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2008年11月14日

視察報告・・・議会改革のヒントとアイデアその①

 1泊2日の議会運営委員会の視察は天候にも恵まれ、空は高く広い!そして紅葉がキラキラしている!車窓からの眺めを味わうことのできた道中でした。初日は東北新幹線で郡山まで。そこから少しばかり南下して須賀川市まで電車で10分。須賀川市議会事務局で手配をしてくださった昼食会場でひと休みをしてから研修会場である須賀川市議会へ。そこで2時間ばかり「議会だより」と「インターネット中継」の話を伺い終了。それから、再び郡山まで戻ってから電車で日本海方面に約1時間揺られ、2日目の研修地である会津若松市まで移動して宿泊。今日は午前中に会津若松市議会で「議会基本条例」の話を伺ってから、先方の議会事務局員の方の案内で鶴ヶ城を見て、昼食をいただいてから帰路に着きました。

 ・・・・と書くと「真面目に視察したのか?」って指摘されそうですが、多摩市議会の視察はかなり真面目です。今日の会津若松市では午前9時過ぎには到着し、歴史的建造物=庁舎=議場を見学すると共に研修が始まったわけですが、通常は「2時間」目安で行われる視察も今日は質疑応答も活発で終わっみたら正午になっていました。会津若松市は観光にとても力を入れている場所で、特に鶴ヶ城はまちのシンボル的存在。なので「ぜひ、まちを見て欲しい!」とのことで城址のご案内をいただいたわけですが、時間があまりなく外からお城を眺めただけで逆に申し訳ない感じもありますね。「本当は天守閣までご案内できればよかったんですけれど、ぜひまた会津若松にいらしてください!」ということでした。地方都市に行くと視察の受入れの条件で「宿泊も当地でお願いします。」と言われる場合もあります。先方には疲弊、衰退している地域経済に少しでも活力を・・・・との視点があるのでしょうね。

 
 それにしても議員の視察などは市民的にも「ちゃんとやってるの?」と批判の対象になりがちで、議会費の予算計上などにあたっても予算編成権のある市長からも「本当に意味があるの?」と言われる存在なのですが、「百聞は一見に如かず」という部分は否めないですし、多摩市議会が行っている視察は(かつてのことはわかりませんが)、かなり「きっちり行われている」と思いますし、市民からの説明責任を追及されても対応できる内容であることは確かです。


 って何だか言い訳みたいですが、「議員の視察ってどうなの?」と批判が絶えない状況なので多摩市議会の場合のことを書いてみました。


 さて、肝心の視察内容についてです。須賀川市では「事前告知型」議会だよりのアイデアをいただきました。多摩市議会だけに限らず、全国どこの議会でも「事後報告」の議会だよりの発行はしていると思います。しかし、議会への関心を高め、傍聴者を増やすために事前にお知らせをする手法を取り入れたのだそうです。このアイデアは・・・・商工会出身の議員の方のものだとか。説明をしてくださった事務局の方は「民間の発想だなと思いました。」と述べていらっしゃいました。事前告知方式はそれなりに効果が発揮されているようですが、気になるのは事後報告のこと。議会だよりそのものに事後報告が掲載されるのは次の事前告知の時に合わせて・・・・になってしまうわけですが、実は市広報に掲載されるのと地域のローカル紙でも大事な問題については取り上げてもらえて、議会だよりで知らせなくても補完してもらえる状況があるようです。

 地元のローカル新聞の存在はとても大きく、何と議員の一般質問の内容まで取材して掲載されているのです。そこで、議会だよりでは議員の一般質問の内容の掲載はせず、そのかわり各常任委員会の活動内容や報告、そしてまた各会派の政務調査費を使用しての視察等の報告詳細が掲載に紙面を割くことができるのでしょうね。須賀川市議会だより「はちまん」についてはホームーページでももちろん見ることが可能です。


 「出せる情報はすべて出していて、これ以上出せるものはないのではないか。」と事務局の方が胸を張っておっしゃるくらいに須賀川市議会の情報公開、情報提供は進んでいます。市議会のホームページの充実度合いもかなりのもの。確かに・・・政務調査費については1円からの領収書間で公開されています。もともと須賀川市は日経のIT自治体ランキング(2007年)で第2位になっているとおり、情報発信にはこだわりをもって取組んでいることがわかります。市議会のインターネット中継などもその一貫に位置づけされるともなれば、「予算を回せない!」ということで実現困難の壁にぶち当たることもないのでしょうね。


 ただし・・・・インターネット中継などどのくらいの視聴があるのかどうかは・・・・・・「ちょっとカウントしていないんです。」と職員の方はちょっと冷や汗ぎみ。実際に市民の関心がどこまで高まっているのかまでリサーチしていないようですが、私自身は積極的に公開しようとの姿勢、そしてまた蓄積されていく情報を後からでも見ることができるというのは大事なことだと思っているので視聴がどのくらいあるのかは気になるデータかもしれませんが、そこまで気にすることもないと考えています。「見る人がいないのに取組むことの費用対効果に疑問。」という意見もありますが、私自身は費用対効果だけで測れない観点に着目してもいいと感じています。


 ちなみに議会だよりの配布方法は・・・・市の広報の配布にあわせているとのこと。新聞の折込ではありません。町内会単位に配布をし、町内会長さんから各戸に届いていくようなシステムだとか。単身者用のアパートまでは網羅できていないのが実情との話でしたが、地方都市ではまだまだ自治会町内会システムが機能していて、広報物の配布などでも大いに活躍しているのでしょう。ここは多摩市と事情の大きく異なるところです。

 以上・・・まずは初日の報告。本日の会津若松市の視察報告は続編で。

投稿者 hisaka : 2008年11月14日

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