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2009年03月30日

3月定例会終了。注目の予算は・・・・・。

 ようやっと定例会が終わりました。注目されていた来年度の一般会計予算については、予算特別委員会の結果と同じく「修正案可決」となりました。


 しかし、この「修正案可決」の現場ではいつにない騒然とした雰囲気に包まれたのでした。


 というのは、予想もしなかった展開になったからでした。実は粛々と議事が運ぶであろうと考えていたため、今朝始まる前までは「修正案可決」は決まったものだと考えていました。ところが、朝一番で私たちが連絡を受けたの、病院療養中で今定例会には一度も出席できていない議員さんが退院してくるから・・・・ということでした。脳梗塞に倒れられ、現在はリハビリなどが必要と伺っており、まだまだ議会に出席する体力もないとの話も伺っていましたが、昨日の朝は「意思もはっきりしているし、6時間7時間と車いすで座っていることもできる。」とのこと。病状を心配していた私としては回復されていることにはほっとしますし、それはそれでよかったとは思いました。

 でも、定例会・・・・・今日の今日まで一度も出席もしていないのに、どうして最終日だけ出席をするのだろうか?

 答えは単純明快。

 「修正案可決」をさせないため。彼が参加することにより、可否の構図がすっかり変わるのです。もしも、彼が出席しなければ修正案は12対11で可決したでしょう。しかし、彼が参加をすれば12対12の可否同数で議長裁決となり、「修正案否決」→「市長再提案可決」となる可能性が大・・・・というかそうなるシナリオが描けるからです。実際にそのシナリオがあったのかなかったのかはわかりませんが、私はきっとどこかでシナリオを描いていた人がいたのだろうと考えています。


 傍聴席にいた市民の方が今日一連の顛末を見ているわけですが、病院から民間救急車で議場にやってきたのがお昼休みの後(もちろん、午前中から予算に対する各会派の意見討論が行われています。)、ちょうど採決のための挙手の直前に議場に入場なさいました。そして、予算の採決が終わったらすぐに退場され、また入院先にお戻りになったようです。


 
 「議員は這ってでもでてくるもの。」という意見もあるようですが、お姿から見受けられたのは痛々しさ。意思ははっきりとされていたのだと思っていますが、体力的にはまだまだ回復途上のご様子でした。傍聴席の市民の方は挙手をするのも辛そうだったとおっしゃっていました。

 「なぜ、そこまで・・・・・。」


 議員にはそれぞれの情報網があり、療養中のところを市長や副市長などが訪問をしているとの情報、いわゆる市長「与党」的な立場の議員がお見舞いに出かけたという情報も漏れ聞いていました。ですので、もしかすると、療養中の方を無理やりに採決だけに参加させるのではないかとの噂もありました。でも、私は「まさか」と思っていましたし、仮にもそんなことがあったなら、人権無視で許されることではないとも考えていました。単なる「風邪」「発熱」のレベルで入院されているわけではありません。市民がそこまでしても議員としての職務全うを求めるのかどうか・・・・見解の違いなのかもしれませんが、一時は生死をさまよう状態から少しずつ療養を重ねてきた方を予算の採決だけのために出席させようとの画策があったとすれば、それこそ信じられないことです。
 


 でも、他の議案の採決には加わらず、予算の採決だけのために病院から来られたことは誰の目から見ても明らかでした。「修正案」を通させないというシナリオが描かれていたことと思います。

 しかし、予算は「修正案可決」になったのです。可決に挙手をしたのは12名。挙手しなかったのは10名。退席したのが2名。どこかで描かれていたシナリオ通りにはいかなかったと言えるでしょう。2名の退席は想定されていなかったことと思います。お二方はそれぞれ一人会派で活動されている方。終わってから話を伺いましたが、「採決だけのために、病院からわざわざ連れてきたとしか思えなかった。」という状況に対する態度表明だとおっしゃっていました。


 修正案可決  民主党TAMA(3名) ゆいの会(4名) 日本共産党(5名)
 修正案否決  自民党(3名) 公明党(4名) 生活者ネット・無所属(3名)
 退席  あおぞら 日月会


 退席した2名を批判非難する意見表明とも言える発言もありましたし、修正案についても「事もあろうに」・・・とその内容が議会運営を軽視したものであるとの批判非難も行われました。市長「与党的」な立場の議員が形勢逆転したときにどのような言動をするのかを垣間見ました。
 退席をするということに無責任さを追求する声もあるのかもしれません。しかし、私かれ見れば、入院療養中で退院できる状況とはとても思えない方を出席させることだって同じように「事もあろうに」ということになるのではないかと思います。私が「事もあろうに」と感じているその思いは傍聴席にいた市民の方とも十分に共有できるものだと考えています。

 私は療養中をおしてもその責任感から出席しなければならないと苦渋の決断で病院から来られた議員に心が痛くなりました。そこまでしても「修正案」を可決したくないとした攻防戦の一幕だったとしても・・・・・市民とこの状況をどう共有すればいいのかとも思わずにはいられません。人権尊重を強調し、人を大切にしたいと常々述べる市長の決断は「修正案可決」を受け入れるということで決着できなかったのでしょうか。


 最終最後、市長はすべての議事が終了した後に、「市民、議会との信頼をきちんと構築していきたい。」とおっしゃってはいましたが。

 この一般会計予算以外の議案はすべて予定通りに可決されました。結果についてはおそらく明日にでも市議会のホームページに掲載されると思います。


 最後になりましたが、辻誠一議員がご逝去されました。ご冥福をお祈り申し上げます。 

投稿者 hisaka : 2009年03月30日

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