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2009年01月23日

教育再生にも学校図書館

 今日は千葉県市川市まで東京横断の旅でした。都営線直通で乗り換えなしで終点の本八幡まで行けるので本当に楽ちん。帰り道は絶対に座れるので絶好の睡眠時間だったりします。

 さて、今日の目的は「市川市学校図書館フェスティバル」。「学校図書館で育てる子どもの心と学び」をテーマにした一日がかりのシンポジウムでした。午前中は前の鳥取県知事で、今は慶応大学の教授をされている片山善博さんの講演があり、午後からは市川市の取り組み発表と関連したパネルディスカッション、最後は分科会形式でそれぞれのセッションに分かれてのディスカッションが行われました。私は都合によりパネルディスカッションまでで帰路についたのですが、「学校図書館」をテーマにした片山さんの講演だけでも聞く価値のあるものでした。

 片山さんは図書館について「金食い虫、無料貸本屋などと言うのは野蛮な認識だ」とした上で、図書館を万人の自立を支援する知的拠点であるとの話をされていました。そして地方自治体で最も大事な仕事は教育であること、そして図書館政策が地方自治体にとって要に位置づけられること、さらには学校図書館が学校において欠かすことのできない基礎的な設備であると指摘されていました。

 その基礎的な設備を機能させるためにも学校図書館に常駐の「人」を配置することが必要だと話し、そのための財源を捻出しようしない政治家たちの見識の低さを批判なさっていました。

  片山さんが文部科学省のパンフレットで述べられているように・・・・

全国どこの自治体も一様に教育の重要性を唱えています。しかし、それが口先だけでなく本気かどうかを知ることができるのが学校図書館です。残念なことに、子供たちのためにせっかく用意された貴重なお金を、学校図書館以外のところに使い回ししている自治体が多いのがわが国の現状です。
 本を読むことは、多くの知識を蓄えるだけでなく、考える力と創造力を養い、ひいては子供たちの人生を心豊かなものにします。その子供たちが読書の楽しみと喜びを覚え、知らず知らずのうちに読書習慣を身につけるようサポートするのが学校図書館の役割です。
 昨今の自治体は、とかく道路の問題になると異常とも思えるほど強い関心を示すようですが、本来道路以上にしっかり取り組まなければならないのが、次代を担う人材の育成です。それが教育であり、わけても考える力を育む学校図書館にはことのほか力を入れてもらう必要があります。みなさんの奮起を期待しています。


 おっと・・・・多摩市の場合には全小中学校に正規職員ではないけれど、図書館司書が配置されているわけで首長を筆頭に・・・・自治体としてはかなり健闘しているのかも?!でも、多摩市の独自財源ということもあり、永続的に配置を保証できるかといえばかなり危ういのも実情。このあたり・・・東京都教育委員会に頑張ってもらいたい!(30人学級についても東京都の考え方はお寒い限りなので期待できないのかもしれないが、このあたりはぜひ都議会民主党との連携をしたいところ)
 ちなみに・・・時代をきちんと読んでいる島根県はついに学校図書館司書を全校に配置する方針を固めています。もちろん配置しただけでは不十分で、そこには配置された「人材」の力量が問われてくるわけですが、かなり画期的な方針で、島根県からの波及効果を期待します。それにしても、知れば知るほどに、学校図書館の重要性を感じます。


 片山さんは学校図書館と公共図書館の連携は当然だとおっしゃっていましたが、実態としては縦割り行政でまだまだ連携体制が敷かれているところは数少ないのが現状。ここでも多摩市は優等生で、情報システム上での連携体制がすでに整備済みです。つまり、多摩市もこれからますます発展できるというわけですね。市川市は学校図書館の活用にかなりの歴史があり、そこは多摩市とは格段の違い!しかし、話の内容を聞いていると多摩市でも実現可能性がありそうな気がします。市川市その他の先進事例に学びながら開拓していけるはずです。そしてその必要性もある分野であること間違いなし。


 学校を元気にするためのレシピの一つは「学校図書館の活性化」です!

投稿者 hisaka : 2009年01月23日

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