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2009年01月14日

動きが鈍いのはなぜか?

 今日は午前中に議会改革特別委員会の世話人で打ち合わせをしました。年初めの委員会は来週月曜日と木曜日に開催され、その後から第2回の出前委員会を開催します。フォーラムについては多摩市議会のホームページでご確認ください。

 開催場所が少なすぎる、もっときめ細かく地域に足を踏み入れていくべき・・・とのご意見もあることは重々承知ですが、駅前のシンボリックな3つの施設で行います。開催場所をもっと市民に身近なところに設定するところについては今後の宿題だとは認識しています。

 さて、先週の毎日新聞の記事から抜粋。全国の議会基本条例の制定について話題になっています。記事から抜粋してみますと・・・・都市部では議会基本条例制定の動きが鈍い!とが指摘されています。これについて有識者は下記のようなコメントを寄せています。

 

早大マニフェスト研の草間剛研究員は「制定自治体は都市部以外の自治体が目立つ。それは、議員と住民の距離が近く、財政危機を機にチェック機能を問われた議会が住民との関係や自らの役割を見直していった結果。その点、都内は財政的に恵まれ、地方自治の意識もそれほど高くなく、制定の動きがにぶいのではないか」と話している。


 なるほど。


 思わず納得してしまうコメントです。議員と住民の距離は近いようで遠いことは昨年のアンケートで立証済み。財政危機を機にしているという側面についても「お金がない!多摩市」と数年前から行財政改革に着手している状況からもまあまあ該当(ただし、「今ならまだ間に合う」としていることは特筆事項で多摩市は全国的に見たらまだまだ財政余力もあり優良自治体にランクインしていることは事実)。地方自治の意識についていえば、自治基本条例の制定はしているけれど・・・・(トーンダウン)という状況。


 なので、制定の動きが鈍くなってしまう条件が揃っていないわけではありません。


 しかし、多摩市議会の議員はなかなか勉強熱心で(と言って宣伝すると手前味噌すぎますが)、時代のトレンドを取り入れることは得意な人が多いです。たぶんだから自治基本条例の制定についても決して消極的ではなかったですし、議会基本条例を制定していくべきだという流れに身を乗じていくことにもそれほど大きな抵抗感はなかった気もします。
 「議員は先生!」でとても権力があって、偉くて、地域を取りまとめることができる・・・・なんて議員像に固執していることに恥ずかしいと思っている市民感覚に近い議員さんのほうが圧倒的多数だからかもしれませんね。
 「市民の自治」ということに対するスタンスは他自治体議員よりもよっぽど文明開化しているような印象を受けるのはおそらく間違っていないと思っています。そういう議員が市民から選ばれているということがまさに多摩市議会の大きな特徴で市民の見識だと言えると考えています。


 それにしても、多摩市議会の我が「議会基本条例制定をめざす議会改革特別委員会」ではようやっと議会基本条例を成案していけるかどうか・・・なんて状態にあるにもかかわらず、後発で取り組み始めた自治体がすでに条例素案を策定し、市民にパブリックコメントを求めていたり・・・なんて状況に「へーーーーーーぇ」と。「変えなきゃ!議会」からの情報によるとこの年末にかけてもばたばたと制定されている状況が公表されています。はっきりいって驚愕!です。他自治体のことをあれこれと口を出すことはしたくありませんし、出す必要もありませんが、それらの自治体ではどんな市民との対話を行ってきたのかなあと。多摩市議会の特別委員会は不十分だとの指摘もあるかもしれませんが、最大公約数でできる範囲での努力はしているような気がしていますが、それもまた気のせいかなあ。
 あんまり自己評価ばかりしていても仕方ありません。何しろ、議会基本条例を制定することは第一段階のステップにすぎず、その後の条例の運用こそがこれからの要になるわけですから。議員は4年に1度の選挙で市民からの洗礼を受けるわけですが、「議会」ということになればそこを監視したり、モニタリングしたりする仕組みはありません。


 本当は「議会は機能しているのか」ということこそ問うてみたいわけですけど、議会力よりも個人の範囲にとどまった議員力だけがまだまだ重視されてしまう。もちろん議員力も大事ですが、その議員力が市民全体のために公平公正に発揮されているかどうかはまた別問題なのかも。


 「当選力と実現力は違う」


 こんな発言をなさる方もおられます。その言葉が向けられる先は何処?

 

投稿者 hisaka : 2009年01月14日

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