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2009年03月18日

3月定例会 文教常任委員会

 今日の委員会は思いのほか長丁場。いくつか議論になったところを。

 ◆「国際交流基金の廃止」のこと。

 これは月曜日の総務委員会で継続になった「いきいきTAMA基金」設置とも関連しているもの。結論としては「継続に」。総務委員会の結論を待った方が手続き的にはいいだろうという判断です。
 国際交流基金には3500万円分の個人・団体からの寄附金があり、それについては今後「いきいきTAMA基金」の原資として積み立てをしておいて、活用していきたいとのこと。でも、よくよく話を聞いてみると、毎年300万円ずつを多摩市国際交流センターの活動補助に充てていきたいとの意向が明らかに。

 「えっ・・・・ってことは、10数年だけは補助できる計算になるけれど、その先はどうするの?」

 これからの日本を考えると労働市場を含めてますます外国人市民が増えてくることが予測されるわけで、多摩市としてもきちんと対応策を見据えておく必要がありますね。10数年先にどうなるのかについては「きちんと考えています。」という当然に、無難な回答だったけれど、在住外国人に対する日本語指導をはじめ、災害時への対応、医療通訳のこと、住まいの支援のことなどなど単なる国際交流の枠を超えたところの生活支援が必要になっていることは明らか。共産党の小林さん(現在、国際交流センターで議会選出の理事をつとめている)がそのことをズバリと指摘をしていたけれど、この問題について「きちんと考えています。」とその場しのぎでのんびり答えているだけでは時代についていけなくなりそう。


 
 ◆就学援助の基準見直しと奨学金制度の見直しの陳情のこと

 「見直さないでほしい」というのが陳情趣旨。私たち会派を含め・・・・予算特別委員会で成立した動議に中に入っていた項目でもあるので、陳情については結論が出せるかと思っていましたが、・・・・・予算を撤回した市長から再提案されていないことに配慮をして、「継続」を主張した約一名の方のご意向を受け止めたかたちに。
 就学援助やら奨学金やら・・・・本当は国の責任が大きいはず。就学援助についてはいわゆる生活保護世帯に準ずる世帯(準要保護)の子どもたちに学用品の購入などの金銭的な援助をしていくもの。給食費についても援助があります。この「準要保護」の基準をどうするのかは自治体裁量任せ。なので、多摩市は生活保護基準の1.5倍というのが現行基準。これを来年度は1.4倍にして、3年後には1.3倍にする方針。
 経済的にも厳しい環境もあり、毎年就学援助対象者が増加中。2004年には「準要保護」の基準を1.599倍から1.5倍に見直しをしたにもかかわらず対象者が減ったわけではありません。今回の見直しでは予測値だと対象から外れてしまうのは約600名。
 だけど、今の情勢を考えれば・・・・・就学援助の対象者を減らすことが本当に必要なのかどうかは議論が分かれるところ。


 今の基準にあてはめて考えれば年収ベースで517万円、所得ベースでは360万円(標準世帯の場合両親と子二人)ということで、それが「生活困窮者なのか?!」という意見もあったけれど、世帯収入の構成でいえば両親一人の収入なのか、それとも両親二人が必死に働いてその収入なのか・・・によっても生活の困窮度って違ってくるような気もします。それに、ちゃんと残業代が出る会社であればいいけれど、厳しい会社の場合には死ぬほどサービス残業して得た収入ということになると、生活のゆとりなんてありませんよね。
 ゆとりと言えば「ゆとり教育」で学力低下が言われていますが、「ゆとり教育」をカバーするために子どもたちを学校以外の場で学習させている家庭も多いのが現状。教育費のかかり方が昔とは全く異なるような気がします。


 昔の発想のままで「就学援助制度」を捉えていても考えていても・・・・自治体がこの制度を維持することを考えていたら持たないと思います。まだまだ多摩市のように余力ある自治体であればいいわけですが、余裕も余力もない自治体は就学援助制度そのものを維持することもできません。最低限度、「保護世帯」についてはその財源の半分(だったかな?)が国から補填されるので対応していかねばなりませんが、「準要保護」世帯への支援ができないと判断する自治体も出てくるでしょう。まさに「自治体格差」「地域格差」につながる課題です。


 奨学金についても同様。日本ほど高等教育にお金を出さない国はありません。多摩市の奨学金制度は他市に誇るべき制度だと思います。財政的に余力がなくなってきても頑張って維持をしてきたと評価することができるでしょう。・・・・でも、ここにも財政難からとうとうメスが入ったといえるのです。


 担当者が「できる限り支援をしていきたいとは思うけれど、それではとても制度を維持することができない厳しい財政状況がある。」と胸の内を明らかにしていたように、担当者の心境を察するにこちらも胸が痛みます。

 大学が実施をしている「学生生活実態調査」を見てもわかりますが、教育格差と所得格差はやはり。。。

 「家計支持者の年間所得額(年収)」
 東京大学 「950万円以上」  47.8%(前回50%超)
 一橋大学 「1000万円以上」 41.4%
 京都大学 「900万円以上」  34%
 北海道大学「1000万円以上」 17.5%
 徳島大学 「1000万円以上」 15%
 新潟大学 「1000万円以上」 14.7%
 ※なお、国税庁『民間給与実態統計調査』によれば、平成17年分平均給与は437万円です。
 ⇒東京大学の2人に1人は、
 家庭の年収が1000万円以上、ということです。
 (慶応教育会のホームページから)

 その他、いわゆる「交通安全指導員」の廃止の条例提案もありました。これは「みどりのおばさん」のことです。既にお辞めになった方の後任については配置せず、その後はシルバー人材センターへの仕事として移行しています。今回最後の1名の方が定年を迎えることになったので、これをもって条例も廃止できる段取りです。


 あと協議会でもかなり重要なことが報告などされていたので、それについての所管はまた明日続きを書きます。明日は中学校の卒業式です。

投稿者 hisaka : 2009年03月18日

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