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2009年01月26日

学校図書館訪問記~中野区立啓明小学校

 今日は中野区立啓明小学校へ。

 とかく・・・・何も聞かず・・・・・・「ぐりぐら図書館」に足を運んでほしい!


 そんな学校図書館に出会ってしまいました。啓明小のホームページでも「啓明じまんのぐりぐら図書館」とありますが、その言葉通り!こんな学校図書館で過ごせる子どもたちは幸せです。子どものころに遊園地に行った時の気分になれるような場所。まるでおもちゃ箱にほうりこまれちゃったような気分、子ども基地みたいな場所でした。


 ある意味でショッキングでしたが、素晴らしいモデルを見てしまった私・・・・学校図書館の可能性が今後ますます広がるだろうし、広げなければいけないという使命感がフツフツと湧いてくる今日この頃・・・・その思いを一段と強くし、多摩市の学校図書館の未来を勝手に展望しているところです。


 中野区はそもそも教育委員会が学校図書館に力を入れていて、学校図書館司書の配置にもいち早く取り組んできた歴史もあります。さらに、インターネットで検索をしてみると教育長さんがちょうど新年明けのお便りに、「学校図書館は重要です」なんてことを述べられているのを見つけました。「読書が学力を伸ばすのに効果があることは間違いないと思います。」との教育長さん。その確信を裏付けするのがまさに啓明小学校の研究実践で「学校図書館には、① 教育課程全体で学校図書館を活用することにより、主体的な学び方が身に付き、子どもたちの学びが変わる ② 学校図書館を活用し、発達段階をふまえた多様な読書活動を進めていくことにより、コミュニケーションが広がるという2つの効果が確認できました。」との成果になるのでしょう。この「教育長だより」はあくまでも個人的な見解に留まる内容とのことですが、教育委員会全体のみならず、区民にも届く「ことば」ではないかなと思いました。
 教育委員会の方向性や方針の大事さを思い知らされますね。学校図書館司書をただ配置するだけではなく、なぜ配置をするのか、配置をしてどうしたいのかという部分にまでしっかりとアプローチし支援できる体制があるように思えます。今日はそのサポート体制までを十分に聞くことができなかったものの、学校図書館司書配置の歴史も10年を超えていますし、かなりの経験の蓄積があることは事実でしょう。公立図書館と学校図書館の交流その他はずいぶんと進んでいるようです。もちろん学校図書館司書同士の連絡や情報交換会なども設置されていますし(これは多摩市でもやっているが)、さらには区内の先生たちが集まって行っている学校図書館についての研究会との積極的な交流も行われているようです。
 また中野区では読書感想文コンクールが毎年行われていて、いわゆる優れた感想文を一冊の作品集にとりまとめています。これにも上記の研究会の先生たちが関わっておられるようですね。そういえば、多摩市でも私が小学校の頃には「多摩のこども」という作品集があり、市内の小学校から集められ、選ばれた詩・作文・読書感想文が毎年一冊に取りまとめられるというのがありましたが今はなくなっていますね。作品集をつくる活動も緊縮財政の中では削減対象になってしまったのかな・・・・。


 というわけで話を啓明小学校の「ぐりぐら図書館」に戻すと、やはりそこには「人」がいました。「子どもと本とをつなぎたい!」という情熱を持っている素晴らしい「人」です。既に今年で15年目になりました・・・・という経験の積み重ねもあるわけですが、「ぐりぐら図書館」に必要、余人をもって変えられない人物・・・・・それが学校図書館指導員の米村さんでした。どう素晴らしくて凄いのかについては「ぐりぐら図書館」に足を運ばなければ感じることができないと思いますが、「すべての教科書を読み、その内容をしっかりと把握している。教科書が変われば、もちろんそれに対応してきちんと読みこんでいる。」・・・・それが彼女の学校図書館に対する姿勢です。言うまでもなく、学習活動の上でも「頼りになる学校図書館」なのです。学校図書館が単なる読書活動を支える場だけではなく、「教育課程の一つに位置づけられるもの」という認識のもと、図書館がどう機能すべきかに明確な立ち位置と、哲学を持って仕事をなさっておられます。


 そして何といっても・・・・子どもたちが行きたくなる場所にする工夫があちこちに!図書館内の装飾一つとってもすべてすべて子どもたちの参加なくしては完成しないものばかり・・・・・というか子どもたち自身の作品により図書館が埋めつくされていると言ってもいいほど!子どもたちは自分たちの作品があり、飾られている場所ですから、そこへの愛着心もひとしおですね。なので、ますます図書館が大好きになり、図書館に行きたくなる・・・・・というこんな具合に「ぐりぐら図書館」は子どもたちの生活の場の一部になっているのです。

 米村先生の図書の時間にも参加させてもらいましたが、「一人ひとりの子どもたちの読書力を的確につかみ、アドバイスをするということ」を目の当たりにしました。


 つなぐ「人」、そしてつなぐ「場」・・・・・子どもたちの「心」がたくさん詰まっている「場」とそこにいる「人」の存在を感じました。ここに至るまでは紆余曲折で、一日二日の俄仕立てでは決してできるものではないでしょう。経験を着実に積み重ねていけるような継続性をきちんと担保していける仕組みが必要不可欠です。それは、単に年数重ねれば・・・と言うだけでは不十分。正規職員ではないところの壁をしっかりと乗り越えて学校図書館を支えていける仕組みなくしては成り立たないものです。つまり、そこには教育委員会があり、学校図書館を理解できる現場が必要なのです。まさに啓明小学校の米村さんの「みなさんに支えていただいているから」という言葉になるのでしょうね。

 やっぱり学校図書館への理解をどう進めていくのかが原点になければならないと。そう思いました。多摩市の学校図書館司書の全校配置はどういう哲学のもとで進められているものなのでしょう。そしてその哲学がきちんと多摩市の教育全体を貫き、その方針が現場にも浸透していて初めて芽を出していくものではないかとそういう気がしてなりません。その点からいえば、まだまだ市教委そのものの取り組みを総ざらい点検をしてみる必要がありそう。その作業は明日以降からさっそく取り掛かってみるつもりです。

★☆★明日は第2弾 多摩市議会出前委員会最終回です! 
              みなさまのご参加お待ちしています★☆★

   1月27日火曜日19時から  関戸公民館ヴィータホールにて
   「議会改革についての中間報告」

投稿者 hisaka : 2009年01月26日

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