「食育」に果たす学校給食の役割に重要性があることもわかるのですが、民間委託化の話が浮上してから・・・・「今の学校給食センターの給食がおいしくて安全で安心」と急に強調され始めたような気がするのは私だけ?


 私は学校給食センターの給食を「おいしい」と食べている子どもたちにとても申し訳なく感じている市民で大人の一人。正直、多摩市の学校をいただいていた約2年弱は給食の時間ほど苦痛なものはなかったかも。低温殺菌牛乳に親しみ飲みなれていた私にとってはビン牛乳も苦手の一品で生温かくなっている夏の牛乳はさらにNGだった記憶があるのですね。本当は学校給食センター方式そのものを根本から問い直すような議論もしてみたいですが、そこはもう今更ながらで覆していくことは難しいのが事実。


 でも、できる限りおいしい。できる限りで安全で安心を確保するというのは当たり前のこと。そのために何をするのか、何ができるのか、具体的に示さすことが重要。それを示さずして、「民間でもできるから民間へ」ということで合意を得ることはできないでしょうね。


 理想に照らすと納得しがたい・・・・でも、現状踏まえて「理解する」という風にしていかねばならないでしょうから。


◆子どもたちの「食」その②


 子どもたちの「食」の問題から見えてくる養育環境問題を指摘する意見があり、その答弁でも朝食を食べてこない、食べさせてもらえない子どもたちの存在が明らかになりました。


 これ・・・育児放棄・・・児童虐待の問題ですね。


 朝食を食べてくる子どもたちを100%に近づける・・・なんて目標が食育基本計画にも掲げられているし、同じく・・・パブリックコメントが終了した教育振興プランにおいても同じことが目標になっているみたい。


 結局はそのために何をするのか?が問われているわけで、これってどこの仕事?誰の仕事?まさか朝食100%にするために・・・・朝食まで行政が学校で提供するなんてことはありえないですね!日本では!!!外国ではありえるみたいですが・・・・。

 ここに見えてくるキーワードが「教育福祉」。これ「福祉教育」ではないので要注意。全く違う意味と内容を持つ言葉です。


 私は「教育福祉」という部門がいよいよ教育委員会内部にも必要になってきたと感じています。教育委員会単独では解決できない問題をきちんと福祉部門(多摩市の場合は子ども青少年部も)と連携していく窓口的役割を果たすイメージです。特別支援教育という枠組みの中で発達支援室を設置し、教育・医療・福祉の連携を進めていこうとしていますが、それでも何か不十分で物足りなさを感じるのは教育委員会に「教育福祉」に対する考え方があるようで確立していないからだと思っています。視点をしっかりと定めていく・・・そんな議論をしてくれるのがまさに5人の教育委員さんだと思っているのですが・・・。


 明日は朝一番から「市長の進退問題について」とストレートな質問項目が待ち受けています。さてどんな答弁が戻ってくるのでしょう?みなが注目をしているのかもしれません。こればかりは部下が答弁書を準備することはできないでしょう。

投稿者 hisaka : 2009年12月02日

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