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2009年03月11日

予算特別委員会3日目

 今日がちょうど予算委員会の中日。中日になるとちょっとだけ委員長も一息いれて後半に備えなければ・・・・?というわけで、午後の2時間だけ委員長の代行で議事進行をしました。議場からは「子どもが議長席に座っているようだ!」なんて言われましたが、自分でも「そう見えるかも。」って思いました。全く「貫禄なし」なので。
 それにしても、議長席って本当に眺めが良く、議場の一番高い所にあるだけにニュータウンが一望できる感じ?!(大袈裟かな。)議長席は行政側のところに位置しているので、答弁を求められた担当者の息づかいがダイレクトに感じられました。でも、職員って本当に一生懸命答えよう、答えなくちゃってしているのです。大量の資料をあわてて焦ってめくる様子(音)など・・・・・議員席で見ているよりもリアルでした。


 さて、今日は「民生費」が中心に質疑応答が展開しました。財政の逼迫状況は全国的に見れば、まだまだ基礎体力があるとする多摩市。市長の「今こそ間に合う改革」は断行されています。そんな中で市長が進めていく改革を図にまとめたと考えられる「平成21年度予算 ビルド&スクラップ」という資料が示されています。この資料は職員がかなり苦労に苦労をして作成したものだと聞いています。確かに力作なんでしょうし、力作だと思います。


 ところが、これこそが・・・実は今回の審議にかなりの物議を醸し出す材料になっているのです。わかりやすい資料がゆえに審議で有効に活用されるとも言いかえることが可能です。


 何せスクラップとして示されている「市民サービスの見直し」メニューのほとんどが福祉サービスの削減。例えば、示されたメニュー項目から今日の質疑で話題になったのは・・・・

●特定疾病者福祉手当単価見直し
●障害者福祉手当対象者見直し
●高齢者おむつ支給額見直し

 というような内容。

 これらを見直すことが「真に必要とされる施策へ重点的に配分をすること」につながり、「市民のみなさんの夢の実現」に向けて着実に前進するとの説明付資料になっているのですが・・・・・・・。
  市長は「市民の暮らしの視点」「暮らしの安心を守ること」を優先にして予算編成をしているとするけれど、「守れていないよ!」って異議あり。
 

 なぜなら、市長が考えている「ビルド&スクラップ」って、私たちの会派が考えている「ビルド&スクラップ」とは全く異なっているのです。問題はスクラップしたことで縮小したサービスをカバーできる(またはそれを上回る)手だてがビルドされているのかどうかです。
 しかし、スクラップされたものは単にスクラップされて削減されただけの話にすぎず、結局はサービス切り下げ、「後退」としか目に映らないことが問題点。職員力作(これはお世辞ではなく)の資料を穴のあくほどに見つめて「ビルド」されている事業メニューの内容が・・・・・・。


 現行のサービスはなくなったとしても、そのことで福祉サービスを削減された当事者の生活が停滞したり、悪化しないことが大前提でサービス全般を見直し、再構築されていかねばならないはず。例えば、単なる理屈付けを変えただけで事業内容そのものは重複して存在するいくつかのものを廃止し、整理統合して新たな事業といて再出発する・・・・こういうのが再構築だって考えるわけですが・・・・。どうやらそうでもないらしい。


 例えば、高齢者へのおむつ支給の問題も、お金に余裕のあった高齢者はおむつを減らされても対応はできるかもしれない・・・・でもそうではない高齢者はどうなる?そのことで生活水準は?衛生的にはどうなる?
 おむつの支給を減らす代わりに、「自己排泄」機能を回復させていくような取り組みが促進されていくならばいいけれど、、、、、答弁にあったように「減らす分については、おむつの使い方の工夫で」なんて!

 「もはや福祉も聖域ではない!」と言い切った答弁は福祉予算を削減することに対する心の痛みを感じるものでもなく、市の苦しい台所事情を切実に訴えるというよりも、市長の「改革への自信」を印象づけするだけに終始してしまいました。


 そんな答弁は、日々市民の相談に対応している障害福祉、高齢福祉その他の窓口を含め、本当に苦しい思いでやっている現場の葛藤に目を向けているとも感じられず、私も意気消沈してしまった感じ。もちろん、これまでのようなサービス水準を維持することもできないことは明らか。そうは言っても「ぎりぎりまで維持していく努力」をして欲しいというのが福祉予算に対する私、私たち会派の考え方。


 なので私たちの会派として質していきたいのは市長の姿勢。でも、市長の意図や考え方を尋ねたいと質疑をしても、最初の答弁で矢面に立たされるのは障害福祉課長や高齢福祉課長さん。予算全体の考え方はこのお二方の課長や部長に尋ねても答えの出るものではないのに・・・・・・・・まるで被告席に座らされた状態で議員からの厳しい追及にさらされてしまう課長たち・・・・その情景に同情心すらわいてしまうほど。


 議員側は課長に物申したいわけでも、課長を責めているわけではなく・・・・市長に問いかけているのに・・・・・。聞きたいのは「あれか」「これか」の取捨選択のつけ方なんだけれど。「どれもこれもやってほしいけれど・・・予算がないから各部、各課で工夫して!」というレベルの話ではなくて、もっと大きな視点から市長のポリシーを聞けるといいなあ。


 でも、市長は決して答弁に立たず。市長の代わりに最終最後には副市長が答弁席に送り込まれ、「改革の必要性に理解を賜りたい」の一点張りと「聖域ない見直し」の主張を繰り返すばかり。私たちは聖域なく見直すことを真っ向から否定はしていなくて、その見直し方と優先順位のつけ方を問題視しているのに。

 聖域・・・・というならば、もっともっと聖域たる部分があるのでは?

 例えば次々に土地購入をして資産を増やしてしまっている状況とか?! その他にもどうやって取り組むのかがよくわからないままに予算計上されているような事業もありそうですし(NPOセンター?!を筆頭にして?)

 明日以降も・・・・・まだまだ問題点の指摘と追及が続くに違いありません。

投稿者 hisaka : 2009年03月11日

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