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2008年11月15日

視察報告・・・議会改革のヒントとアイデアその②

 議会運営委員会視察報告の続きです。

 会津若松市議会では議会基本条例について制定過程や条例内容の説明を伺いました。先方議会で中心となって取組んだ小林作一議員さんも同席をしてくださり、私たちの質疑などに対応をしてくださいました。

 会津若松市では議会基本条例と政治倫理条例を同時に制定をしたのだとか。制定に向けては議長の諮問機関として議会制度検討委員会を設置しています。この検討委員会は議会内で正式に設置された委員会ではなく任意設置のプロジェクトチーム的なものなので、議員以外にもメンバーに加えることができたところが大きな特徴。なので、市民が1名(3名公募したが1名しか応募がなかった)と学識経験者もメンバーに名を連ねています。
 「もともと会津若松市議会は議論好きなんですよね~。」と事務局が苦笑されていましたが、毎回の検討会議は午後から始まり夕方まで4~5時間かかるのは当たり前だったそう。議長就任に当たっての「公約」の一つとして上記2つの条例制定が掲げられていたらしく、一年間という限られた時間で議論しようとの見解では一致していたようです。

 
 やはり・・・・検討委員会のメンバーとそれ以外の議員とではかなりの温度差があったようですが、そこは随所で全員協議会を開催し、研修を行ったり、意見交換を行ったり・・・・と丁寧なやりとりを重ねてきたとの話でした。その結果、議会基本条例については全会一致で可決できたと言います。ここは我が市議会でも目指したいところですね。


 一部が我武者羅になればなるほど、周りの目が冷ややかになる・・・・なんて状況は避けたいものです。最後は多数決で反対する人がいても仕方がないと割り切らないようにしたいです。会津若松市の場合もよりよい合意形成が図れるような努力は並々ならずされてきた経過があるでしょう。その努力のほどは当事者でなければわからないところだと思いますが、文言一つとってもかなりの調整の賜物だったようですし。


 ところで、やはり気になるのは条例制定後のことですが、現在は条例に基づいて行った市民との意見交換会で出されたさまざまな意見を集約し、議会として取り上げて議論していく段階です。条例をいかに運用していくのか・・・・という手法そのものは実際に取組みを進めながら並行して検討を重ねているようでした。
 「条例を制定する段階ではまだ取組んだこともないような新しいことも盛り込まれているので、詳細まで詳しく規定することをしていません。」との説明は大変参考になるものでした。実践を積み重ねながら、条例文に規定すべきものや規定できるものは後の改正で対応していきたいと考えているそうです。「条例は進化させていくもの」なので、栗山町の議会基本条例の場合は「議会の憲法」として制定されているものですが、会津若松市議会の条例は最高規範の位置づけをしていません。そこもまた私たちでも考えさせられるポイントの一つになりそうです。


 でも、「議会基本条例を制定したからといって議会の何が変わるの?議員はどう変わるの?」・・・・これがおそらく市民の素朴な疑問ではないかと思っています。

 確かに「どう変わるんだろう?」って今はなかなか説明しにくい面もあります。ただ、栗山町にせよ、伊賀市にせよ、そして会津若松市にせよ・・・・「議員の意識が変わる。」ということは実際にあるようです。会津若松市議会の条例より・・・抜粋。

 「議会の構成員として、一部団体及び地域の代表にとどまらず、市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。」(第3条「議員の活動原則」より)

 これについては一部議員からは抵抗感のある文章だったようですが、最後は多数決で取り入れられたものの一つ。多摩市議会でこの文言に学ぶとして取り入れるとしたら?・・・・反対する人っているかな?


 その他、条例の文言内容などさまざま質問にもお答えいただいて「とてもいい視察内容だった。」と私たち一同は満足して帰路に着きました。果たして・・・・今後の取組みにどうつなげていけるのか?財政難を理由に市長から視察旅費の削減を求められることを避けるためにも、視察の成果を示したいものです。

投稿者 hisaka : 2008年11月15日

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