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2009年09月18日

決算特別委員会2日目 

 今日は総務費に関する質疑応答から始まりました。集中したのは「職員人件費」のこと。多摩市職員は日本一高い給料とマスコミにも報道されていたこともあり、これに関しては昨日の総括的質疑でも言及する人もいました。私はこの報道を見た時にも思いました。多摩市でもいろいろと他市との比較でデータを出すわけですが、「与条件」が違うということを一応前提としておきたいということです。どの自治体も画一的に同じような業務しかしていないとすれば・・・・比較してどうこうと指摘できるのだと思ったわけですが、自治体ごとの業務内容にはかなりの違いがあるのではないかと考えています。もちろんスタンダードなものもあるわけで、それにおいては比較することはできますが、全体丸めて比較してしまうと必ずしも正確ではないということ。自治体ごとの「業務量」を測定しない限りは、単純比較だけで語れないことも多いと思うのです。


 多摩市が行財政診断白書を作った時にも他市との比較をし、多摩市は他市よりも云々と「平均値」を目指すために効率の悪さを強調するようなデータと資料が提示されたわけですが、私はその時から「データにごまかされないようにしなくちゃ」と思ってきました。「他市比較」というのは傾向は何となくつかめるのかもしれないけれど、それを鵜呑みにすることもできない・・・との思いがします。なので、日本一高い給料の多摩市役所報道もはずれていないけれど、的を得ているわけではないと考えながら捉えていました。

 って書くと・・・・市民の方からは批判をいただくと思うのですが、先日の「ごみ減量市民会議」の際、「多摩地域の昨年度のごみ量比較データ」を説明してくれた職員が「一言でごみ収集と言っても、各自治体によって分別方法も違っているし、データをちゃんと分析しなければいけない」として、分析結果までを報告してくれたのですね。その時に私はやはり「データに対するリテラシーを高めないといけない」と思ったのでした。


 余談はさておき、いずれにせよ、単純比較をすれば多摩市の人件費が高いのは事実。その理由を分析しなければなりません。市長は職員の年齢構成のこととなどを説明していました(市長メッセージ)が、それだけでもなさそう。結局残業代まで含んでの他自治体の比較データですから、何が高額人件費という結果を出したのかを考えてみないと・・・というわけで、本日質疑の集中事項は「残業手当」のことでした。

 去年と言えば、組織改正や国の制度改正に伴う対応などでかなりの残業が発生していたようですね。なので残業代がめちゃくちゃ・・・・・でした。ブログで書いていいものかと躊躇もするわけですが、議場で明らかにされたことで議事録にもいずれ掲載されますので・・・・・何と・・・・最も残業をした職員の残業時間は993時間にも上るのです。


 「ありえない」


 国の制度変更に伴う担当者の負担が大きかった。

 これは事実。

 ですので、その職員の残業時間の多さを責め立てることはできませんが、はっきり言えることは職場の業務管理がちゃんとできているのかどうか!ということ。こんなに残業していたら心身に影響きたして当然・・・・(って残業時間ベスト5の職員さんは元気に活躍されているとのことだが)・・・・職員の健康管理も含めて、上司がしっかりと管理できているとは到底思えない状況ですね。

 一人の人に業務が偏り、しわ寄せがいっているとしか思えません。担当者どうしでフォローできる体制、円滑なコミュニケーションで・・・業務を適切に分担しあっている状況はどうしても目に浮かんでこないわけですが、もちろん答弁は「お互いにフォローし合えるように努力しています。」というもの。しかし、そんなにすんなりとその答弁に納得できるものではありませんね。電話での問い合わせ対応も担当者がいなければ「後で電話をかけ直してください。」とか「こちらからかけ直します。」とか言われるケースも少なくありません。


 要するに・・・・「業務量に見合って適切に人事配置できているのか」「そして上司がきちんと業務を管理しているのか」が問題になってくるわけで、本当は人事配置が必要であっても、人員不足であれば増員もできないのが現実で・・・・公務員改革という大き流れの定数削減の流れの中、一生懸命に国の下命に従ってきた優秀自治体の憂うべき結果につながっているような気も。
 そして上司の業務管理能力についても・・・・いろいろと問題はありそうだ・・・・・。

 いずれにせよ、地域主権やら地域分権やらと・・・掛け声をかけて、国から都から・・・・どんどんと降ってくる(押し付けられるように)お仕事・・・・業務量は減っていません。減らしても減らしても増え続けていくというのが今の傾向です。
 なので、人を減らすことはできないのです。もし、減らすとすれば、業務こなせなくなります。だから「業務を見直す」・・・「本来行政がやるべきことを見つめ直す」→「民でできるものは民で」という発想になるわけですね。

 
 現況言えば、そもそも「業務量」そのものが的確に把握できている状況でもなさそうで、民主党TAMAとしても「業務の棚卸し」作業をやって欲しいと言い続けていますが、着手できているのかどうかすらわからない状況になっています。


 実は、これについて言えること。最終的には市民が市役所に何を求めるのか、どんな業務をしてもらいたいのか(もちろんスタンダード業務はあるけれど)・・・「市役所のサイズ」は市民によって決められていくもの。市民が「市役所にお願いしたい」ことが多ければ、それに見合った人が必要で、、それに伴って人件費が発生するのは当然のこと。そうなれば、人件費総体は減っていかないわけです・・・。


 というわけで、この状況を改善するためにも行政のみならず、議会もともに考えることが必要です。本当にどうすればいいか。将来をきちんと見越した上で。

 しかし、相も変わらず・・・・全体としてはまだまだ「おねだり型」議会から脱皮できているとは到底言い難い状況では、行政が本当の意味でシンプルになるまでの道のりは程遠いなあと思うわけです。

 「残業代減らせ!」・・・・・という議会側のプレッシャーが残業をしなければこなしきれない業務量を抱えている現状をどう変えることができるのでしょう?!

 そこが問題です。そのためにも議会がもっと「業務の見直し。役割の終えた業務の廃止」を積極的に提案ができるといいのですが。そこには様々な利害が複雑に絡み合い・・・・その対立やら調整をも一挙に引き受けている行政はやっぱり業務が減らないという悪循環、ぬかるみにはまり込んでいる気がします。

投稿者 hisaka : 2009年09月18日

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