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2009年10月19日

「尤もらしい答えを出す」

 午前中に「学校の一定規模・適正配置」の審議会を傍聴しました。夜間の会議だと傍聴できないので日中に開催だとラッキーです。

 今回は愛宕地域の2つの小学校の統合が議論になっているのですが、統合しても「一定規模」にならないというのが一つ大きな問題点になっています。つまり、教育委員会ではこれまで「一定規模」と「適正配置」という両方ともに成立することを要件に進めてきたわけですし、特に「一定規模」の確保というのがよりよい教育のためには必要との立場を主張してきたわけです。「小規模な学校もそれなりの良さがある」という意見は「一定規模の確保」という至上命令?・・・号令のもとですっかりと一蹴されてきたのも事実で、‘それなりの良さ’を大事にしながら学校にかかわってきた保護者や市民、もちろん子どもたちの気持ちを思えば、苦渋の判断をせざるを得ない場面を潜り抜けながら、これまでの統廃合が達成されてきたと考えます。


 今回は多摩市のよりよい教育活動に必要な「一定規模」危うし?!・・・統合しても「一定規模」にならないことが明白で、そこに難問難題があるのです。


 次々と統廃合に着手する前に「一定規模云々・・某」という方針そのものを見直すべき、見直す必要があると主張してきた私にとっては・・・・何をいまさら難問解決?!という感じ。そんなことはとうの昔、最初からわかっていたことなのに・・・・と思います。


 教育委員会としては東西の愛宕地域の2小学校の統合でだけでは適正規模にならないので隣接している第二小学校学区域も何とか見直しをして再編成しようとしているのですが・・・・ここは何とも微妙・・・・第二小学校は今年度から竜ヶ峰小学校を統合したばかり・・・・新体制でスタートしたばかりともいえます。その地域をまたもや該当地域にしようとしても、そう簡単にいくものではありません。それに、多摩市域の中でもニュータウンとは異なり歴史の古いいわゆる既存区域と呼ばれる地域なのでそれなりの複雑な事情も加味合わさってきます。
 本当は傍聴した審議会にも該当地域と目されている第二小学校保護者代表の「席」も用意されているのですが、過去からの経緯と今般の新体制スタートに至るまでの諸経過も含め、第二小学校側は審議会に代表を送り出すことをペンディングさせている状態なのです。
 私はペンディングしている状況を解消できないままに審議会を進めることに問題があるのではないかと指摘し、「空席」にしたままの状況で第二小学校学区域の見直しにまで話が及ぶとすれば問題がさらに大きくなるとしてきました。しかし、「待ったなし統廃合」(その裏には待ったなし!行財政改革・・・って感じですが)は止まること知らず。
 結局のところ「空席」のまま審議会がスタートして今日まで至っているのです。


 そんな中、「なぜ、第二小学校の保護者代表は参加を見合わせているのか」という当事者からの意見をヒアリングしようとの運びになり、今日の審議会は第二小学校PTCA代表の保護者の方がこれまでの経緯を含めた説明を行ったのが通算で8回目会議=本日。

 一連経過の説明の後に審議会会長から「質問は?」とのことでしたが、ほとんど質問もなく終えました。その後は全委員に「感想と意見等」が求められました。「直接話を聴くことができてよかった」という公募市民の保護者の方の感想・・・「何よりも行政に対する不信感があり、そこを解消して、いい方向に進んでいってほしいと思った」・・・・そしてまた、「市民の言い分、行政の言い分・・・それぞれに立場によっても認識の違いがある感じられる。」という感想も。行政側の不親切さを指摘する感想もありました。


 まあ、「言い分の違い」・・・・「言った言わない」論に陥っては困りますが、いずれにしても行政側の不親切さとコミュニケーション不足、説明責任を果たす姿勢と誠実さが市民にはかけらも伝わっていないとのことだと分析しています。「誠意をもって説明をしているのですがなかなか理解していただけなくて・・・」って職員が言い訳をしたところで、相手に伝わらない誠意では困るわけですね・・・・こういうことって日常的に行政×市民の関係性でなくても言えることでは?


 いずれにせよ、そんなこんなで今日は第二小学校保護者の方からの意見を聴くことが中心で、それだけで終わってしまったような会議だったのですが・・・・。


 「無理して第二小学校のことまでを考えなくてもいいのではないか。」「適正規模に至らないけれど、とりあえずは愛宕地域の二つの小学校を統合してそこを魅力ある学校にすれば学校選択制で入学生を増やすこともできるのではないか。」


 「おーーーーーっ!・・・来た来た。」って思いました。

 「適正規模にこだわらないで!」という意見。きっとそうなっていくだろうと予測をしていました。

 教育委員会は「適正規模にこだわらない」ことを良しとするのでしょか?そして、それは「審議会の御意見だから」と片付けるのでしょうか?今後の行方には注目していきたいと思います。これまで強固に主張してきた「適正規模」を変えるための身のこなし。


 ところで、審議会の答申というのは両論併記されていても全然構わないし、審議会委員が協議した結果、要するに「尤もらしい答えを出す」ことなんだそうです。審議会はあくまでも答申を出す場であり、賛成反対と議決をするわけではなく、それゆえに「尤もらしい答え」も一つにならない場合があってもいいのだとか。

 審議会の副会長さんがおっしゃったことに「なるほど」って思いました。あと、「答申は軽んじられるべきではない!」とも。

 


 第二小学校側に立てばまさに「(第二小学校と竜ヶ峰小学校統合の)答申が軽んじられている」と状況。その言い分が審議会委員にどう受け止められたのだろうか?・・・・その問題は当該審議会の議題とはまた別個のものとして、整理されようとしている風を感じましたが、別個のものとして取り扱っていることそのものに問題があるのでは?

 子ども教育常任委員会でも話題として浮上している出来事のひとつなので、十分に状況を把握していきたいと考えています。

投稿者 hisaka : 2009年10月19日

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