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2008年12月18日

議会改革は進むか?

 議長が主催で、全議員向けに議会改革特別委員会が取り組んできた内容の説明・意見交換会が行われました。できる限り特別委員会に所属をしていないメンバーから率直、忌憚のない意見を「存分に発言をしてもらう」という委員長の言葉からスタート。まずは昨日、とりあえず一定程度まで合意をとりつけた「改革事項・骨子」について説明をしました。

 私たちの委員会は単なる「議会改革特別委員会」ではなく・・・・「議会基本条例制定をめざす議会改革特別委員会」なんですが、「別に条例を制定する必要も感じない。」という趣旨の発言も飛び出し、随分と認識の温度差を感じたものです。少なくとも、特別委員会名を決定するときに「お冠」をつけるかどうかでも議論して合意してきたわけですが、「議会基本条例制定をめざす」けれども制定できなくてもいい・・・ということに帰着することも可能と言うことかもしれませんね。
 「条例制定だけがすべてではない。もっと足元の改革ができる。」という声高な主張もありました。確かに足元の改革を進めることが必要ですね。


 足元の改革にはどんなことがありますか?


 事例として挙げられていたのは「一般質問」。一般質問については発言時間35分で一問一答形式という多摩市議会では非常に先進的な手法を取り入れているわけですが、発言時間は短くし、質問についても再質問回数を制限すべきではないかと考えている会派もあり、ここは今後の課題です。
 「もっと質の高い議論を!」という声もありますが、「質の高さ」って基準がないから判断するのはとても難しい。議員同士でお互いの主張云々に「質の高低」を言い合うのはそれこそありえない話。「一般質問は勉強会じゃないんだから!」という主張はもちろんなんですが、それにしても何がどう勉強会になっているのかも含めて、きちんと認識を一にすることが必要だと思います。

 

 さて、議会改革によってより議会活動が活発に展開されていくことは望ましくないわけではありませんが、「議会の活動が増えていくと言うことは、それだけ事務局などにも負担が増えていく=残業」にもつながり、「残業代の発生」になることを考えるべし!・・・と議論が及びました。議会事務局のみならず、行政全般にも同じく負担増を要求することは、議会が「人件費削減。行革。」と言っていることと矛盾を来たすのではないかとの指摘なのかもしれませんね。しかし、残業代が発生するからそれに配慮して議会活動をセーブすると言うのはおかしな話です。

 ところで、昨日の委員会でも論点になった部分がやはり今日もまた指摘されるポイントでした。例えば「反問権」。議長が認める範囲で市長に反問権を認めていこうということですが、それは「市長だけ」に認めるものなのか、それとも市長補助の副市長はじめ部長・課長など職員にも認めていくのか・・・・・ということがあります。実態は別として一般質問は「政策論争」であるわけで、反問権を認める範囲はあくまでも「市長だけ」というのが主流になっていると理解していますが、ここは少し議論が必要なのかもしれません。
 しかし、これに関しても「反問権なんて必要なし!」との主張が飛び出しました。何と、「質問をしている議員にはプライドがあり、反問されないから市長を責めることができる。反問なんてされるのは議員のプライドを侵害するもの。」と。この主張については首をかしげる人のほうが多く「大いに政策論争を盛り上げるためにも反問権は必要。」という反論も出ていました。


 それから「出前委員会」についても、「議会」として市民と直接対話の場をつくっていこうとすることへの反論もあり、「そんなことは議員個人の努力で取り上げればいい。議員が自分の活動を怠っているだけではないか。」との意見もありましたが、「市民の中には個人の議員(もしくは会派)に取り上げてもらいたくない。議会全体に提案する場が欲しい。」という意見もあり、これからを見据えて新しい意見聴取のチャンネルを設けていくべきとの考えのほうがもちろん主流。このチャンネルづくりのところは特別委員会の中でも具体的なシステム化をどうするか議論詳細を詰める必要を考えていますが、まずは改革の方向性として「新たなチャンネル設置」で合意できなければ前に進まない話です。

 さてさて、これからどうなるのか?


 今日の意見交換を見ていると、認識の隔たり、温度差・・・を感じます。「議会改革でやろうとしていることは何なのか」をきちんと確認しながら進めていくべきだというご意見もいただきました。改めて何をし、何を目指すのかを抑える必要がありそうですね。決してゴールラインは「議会基本条例制定を目指す」にはないはずなので。

 議会改革は進むか?

 今となっては「後戻りできない」と言うだけの話かもしれません。

投稿者 hisaka : 2008年12月18日

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