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2008年10月30日

「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムin世田谷

 今年で7回目を迎える「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムに参加をしました。記念すべき第1回が開催された兵庫県川西市に行ったのは議員になったばかりの頃。つまり・・・七年ぶりの参加ということになります。今日明日の2日間の全国自治体各地の事例発表などがあり、意見交換が行われます。今日は「子ども支援の総合化」をテーマにした全体会が開催されました。

 ちょうど今、「次世代育成支援推進法」に基づいて都道府県、市町村がそれぞれに制定する「地域行動計画」の見直し時期にさしかかっている段階です。地域行動計画は前期が平成17年~21年で後期が平成22年~26年となっているので、まさに今年から来年にかけ各自治体は後期計画策定に向けていかなければならないのですね。既にニーズ調査などを始めている自治体もあるようですが、そういえば多摩市の場合はどうだったかな?いずれにせよ、次世代の育成は緊急課題ということで、国あげての取組みが推進されているということは事実でしょう。いまや地方分権、地方主権の時代・・・・というわけで各自治体がそれぞれの地域事情をきちんと加味しながら施策展開を図り、「少子化を解消する」というのが急務と言うわけです。


 さて、「次世代育成支援推進」って産めよ増やせよ!と推進することが目的ではないはずなのに、何となく「女性が子どもを産みたいと思える」とか「子育てしたいと思える」という視点が強調されがちで、ワークライフバランスで仕事と家庭との両立やらを確保できる体制づくりへの取組み、あとは従来は在宅で子育てをしている家庭などへの支援が手薄だったとの反省にたった子ども施策全体の見直しが行われてきたように思っています。つまりは保育園を増やし、保育時間を延長するとかで共働き世帯(女性)の支援できる基盤整備、在宅育児家庭への支援では一時保育の受け入れを増やすとか子育て広場を拡充するとかで育児不安等への解消を・・・・・・という風に全体的には乳幼児期から就学前段階の子育てを支援する対策に力点を置かれてきたような気がします。
 
 確かに子どもにとって乳幼児期はとても大事な時期。でも、本当は子どもたちの健やかな育ちを保障し確保する環境づくりは、子どもが小学校に入学後にますます自分の主体性を伸ばしていく「学び」の環境が子どもにとってグンと広がる時期、子ども自身の視野が広く広くなる段階にこそ必要で、そこに子どもの視点がどう生かされてくるのか、大人はどう見守っていけるのか、多摩市だと「子育て」ではなくて「子育ち」という言い方をしているのかなと思っていますが、まさに子ども自身のエンパワーメントを大人がどのようにサポートしていけるのかといいう視点がもっと重視されてもいいはずですね。それこそが「次世代育成支援」の視点であるべきで、子どもたちが健やかに育つ環境の質の向上を進めていかなければならないと思います。


 でも実際には「子ども」自身を直接に支援するような施策展開への数量的な目標値は設定されておらず、「子育て支援策」に分類されるような施策については目標値や事業量が設定されているのが実情だと指摘されていました。そういえば・・・・と東京都の報道発表も思い出し、改めて内容にざっと目を通したのですが、やはり次世代育成支援はどちらかというと子育て支援策に重点化していますね。
 

 気のせいかもしれませんが、結局のところ乳幼児から就学前までは「市長部局」で義務教育期間は「教育委員会」でというような「縦割り時代」の名残もあり、「子育ち」を支えていく環境づくりをより豊かにしていけるような全庁的な取組みと言うのはかなり理想郷なのかもしれない・・・・・・。なので、どうしても横断的な連携がなるべく必要のないところで施策を動かそうとする傾向が強くなるのかしら?


 本当は「子どもの視点」で「子育ち環境」の質を問い、見直していけるようなシステムって欲しいですよね。やり方の工夫は必要なのかもしれませんが、そういうシステムがあれば何となく社会に対する意識が深まると言うか、子どもたちへの「政治教育」や「市民教育」、シチズンシップ教育が自然にできていくような気もします。


 というわけで、今日の「子育て支援の総合化」という全体会討議の場ではまさに自治体としての施策展開をどう図っていくのか、子ども条例なるものを制定しながら計画の推進により弾みをつけていくような取組み事例など今後の「地方自治」を生かした子ども施策の展開が話題になっていました。


 私としては・・・・・・「次世代育成支援行動計画」を策定したことによって、どれだけ子育て・子育ち環境の質が向上したのかななんて思います。既に前期計画は進行中ですが、見聞きするさまざまな情報からしてもますます「育ちの環境」が疲弊していて、厳しくなっているような気がしてならないのですね。これをもって飛躍的に少子化が解消しているわけでもないですし。計画づくりの作業ってとても大変で苦労するわけで、ニーズ調査その他を含めても数百万はかかるんですね。多分、財政的にまだまだ余裕のある自治体は数百万ではなく経費をかけていると思います。都道府県レベルでも策定し、市町村レベルでも策定している(もちろん国も)、・・・・全国ベースで見ると結構な金額・経費になると思います。計画を策定するとは言え、その内容は財政難としかめつらをしていかねばならないということで、決して「明るい気持ち」で策定できないと言うのが自治体の本音ではないかと思います。

 
 そんな中で各自治体四苦八苦しながらも、とりあえず計画づくりを進め、各自治体で工夫した取組みが実践されていることも事実です。明日の分科会ではそんな先進事例の取組みを学ぶ場が設定されています。子どもの救済、児童虐待への対応、子どもの居場所づくり、子ども条例の策定などなど7分野があるのですが、私は「子どもの参加支援」という分科会に出席したいと考えています。

 あっ、昨日のBlogですが、操作ミスでせっかく書いた文章を消去・・・・ちょっと愕然としてしまって気持ち回復できなかったので更新していません。すみません。

投稿者 hisaka : 2008年10月30日

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